中山紗彩がお届けする「東京で働くミレニアルズ女性の○○観」
中山紗彩です。私は、ミレニアルズ世代(※)の女性のためのクリエイティブスクール『SHElikes(シーライクス)』を運営するSHE株式会社を26歳で創業しました。
※21世紀を主体的に生きる女性たちとSHEでは定義しています。
SHElikesは開始から1年の現在、6000人のミレニアルズ女性たちを受講生として迎えてるような場に成長し、私も日々多くのミレニアルズ世代の女性たちのキャリア観やライフスタイル観について触れてます。
日々感じ取れる彼女たちからインサイトや、SHEとして公式に実施しているミレニアルズ向けリサーチなどからの気づきをまとめ、「東京で働くミレニアルズ女性の○○観」としてOggi.jpで発信していきます。
#1「東京で働くミレニアルズ世代の女性の“キャリア観”」
■ミレニアルズ女性が仕事に求めるものは▶︎「熱狂できるやりがい」
突然ですが、皆さんは今のお仕事は自分らしいやりがいのあるものになっていますか? 自分の心に胸を当てて考えてみた時に、今の仕事を誇りに思えていますか? 熱中できていますか?
先日、SHE(私の経営する会社)ではミレニアルズたちに、仕事観についてのリサーチを実施しました。
その結果、ミレニアルズ女子の約4割から、仕事を通じて最も得たいことの要素は「熱中できるやりがい」だとの回答を得ることができました(ちなみに、調査では40-50代の女性たちからは予想通り、「安定的な生活」を最も重視するという声が上がりました)。
・・・この結果は意外ですか? 私は正直、少し意外だと感じました。
わたし自身は割とこういうことを大事にするタイプなのですが、まだまだ世の中の多くの方たちは「安定収入」とか「社会的な信頼」を望む声が大きいかなと思っていたので、この世の中の変化を嬉しくポジティブに感じました。
最近のミレニアルズの中では「好きを仕事に」といったワードが共通キーワードになっているように、仕事に対して「不特定多数のマスからの見え方や評価」よりも「自分の内面から湧き上がるやりがいや意味合い」を重んじる傾向が高まっていることが分かる結果となりました。
そういえば、アメリカの心理学者マーティン・セリグマンが唱える幸福を実現させるための5つの要素には、「達成(Achievement)」「エンゲージメント(Engagement)」「人間関係(Relationship)」「意味、意義(Meaning)」「ポジティブ感情(Positive Emotion)」があるそうです。
今回の結果は、5つの要素のなかの「意味、意義(Meaning)」「ポジティブ感情(Positive Emotion)」と深く関わっているように感じました。
「Q6.あなたが「仕事」をすることによって最も得たいものは何ですか。(単一選択式)」に対する回答(N=180・2018SHE独自調査による※)
■ミレニアルズ女性たちは「些細な幸せ」と「女性らしい感性を活かせる仕事」を望み中
ところで、まだまだ40-50代の女性たちは「安定的な生活」を求める傾向があるのに対して、ミレニアルズ女性たちはなぜ仕事において「熱狂できるやりがい」を第一に求めるようになったのでしょうか?
