歴史ある神戸パンの名店「FREUNDLIEB(フロインドリーブ)」
開港以来、諸外国との交易の場として栄えてきた港町、神戸。
メリケンパークと名付けられた公園があるほど、小麦粉がたくさん入ってきた地でもあり、小麦粉を使って作られる「パン」は、神戸で暮らす人々に古くから親しまれています。
神戸のパン文化の歴史を語るうえで欠かせないパン屋さんの一つ「FREUNDLIEB(フロインドリーブ)」は、日本でドイツパンの文化を広めた歴史あるお店。
そんな「FREUNDLIEB(フロインドリーブ)」について、ご紹介します。
フロインドリーブの歴史は第一次大戦時まで遡ります
創業者のハインリッヒ・フロインドリーブ氏が、第一次世界大戦時に捕虜として日本に連れてこられ、終戦後に名古屋の「敷島製パン」の初代技師長を経て、1924年に妻のヨン氏と共に神戸で開業。
順風満帆に営業していた中、第二次世界大戦中の神戸大空襲により、お店が全焼。終戦翌年には営業を再開し、順調に営業していたところに阪神淡路大震災で全壊してしまいます。
その後、1929年築の旧神戸ユニオン教会を改築して店舗にし、現在に至ります。
100年近くの歴史を持つ旧神戸ユニオン教会は、フロインドリーブの店舗として営業を開始した1999年に登録有形文化財に登録され、戦災や天災にも負けず、神戸とともに歩み続けています。
多くの人に愛されているフロインドリーブ。本店にはカフェも併設
フロインドリーブ本店は、1階がパンやクッキーなどを販売する店舗で、焼きたてのパンの数々が綺麗にショーケースに並びます。
また、ギフトとして人気の焼き菓子や、2階のカフェでいただける手作りの特製バターも揃います。
教会の礼拝堂部分を改修して作られた2階のカフェは、シャンデリアや尖塔アーチの窓が美しい神聖な雰囲気な中で、自慢のパンやカフェメニューが楽しめます。
朝10時からモーニングメニューとして、お好みのパンが選べるセットやエッグプレート、サンドイッチが味わえます。ランチタイムでは、看板メニューのローストビーフサンドイッチをはじめ、数種のサンドイッチやケーキ、ドリンクが楽しめます。
クリスマスシーズンに約4万本も焼き上げるシュトレンも大人気!
そして、クリスマスシーズンに訪れたら是非チェックしてほしい「シュトレン」。
クリスマスシーズンになると、日本でも近年よく見かけるヨーロッパの伝統菓子「シュトレン」ですが、神戸ではクリスマス前にシュトレンを食べる文化が根付いています。
▲フロインドリーブ4代目 上原嘉恒ハインリッヒ氏。
その文化を牽引してきたのが、1924年の創業当時からシュトレンを作り続けてきた「フロインドリーブ」です。
フロインドリーブでは、11月1日より販売が開始となっており、クリスマスシーズンに約4万本も焼き上げるそう! この数の多さから、どれだけ神戸の人にとってシュトレンが根付いているかが垣間見えます。
日がたつごとに粉砂糖やバターが浸透し、熟成すると味に深みが出てくるので、クリスマスシーズンに神戸に遊びに行ったら、是非お土産に買ってきてほしいフロインドリーブのシュトレン。むしろ、これを買うために神戸に行ってほしい! と声を大にして言いたいほどの美味しさです。
フロインドリーブは新神戸駅にも近く、立ち寄りやすいので、神戸旅行の際に是非訪れてみてほしい老舗のパン屋さんです。
【フロインドリーブ 本店】
住所:神戸市中央区生田町4-6-15
営業時間:ショップ 10:00〜19:00、カフェ 10:00〜19:00
定休日:水曜日
HP
初出:しごとなでしこ
チョコレートアドバイザー Yuko
学生時代からアルバイトで稼いだお金で、海外ブランドの菓子類につぎ込むなど、ショコラ愛好歴は20年以上。2011年よりチョコレートに関する情報ブログを運営。
2014年、チョコレート鑑定家クロエ・ドゥートレ・ルーセル氏が講師をつとめた、日本コネスール デュ ショコラ協会認定のシニアアドバイザー(チョコレートアドバイザー)の資格を取得。
現在はチョコレートに関するサイト365chocolats.netを運営するほか、食にまつわる様々な記事をWebメディアへライターとして寄稿している。