篠塚 忍さんってどんな人?
東京都三軒茶屋に、居酒屋などの飲食店がひしめき合う、“のんべえの聖地”として知られるエリア(通称、「三角地帯」)がある。
篠塚さんは、そこにひっそりと佇む「食堂おさか」の店主。営業時間は、夜10時から翌日の午後1時まで(ごはんが無くなり次第終了、不定休)。
深夜営業ながら、「焼き魚定食」や「かぼちゃの煮物」など、どこかほっとする家庭料理を求め、仕事で帰宅が遅くなった人や夜通し飲んだ人、夜勤明けの人など多くのお客さんで連日賑わっている。
——「食堂おさか」を始めた理由とは?
現在は連日大盛況の店を営む篠塚さんですが、20歳で結婚し、4人の子どもを育てながら、スタイリスト、ナレーター、不動産関係などさまざまな仕事を経験してきた。
食に興味をもつようになったきっかけは、当時2歳の娘が難病を患ったこと。これを期に“食べ物”について徹底的に勉強。
その後、娘が完治し、2007年に食堂をオープン。
篠塚 忍さんの「7つのルール」
さて、そんな篠塚さんが「いつもしている7つのこと」=「セブンルール」とは…?
■1.お味噌汁の味はお客さんに任せる
「食堂おさか」では、味噌汁に一風変わったこだわりが。それは、「すまし汁」を注文すると日本各地の味噌5種類がついてきて、お客さん各々が味噌をブレンドすることで、好みの味噌汁を作ることができること。育った環境によって味噌汁の味は違うので、お客さんに任せたいという考え。
■2.お見送りの言葉は「またあとで」
営業時間が日を跨ぐ深夜食堂「食堂おさか」では、お客さんを見送るときの言葉は、「また明日」ではなく「またあとで」。篠塚さんの「お家みたいなお店にしたい」という思いも込められている。
■3.食材はこだわり過ぎない
お店のコンセプトは「毎日通える食堂」。そのため、最高級の食材だけを使うのではなく、調理にひと手間かけるのが篠塚さんのポリシー。安く、健康的で、おいしい料理をつくるための手間は惜しまないという考えの持ち主。
■4.寝るとき携帯は胸の上
平均睡眠時間は4時間。お店で仮眠をとることも多い篠塚さんの胸には常に携帯電話が。長男が働く近所の姉妹店などで何かあったらすぐに動けるようにするため。
■5.神社で必ず御朱印をもらう
多忙を極める篠塚さんの癒しは、休日に夫と日本各地の神社を巡ること。そして参拝後は、御朱印をもらうのがお決まり。10年ほど前に突発性難聴になってから、御朱印帖をお守り代わりに持ち歩いている。
■6.お客さんの年齢、職業は聞かない
篠塚さんが接客をするうえで心がけていることが、お客さんの年齢や職業を聞かないこと。お店は「ただごはんを気持ちよく食べて気持ちよく帰ってもらう場」にしたいという思いから。
■7.不幸は笑いに変える
娘が難病を患い、自身も耳の病気を抱えている篠塚さん。過去には家が放火され、生死をさまよった経験も。さらに現在、店がある場所は、三軒茶屋再開発のエリアに位置しているため、立ち退きの危機にも直面中。しかし、当の篠塚さんは常に笑顔。「不幸を笑いに変える」のが篠塚さんのモットー。
篠塚さんの人柄が滲み出た笑顔とあたたかい家庭料理で出迎えてくれる「食堂おさか」。多くの人の“帰る場所”のような存在になっているのではないでしょうか。とても素敵なお話でした…!
次回の「7ルール」の放送は、10月30日(火)よる11時~11時30分です。主人公は、毎日100食限定、京都で連日長蛇の列ができる、人気ステーキ丼店「佰食屋」経営の中村朱美さん。
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初出:しごとなでしこ