日常生活や外出時に実践しやすい“水の気化熱冷却法”
熱中症対策研究所は、水の気化熱を利用して身体を冷却する方法として、日常生活のさまざまなシーンで簡単に実践しやすい3つの“暑さ対策スタイル”を発表。
同研究所では“衣服への水分補給”という新しいコンセプトを提唱することによって、汗の代わりとなる水分を衣服から気化させることで身体を冷却する方法を推奨しています。
気温が非常に高い時期の熱中症対策には、経口補水による“体内への水分補給”に加えて、汗の代替となる“衣服への水分補給”も必要になってきます。
実践しやすい3つの“暑さ対策スタイル”
汗をかくと人体から水分が失われ、熱中症などのリスクが高まります。そこで汗の代わりとなる水分を衣服から気化させることによる冷却効果を積極的に利用するのが望ましいといえます。
熱中症対策研究所は、日常生活のファッションに組み込みやすい「水の気化熱を利用する冷却方法」として、濡らしたタオルと携帯扇風機を組み合わせて誰でも簡単に実践できる3種類のスタイルを紹介。
※紹介する“暑さ対策スタイル”に使用している扇風機は、熱中症対策研究所が開発した「えりかけ扇風機 BodyFan 3インチファン(白)」を使用。
1.【襟かけスタイル】
服の中で水分を気化させて体を冷却する方法。
汗の代わりとなる水分を含ませたタオルを服の中に引き込み、えりかけ扇風機で服の中に風を送り込むことによって、服の中で水分を積極的に気化させながら体を冷却する方法。
タオルはポリエステル製のスポーツタオルのほか、首に巻いて使用するクールタイプのネックスカーフを使用できます。
見た目も大変スッキリしており、気化熱で冷たくなったタオルが首や胸を冷やすため、とても効果的な冷却方法です。
また、タオルと扇風機が分離しているため、タオルだけ取り外して水分を再補給しやすいというメリットがあります。
2.【襟かけスタイル】
首に掛けたタオルの両端に扇風機を固定して、首から下げて使う方法。
風による水の気化で冷やされたタオルによって首まわりが冷やされるだけでなく、濡らしたタオルの水分がじわじわとシャツにしみ込み、そこに風が当たってシャツから水が気化することで、胸まわりも積極的に冷やすことができます。
タオルが首に対してソフトにあたるので長時間首に掛けていても苦になりません。
また、タオルを首に掛けるだけで扇風機を胸の前に簡単に配置できるため、介護を必要とされている方や、発汗調節が困難な障碍者の方への着け外しも容易であり、介護支援者にもお勧めの方法。
またタオルの代わりにカラフルなデザインの手拭いなどと組み合わせることができるため、ファッション的にも発展させていきやすいスタイルのひとつ。
1.2.の方法はメントール入りスプレーを併用すれば、さらに効果が得られます。
3.【傘かけスタイル】
日傘を使う女性におすすめのスタイル。
傘の骨に扇風機のクリップを掛けることで、頭上から首や胸に向けて風を送り続けることができます。
首の周りにも濡らしたタオルを巻いておくのが理想的。暑さ対策だけでなく、化粧崩れ対策としても効果があります。
扇風機が傘の内側に隠れるため、ファッション的に扇風機を見られるのは恥ずかしいという方にもお勧めです。
汗を介した体温調節だけに頼るのではなく、“衣服への水分補給”にも配慮することによって、汗を介さずに体温調節する仕組みも追加できれば、体への負担が少なくて済みます。
さらに携帯扇風機の風を衣服に当てて、水分を衣服から積極的に気化させることによって、無風の場所でもより効果的に体を冷却することができます。
まだまだ暑い日が続く日本の夏、水分補給や塩分補給も心がけ、熱中症対策に気を配っていきましょう!
初出:しごとなでしこ