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LIFESTYLE

2018.06.02

カレーと音楽は共通点が多い!? 人気カレー店「エリックサウス」の原点

11年間1日たりとも欠かさずにカレーを食べ続けているカレーおじさん\(^o^)/こと、縫田曉言さんのカレー愛に溢れたコラム。今回は、人気カレー店「エリックサウス」の最重要人物で稲田俊輔さんをゲストをお迎えしたスペシャル対談(前編))をお届けします。

【食オタク×カレーオタク対談】
人気カレー店「エリックサウス」はいかにして生まれたのか

数年前まではコアなインド料理ファンにしか知られていなかった南インド料理の定食「ミールス」や、スパイス炊き込みご飯「ビリヤニ」を一般層に広めるのに一役買った存在といえるのが、八重洲や紀尾井町などに展開している南インド料理店「エリックサウス」だといっても過言ではないでしょう。

駅直結のわかりやすい場所と、おしゃれで開放的で入りやすい空間、そして南インド料理としてはかなり廉価で提供していることなど様々な要素が相まって、マニアではない人達に南インド料理の魅力を伝えたという功績は、日本のカレー界にとっても非常に大きなものでした。

そのエリックサウスの最重要人物ともいえるのが、エリックサウス他、様々な飲食店を手掛ける株式会社円相フードサービスの専務取締役である稲田俊輔さんです。今や日本を代表する人気カレー店となった大久保「魯珈」のオーナーシェフ齋藤絵理さんや、カレー研究家一条もんこさんの師匠にあたる方でもあります。

今回は日本のカレー業界においても重要人物である稲田さんにお話をうかがいに、注目の最新店、渋谷「エリックサウスマサラダイナー」でエリックサウスの誕生秘話についてうかがいました。

稲田俊輔×縫田曉言 対談

稲田さんも元ミュージシャン。カレーと音楽は共通点が多い…!?

カレーおじさん\(^o^)/(以下 カ):稲田さんはカレーのみならず多ジャンルへの食に対する知識と愛に溢れていて、言うなれば「食オタク」だと感じているのですが、そもそも稲田さんが飲食を職業にしようと思ったきっかけはどんなものだったのですか?

稲田俊輔さん(稲):根本的なことから話すと、両親がどちらも食に対する興味が深く、どちらもその食オタクだったんです。ですから僕がそうであるのも当たり前というか、そういう風に育ったので無意識に小さい頃から食に対する見方は深かったのかもしれないですね。

カ:英才教育みたいなものですね。

稲:そうかもしれませんね(笑)。でも最初から飲食を職業にしようと思っていたわけではなかったんです。実はミュージシャンを目指していまして…。

カ:ええっ!? そうだったんですか! 稲田さんも元ミュージシャンとは。カレー業界、本当にミュージシャン多いですね。僕も本業は音楽ですし。

編集部(以下 編):確かにミュージシャンのカレー好きってよく聞きますけど、どうしてそんなに多いんですか?

カ:色々な説がありますが、カレーと音楽に共通点が多いんでしょうね。やっぱりどちらもある程度知識が無いと深く楽しめない部分があったりとか。

稲:そうですね。それから、他人と合わせようとする人よりも、一人でつきつめるタイプの方が向いていたりとか、社会に迎合するものは受けないとか、とにかく色々ありますね(笑)。

カ:これはミュージシャンとしての興味から聞くんですが、稲田さんはどのような音楽をされていたんですか?

稲:いわゆるシューゲイザーと呼ばれるジャンルから音響系、ラウンジポップと流れて、僕は楽器全般、歌、打ち込みと一通りやってました。一応インディーズレーベルからCDリリースしたり、しっかりやってたんですよ。

稲田俊輔

カ:それが飲食の道へ方向転換したのは何かあったんですか?

稲:自分の才能とか世間の流行だったり状況だったり、色々と客観的に考えてみた結果、このまま音楽を頑張ればメジャーデビューするところまではいけるかもしれない。でも、そうなったとして、その後音楽で一生食べていけるかというと、その可能性はほとんど無い。だったらその後どうするか。考えていくと、ミュージシャンが売れなくなってバーをやるってパターンってあるじゃないですか?

カ:はい。よくありますね。

稲:それかなと思ったんですが、バーだけではちょっと暮らしも厳しい。そうなると食事もちゃんと出したい。もちろん自分が好きだっていうのもあるんですけどね。そんなことを考えて、学生時代はずっと飲食のアルバイトをしていたんですよ。

カ:素晴らしい! ものすごく冷静で客観的ですね! ミュージシャンを目指す多くの人が夢だけ見て失敗するというのに(苦笑) アルバイトはどのようなジャンルのお店でしていたんですか?

縫田曉言

稲:もうジャンル問わず、和食、洋食、エスニックと、とにかく自分で食べて美味しいと思ったお店に飛び込みで「バイトさせてください!」っていって働かせてもらいましたね。当時僕が通っていた大学の近くでは、なんだか飲食店が学生に優しくて、頼むとだいたい働かせてくれたんですよ。

カ:稲田さんは京都大学の出身ですよね。僕は京大にカレーを食べに行ったことがあるんですが、確かにあのエリアは学生に優しい雰囲気ありました。

稲:そうなんです。それで色々なお店で働いていくうちにどんどん楽しくなってきて、やっぱりこっちで行くべきだなと思い、大学卒業後レストランのプロデュースがしたくてある会社に就職し、最初は営業に配属されたんですが、次第にこのまま望んでいる部署に配属されたとしても本当に自分がやりたい事はできないんじゃないかと思い始めて結局辞めたんです。

稲田さんのレシピ所持数は…1000以上!?