今回浮き出た世代間ギャップの背景について、私なりに2つの視点から考察したいと思います。
1つ目は、「経済成長」というかつて幸福度の絶対的な指標として掲げられていたものが崩れ、「もっと今この瞬間の幸せ」を大事にするようになったことが関係しているのではないかなと思います。
1980年代〜1990年代のバブル景気を知っている今の40代〜50代は、経済成長こそが幸せの重要な指標だと信じていた世代です。
しかし、リーマンショックや経済停滞、東日本大震災などを通じて、「経済成長や漠然とした未来はいつ崩れるか分からないものだ」という認識に変わっていきました。
そしてそういう過渡期を生きてきたミレニアルズたちは、漠然とした経済成長という目的に向かうよりも、「身近な人とのつながりを大事にしながら夢中に毎日を生き、今この瞬間目に見えるものを信じて大事にしながら生きていきたい」と思うようになったのではないかと思っています。
またそれが、ミレニアルズ女性たちが安定的な生活よりも「今この瞬間のやりがい」を大事にする価値観に繋がってきているのではないかなと思います。
2つ目は、「女性らしい感性を活かせる仕事」が増え、ロールモデルが多様化したことが関係しているのではないかなと思います。
周囲の友人たちと会話していても感じる機会が大きいのですが、もともと女性にはトレンドインサイト把握力やクリエイティビティといった、女性らしい感性を活かした仕事がしたいと望む方が多いと思っています。
それらを活かせる仕事といえばかつては、モデル、女優、デザイナーなどの狭き門に限定されていましたが、インターネットやSNSが普及した今、webデザイナーやインスタグラマーなどデジタルクリエイティブ領域のそういった要素を活かせる仕事が多数生まれてきています。
そして、その領域で活躍する様々なロールモデルたちの姿がSNSなどで発信され目に触れる機会が増えているからこそ、彼女たちのように「自分らしくやりがいを持って輝いて働きたい」と思う方が増えているのではないでしょうか。
■私らしさを生かして活躍する、私のお気に入りのミレニアルズたち
実際に私の周りでも「熱狂できるやりがい」を求めて仕事している素敵な女性がたくさんいます。
例えば、HALUさん(@haluchn)。新卒でフリーランスの道を選び、名刺やロゴデザインからロースイーツの生産・販売、地元葉山のPR活動など幅広く活躍されています。
「女性の健康や食に対する意識を変えたい」という想いを持って、自分の得意なスイーツ作りやデザインを通して発信されているという、まさに自分らしさを活かして好きなことを仕事にしている女性です。
フリーランス美容師のMAI KOBAYASHIさんもその一人です。彼女は名のある美容院に勤めていましたが、もっと自分らしく覚悟を決めて仕事がしたいと考え、フリーランスに。
全ては自分の振舞いによって信頼が形成され、全てがいい意味でも悪い意味でも自分の責任になることが、仕事のやりがいに繋がっていると考えられているそうです(実際私もお世話になっていますが、まいさんに出会ってからこんなプロ意識を持って真心込めて接客してくださる方いるのか。。と虜になっています)。
実は私自身も、もともと小中高一貫の女子校育ちで、安定した名のある会社に入ることが(もはや仕事をすることよりも家庭に入ることが)幸せとされてきた価値観の中にいました。
それでも、最近はSNSでSHEを中心とした活躍を目にした小中高の友達から、「さあやちゃんのように周囲や両親からの見え方にとらわれず自分らしい仕事や生き方をするにはどうすればいいのか?」といった相談を受けるようになりました。
わたしはやっぱり、一度しかない限られた時間の人生の中で、自分も、周りの人も、世の中も幸せにしていけるのは、やはりひとりひとりが「自分にしかない価値を発揮して、熱狂して生きる」ことなんじゃないかなと考えています。
もちろんついつい世の中からの目が気になってしまうのもわかるのですが、人生限られた一度きりのものだし、何よりも今回ご紹介したように、同世代の女性たちの中にも自分らしい生き方をのぞみ、それを実行し始めている仲間たちもたくさんいます!!
ぜひこの機会に、自分らしい生き方や熱狂できるやりがいのある働き方について一度考えてみませんか?
次回も、「東京で働くミレニアル女性の○○観」を主軸に、ミレニアル女子の人生やライフスタイル観について、気になるリサーチ結果やヒアリングのお声と、そこへの考察をお送りします! お楽しみに。
※2018SHE独自アンケート概要
「働く女性の価値観」に関するアンケート
調査主体:SHE株式会社(協力:株式会社マーシュ)
調査期間:2018年10月26日〜2018年11月4日
調査対象:女性221名(22-38歳のミレニアル世代180名、40-59歳41名)
調査方法:インターネット調査
SHE株式会社 中山紗彩
1991年生まれ 27歳。
早稲田大学在学中の起業とリクルートへの新卒入社を経て、同じリクルート出身経営メンバーで2017年4月SHE株式会社設立。私らしい働き方を叶えるクリエイティブスクール「SHElikes(シーライクス)」を中心としたサービスで、ミレニアル女性たちの新しい生き方をサポート。
Instagram:@she_saaya
Twitter:she_saaya