Q.仕事中、だんだんだるくなってきた。会社の救急箱の体温計で測ったら38度の発熱が…。病院に行くべき?
こんにちは。産業医の加藤杏奈です。
発熱は体がだるくて辛いですよね。頭がぼーっとして、仕事の効率も下がってしまいます。こんなときは、できるなら早退や休暇を取るなどして、早めに対処して治しましょう。
まずは水分をしっかりとり、睡眠を十分とって早めに体を休めることが重要です。病院に行くべきか、様子を見るか迷うこともあると思いますが、そんなときには以下の3点を知っておいてください。
1.病院に行くべき発熱とは…
※いずれも大人の場合です。
1. 39度以上の高熱、あるいは平熱より+2度以上のとき
2. 嘔吐や強い腹痛、下痢があるとき
3. 咳、痰、鼻水などの上気道の症状がないのに、38度以上の高熱があるとき
4. 37度以上の熱に加えて、咳が2週間以上続いているとき
5. 水分が十分にとれないとき
6. 息苦しく、ヒューヒューと音がして呼吸をすることが難しかったり、横になって眠れないとき
7. 海外からの帰国後
真面目で頑張り屋さん気質の日本人。みなさん熱が出ていても意外と、薬を飲んだり我慢して働き続けてしまったりしがち。ですがやっぱり、体が資本。上記のようなときは、ぜひお休みをとって病院へ!
2.時間外に病院に行く場合は、時間外加算に注意
早退して、平日日中に病院に行ければいいですが、どうしても抜けられない会議があったり、仕事が立て込んですぐには行けないこともありますよね。そういう時に遅い時間までやっているクリニックや夜間・休日救急外来は便利。ですが、時間外加算などの割増料金がプラスされることはご存知ですか?
【時間外加算】平日8時前・18時以降、土曜8時前・12時以降
初診…850円、再診…650円、調剤薬局…調剤基本料と同額を加算
【休日加算】日曜、祝日、年末年始
初診…2500円、再診…1900円、調剤薬局…調剤基本料の1.4倍を加算
【深夜加算】22時〜6時
初診…4800円、再診…4200円、調剤薬局…調剤基本料の2倍を加算
【夜間・早朝等加算】平日18時〜8時、土曜12時〜8時
初診・再診とも診療所のみ500円割増、調剤薬局(平日19時〜8時、土曜13時〜8時)…400円
このように夜間休日の救急外来は、余計なお金が意外とかかってしまうので、急病時以外は安易に受診しない方がよいでしょう。緊急度の高い人から診療されるので、待ち時間が長く、限られた検査しか受けられないことも多いです。薬も必要最低限の数日分のみ処方され、後日改めて診療時間内に再受診を指示されます。
また、診療所(クリニックや医院と言われるところ)は診療時間内であっても、受付が18時以降になった場合、「夜間・早朝等加算」という割増料金がかかります。
3.自分では救急外来に行くべきか判断できないときに
救急外来に行くべきなのか微妙なときもありますよね。そういう場合は、#7119に電話するか、「#7119」でインターネット検索してみてください。#7119(救急相談センター)はけがや病気をしたときに救急車を呼ぶべきか、今すぐ病院に行くべきか、専門家からアドバイスを受けられる窓口です。
病状や重症度を把握して、必要ならば救急車を要請したり、近隣の医療機関を案内してくれます。24時間365日体制で相談に応じてくれます。現在、全国に展開中です。未展開のところでも、番号が違うだけなので、「救急相談センター」で検索してみてください。
以上、皆さんの心地よい暮らし&お仕事のお役に立ちますように☆
加藤杏奈|産業医・労働衛生コンサルタント
産業医科大学医学部医学科卒業。東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻修了。専門は産業医学、予防医学、メンタルヘルス。産業衛生専門医。現在、某化粧品メーカーの産業医として勤務している。