数字が苦手な女性でも簡単に身につく! 数字の読み方
今回は数字の読み方についてレクチャーをしてまいります。とはいえ、よくある財務諸表の読み方や難しいデータ分析の話をするわけではありません。そういう類いの仕事は、それが得意な人に任せてしまいましょう(笑)
私がお伝えしたいのは、それよりずっとあなたの日常にある「数字を読む」という行為の質を高めることのススメです。あなたのパソコンの中、あるいはオフィスのデスクの中にはたくさんの資料が入っていることでしょう。そして、その資料の中にはデータと呼ばれる数字の情報がたくさん記載されているはずです。
つまり、ざっくり言えばあなたは「データに囲まれて生きている」ということになります。よって、データを正しく読めるかどうかは極めて重要なビジネススキルということになります。さっそくその超基本から解説していきます。
▲(c)Shutterstock.com
たとえばエクセルファイルなどにビッシリならんだ数字を読むとき。あなたはどんな視点でその数字を眺めているでしょうか。私がオススメするのは、次の2ステップです。
ステップ1 傾向はなんだ?
ステップ2 異物はあるか?
数字というものは、比較をすることではじめて意味をもつ言語です。
私の年齢が41歳だとします。いまこの瞬間、あなたはご自身の年齢と比較をしませんでしたか? 「ワタシより◯歳上ね」といった評価を自然にしたことでしょう。つまり、数字というものは比較をすることで意味付けをするものなのです。
よって、先ほどのような「ビッシリならんだ数字」でも数字を比較することで何らかの情報をつくっていくのです。たとえばホームページの日別アクセス数といった時系列データがあったとしたら、日ごとの数字を比較することで上昇、下降、あるいはアップダウンが激しい、といった「傾向」を掴みます。
このステップ1はあなたも普段から自然にしていることだと思います。重要なのはステップ2です。私は「異物」と表現しましたが、要するに「あれ? なんでここだけこんなに大きな(小さな)数字なんだろう?」というものがあれば、そこに着目して! ということです。これもまた、数字を比較するからこそできることですね。
なぜ「異物」に着目する必要があるかというと、そこには重要なメッセージが含まれている可能性があるからです。たとえば上述のホームページの日別アクセス数。ある日だけ極端に数値が高かったとしたら、あなたはその日に何があったかを推察することになるでしょう。
何かのメディアでたまたま紹介されたのか、あるいは広告宣伝部門が仕掛けていたのか。自然発生的なものか、外部要因によるものかによって、その「極端な数値」の評価はまったく変わります。前者であればある意味ではアクシデントのようなものですから、それに一喜一憂することに意味はないでしょう。一方、後者ならばその宣伝行為がどれくらいの効果を生むのかをしっかり検証して次につなげる必要があるでしょう。
また、このような「異物」を除いてデータを読むことも大切です。極端に大きい(小さい)数字があると、それだけで平均値が大きく(小さく)なったり、全体の傾向がわかりにくくなる可能性があります。たとえば学生時代、たったひとりの秀才がクラス全体の平均点を引き上げていたこともあったでしょう。それと同じことです。
「異物」はエラーだと考え、それを除いて数字を読むクセをつける
▲(c)Shutterstock.com
データ分析を仕事にしている人などはこれをよく「異常値を除去する」と表現をしますが、数字に強い人がサラリと行うコツのひとつです。「◯◯◯は異常値なので外して考えましょう」といった台詞をサラリと言えると、ちょっとカッコイイかもしれませんしね(笑)
次回はこの「異常値を除去する」は具体的にどうやればよいのか、エクセルファイルの中での作業方法についてお伝えします。誰でも簡単にできて、しかも数字に強い人がしている仕事術。ぜひご期待ください。
▲(c)Shutterstock.com
PROFILE|深沢真太郎 ビジネス数学の専門家/人材教育コンサルタント
BMコンサルティング株式会社代表取締役/多摩大学非常勤講師/理学修士(数学)
ビジネスパーソンの思考力や数字力を鍛える「ビジネス数学」を提唱し人財育成に従事。著作多数。
文化放送「The News Masters TOKYO」ニュースマスター
ラジオ『深沢真太郎のビジネス数学カフェ』パーソナリティ
パールハーバープロダクション所属(文化人タレント)
国内初のビジネス数学検定1級AAA認定者
公式チャンネル「ビジネス数学TV」