理系男子。もしかしたら「ちょっと苦手なタイプかも…」と思っている方も多いのでは? サッパリ理解できない彼氏の言動。すれ違いばかりの同僚。理屈っぽくてイヤな上司…そんな人は必読の理系男子の取り扱い方です。
理系男子が“動ける指示”と“動けない指示”の違いとは?
ビジネスシーンでかかわる同僚や部下にこのようなタイプがいたら、ぜひコミュニケーションの参考にしてください。
さっそくですがあなたの周囲に、指示をしたことをスピーディにやってくれない部下や後輩はいませんか?
たとえば、オフィスの備品を適当に発注するように頼んだのにいつまで経ってもそれに着手しない、といったことです。
もちろん「やる気がない」「すぐに忘れてしまう」といったことが理由ならば論外ですよ! ですが、実はそうではない理由ですぐに取りかかれない場合もあるのです。
「備品チェックして、足りないものは適当に発注しておいて」
実はこんな指示をされると戸惑ってしまうタイプがいるのです。仮に私がこの指示をされた立場だとしたらどう思ってしまうかというと、「ボールペンは何本以下なら発注するのだろう。発注するとして、何本オフィスにあればOKなのだろう…」と考えてしまいます。
理系にとって理解しにくい「適当にやっといて」の指示
「そんなの適当でいいだろう」と読者の方からツッコミをいただくことが容易に想像できます。
しかし、その「適当」がとても難しいのです。
なぜなら、私が学生時代に専攻した数学は、厳密性がとても大切だったからです。「5-4」は「1」であり、決して「2」ではありません。
また、完璧な法則や公式に沿って、ルール通りに処理をしていくことで正解を出すことが「正」という世界でずっと生きてきているのです。
ゆえに、厳密なルールのない行為はとてもストレスを感じてしまいます。
もちろん「そんなの自分で考えろよ」も正論ですが、一方でこのようなタイプは「適当にってなにそれ? 正確に指示しろよ」と心の中で思ってしまうものなのです。
もしあなたの職場に「けっこう」「そこそこ」「かなり」「ガッツリ」といった表現を嫌う人がいたら、おそらくその本質は先ほどの例と同じでしょう。
これが、私のようなタイプの人間には「適当にやっといて」という指示が意外と難しい理由です。
これはいわゆる理系と呼ばれる分野で育ってきた(あるいはいまもそのような環境でお仕事をされている方)にある傾向です。
たとえばマシンの設計は、ほんの少しの狂いも許されない仕事です。コンピューターのプログラミング、医療や薬品の世界においても、厳密なルールのもとでキチッと仕事をしていかないと、大事件になってしまうこともあり得ます。
理系が動きやすい指示の定義とは?
そのような理系出身者のちょっとしたインサイトを知っておくと、先ほどのようなケースでも指示の仕方が変わってくるかもしれません。
「ボールペンは在庫が5本になったら発注。オフィスに常時15本ある状態を維持する」
と仕事を定義してあげればよいのです。
「めんどうくさいなぁ」とお思いでしょう。そのお気持ちはよくわかりますが、裏を返せばこのようなタイプはとても簡単です。
つまり、一度そのようなルールを決めてしまえば、あとはそのルールに従って勝手に仕事をこなしてくれるのもまたこのようなタイプの特徴だからです。
あなたがいつも気にして不定期に「備品チェックして、足りないものは適当に発注しておいて」なんて指示をする必要がないということ。めんどうくさい一面もありますが、考え方を変えれば使いこなすのはとても簡単なのです。
もちろんすべての理系男子にあてはまるわけではありませんが、一方で私のようなタイプがビジネスシーンにいることは間違いありません。そんな部下や後輩をうまく動かしたいのなら、指示の内容はルール化し、正確な数量で伝えてあげるのが吉でしょう。
ぜひ試してみてください。
深沢真太郎 ビジネス数学の専門家/人材教育コンサルタント
BMコンサルティング株式会社代表取締役/多摩大学非常勤講師/理学修士(数学)
ビジネスパーソンの思考力や数字力を鍛える「ビジネス数学」を提唱し人財育成に従事。著作多数。
文化放送「The News Masters TOKYO」ニュースマスター
ラジオ『深沢真太郎のビジネス数学カフェ』パーソナリティ
パールハーバープロダクション所属(文化人タレント)
国内初のビジネス数学検定1級AAA認定者
公式チャンネル「ビジネス数学TV」