マニアの中で話題沸騰中! スパイス屋が作る本格カレーを食べに甲府へ
インドやスリランカ料理の影響を受けて日本人が自由な発想で作ったカレーは「スパイスカレー」と呼ばれ、大阪で一大ムーブメントとなりました。今や全国に飛び火し、東京のみならず様々なところにスパイスカレーの波が押し寄せているのですが、山梨県にもスパイスカレーがいただけるお店があります。
店名はOsaji。
場所は甲府市里吉。JR身延線の善光寺駅からも中央本線 酒折駅からも歩いて15分程度。タクシーならものの5分で着きます。東京から行く場合は酒折駅の方がアクセスは良いかもしれません。
こちらで食べれるのは、スパイスマーケットというスパイス屋を運営している七沢さんがレシピ開発をしながらほぼ独学で作り上げたというカレー。各地のイベント出店をしていく中で話題になり、ちょうど一年前にお店をオープンしました。
店内は非常におしゃれな雰囲気。白い壁にウッド調のカウンターや柱などがアクセントとなっており、陽光も差し込んで明るく清潔感あるお店は、席についてカレーを待っているだけでもリラックスでき、くつろげるような素敵な空間です。
営業時間は基本的に、火曜、水曜、木曜の昼間だけというハードルの高さがありながら、ほぼ満席の人気。予約してから行くのが良いでしょう。僕が行った日は見渡す限り女性客。店員さんも女性のみでしたが、接客も非常に丁寧で優しく、肩身の狭い思いをすることもありませんでした。
カレーはキーマカリーとバターチキンカリーの2種類がレギュラーメニューで、週替わりのカレーがもう1つ。そして週替わりのスパイスごはんもあります。カレー2種盛りにすると、様々な副菜も一緒に盛り付けられて非常に華やか。
食べてみるとキーマは優しくじんわりと美味しさが染み込んで行くような味。バターチキンもしつこさが無く優しく包まれるような味で、どちらも柔らかい美味しさです。それに酸味のある副菜が加わることによって全体の味が引き締まり、ただ優しいだけではなく、しっかりとインパクトもある美味しさになっていて素晴らしいです。
ある日のスパイスごはんは、豚ひき肉タイ風炒めかけごはん。これに追加料金でカレーも付けられるということで、週替わりのほうれんそうとトウモロコシのカレーをつけてこちらもオーダー。
ひき肉のタイ風炒めかけごはんというとガパオが思い浮かびますが、安易にガパオと呼ばない所にもこだわりと確かな知識がうかがえます。そしてこれが普通のガパオとは違い、別の着地点の美味しさになっていたのがまた素晴らしいです。粗挽きの豚肉の旨味が絶妙な味付けで凝縮されており、ほうれんそうトウモロコシカレーはとにかくまたこれが優しい! トウモロコシの食感が良く、ただ優しいだけではなくちゃんと変化があるんです。そしてこれをスパイスごはんにかけてみると、ビンダルーとダルを合わせたような雰囲気まで出てきて変幻自在の美味しさ。
カレーの楽しさって味の変化にあると思うんです。特に南インドやスリランカのカレー、そしてそれらに影響を受けたスパイスカレーの醍醐味はそこにあるのですが、こちらのカレーも優しく、柔らかく、華やかでありながら、随所に出てくるパンチの強さで変化の楽しさがあります。蝶のように舞い、蜂のように刺すカレーなんです! 全体的に酸味の使い方が見事。現時点でも十分以上に美味しいのですが、さらなるポテンシャルも感じさせるカレーであり、ハマってしまいました。
さらにはカレーだけでなくドリンクやデザートも秀逸。ドリンクはスパイス屋さんだけあって、オリジナルのスパイスを使ったシロップやカレーに合うハーブコーディアルなど、スパイスやハーブにこだわって作っているそうです。
デザートはパティシエにお願いしているとのこと。確かな味覚とセンスを持っている七沢さんがお願いするパティシエだからこそ、確かな美味しさのデザートでもあるわけです。
個人的に甲府は大好きな場所なのですが、その理由は飲食店の接客レベルが他の街と比べて確実に高いから。飲食店のみならず、人が優しく、男女ともに可愛らしい方が多く、とにかく癒される街であり、仕事に疲れた時に行きたくなります。
平日昼のみの営業ですが、有給とってでも行く価値のあるお店ですから、疲れている方は甲府まで行って存分に癒されてください!
▶︎Osaji
山梨県甲府市里吉1-7-15
初出:しごとなでしこ
AKINO LEE カレーおじさん\(^o^)/
ヴォーカリスト、パフォーマーとして自身の活動の他、様々なアイドルの作詞作曲振付プロデュースを担当。ヴォイストレーナーとして後進の育成にも力を注いでいる。音楽ライターとしても各種雑誌、ムック本などで執筆を担当。また、カレーおじさん\(^o^)/としても知られ、年間平均900食以上のカレーを食べてきた経験と知識を活かしてTVや雑誌など各種メディアにおいてカレーについて語っている。
http://www.akinolee.tokyo/