カ:やりたいことというのはどのようなことだったんですか?

稲:やっぱり単に企画やプロデュース、計数管理といった仕事ではなく、シンプルに自分の手で作ったものを自分で売りたいという事ですね。

カ:なるほど。ではその後どのような経緯で円相に至ったのでしょうか?

稲:実は円相の社長の武藤が、サラリーマン時代からの知り合いでして。会社は違ったんですが同業種だったんですね。それで僕が辞めたというのを聞いたら、やはり同じような気持ちがあったようで、彼も会社辞めちゃったんですよ。それで、一緒に店を立ち上げようという話になり、それが円相のはじまりですね。

対談

カ:最初はどのようなお店からスタートされたんですか?

稲:居酒屋でした。今はもう無いんですが、岐阜で和食中心でありつつも、様々な料理を出すお店でした。そしてここだと自分のやりたいこと、つまり、自分で作ったものを自分で売るということができるなと気づきまして、今に至ります。

カ:だからこそ今でも現場主義というか、自らお店に立っていらっしゃるわけなんですね。

稲:そうですね。最初に社長と武藤と僕と幹部スタッフでコンセプト作成やメニューのだいたいの方向性を決めます。そこからが他の会社と違う部分だと思うんですが、僕がレシピ作成も行い、お店の立ち上げからしばらくは現場に立ちながら、元々あったコンセプトの修正をしていくんです。

やはり実際に働いてみないと見えてこない部分って本当に多いですから、働きながら気づいたことを修正していき、時にはメニューを大幅に変えたりもして、お店が安定するまで見ていくという部分が自分のこだわりでもありますね。

カ:そうなってくると、円相は様々なジャンルのお店を手掛けていますから、稲田さんが持っているレシピの数も凄まじい量なのではないですか?

稲:そうですね。お店で出しているメニューだけを合わせても500以上はあると思います。

カ:500ですか!?

稲:でも実はお店に出してないメニューのレシピの方が多いくらいなんです。

カ:ってことは単純に計算して1000以上のレシピを持っているということですか!? 凄すぎる!

稲:やっぱり食オタクなんでしょうね。どんどん増えていってしまう(笑)。

カ:いやはや恐れ入ります。

「本当に素晴らしい」食のオタクが“サイゼリヤ”と“松屋”を絶賛する理由

カ:僕が稲田さんが凄いと感じていることのひとつに、大衆食への愛とか知識とは見識の深さみたいなものがあるんですが、それについても教えていただけますか?

稲:そうですね。食オタク、グルメと呼ばれるものではありながらも、毎日お金をかけて料理を食べ続けるわけにはいかないじゃないですか。時には大衆的なチェーン店にも行くわけですが、まず、それも楽しみたいというのがあります。あえてチェーン店にも行って、その中の色々を探って楽しみたいという。

カ:わかります。僕はカレーに対してのみですが、まさにそう思ってて、人気店や話題のお店だけでなく、あえてチェーン店だったりハズレなんだろうなと思うような店にも行くようにしていますもの。

稲:その中での発見も含めて楽しいですよね。そしてやはり多くのチェーン店では予想通りの結果に終わるんですが、それはそれで納得といいますか。そして時折ある予想外の美味しいものに出会った面白さ、あるいは、ちょっと工夫したら物凄く美味しく変わるんじゃないかということに気づいたりとか、そういう楽しみ方ってありますよね。チェーン店でも面白さを拾いたいんです。

カ:ですね。それがサイゼリヤだったり、松屋だったりするわけですね。

稲:まさしくそうです。サイゼリヤと松屋は本当に素晴らしいです。普通大手企業だと一般受けを大事にするので、尖ったメニューは出さないものなんですが、その二つは一般受けを全く無視したメニューを出してきますからね。カッコイイです。

カ:僕も昔からずっと「松屋はカレー屋」と言い続けているんですが、松屋のカレーの尖り方って凄いですよね。

稲:そうですね。他の牛丼屋と比べるとわかりますが、普通はあの辛さで出したりしないじゃないですか。でもあれで出しちゃう。そしてそれが美味しいし面白い。

カ:その通りですね。稲田さんが今注目する、大衆食チェーンって他にありますか?

稲:チェーン店という意味ではTGIフライデーズが面白いと思っているんですが、値段的に大衆的とはいえないので、廉価な大衆食となるとサイゼリヤと松屋の他には現状ありません。飲食業界は時代的にもどんどん保守的になっていっているので、大企業ではできない面白い攻め方を、自分のところではやっていきたいと思っています。

カ:円相の面白いお店という意味では、個人的にマカロニ軒が非常に気になってるんです。古き良き洋食文化を消さずに残していこうという姿勢が、稲田さんらしくてカッコいいなぁと。場所が岐阜なんでまだ食べに行けていないんですが、関東で出店したりする予定は無いんですか?

稲:ありませんね(笑)。

カ:うわー! きっぱりと(笑)! マカロニ軒はどのような経緯でできたのでしょうか?

稲:元々他のお店を同じ場所で展開していたんですが、それが他に移転ということになりまして、その場所が空いたんです。それで何かやろうという話になり、その場所で営業している他の飲食店と比べて、他がやっていないことをやろうということで、消去法で洋食になったんですよ。でもせっかくやるなら普通の洋食ではなく、昭和の時代のご馳走だった洋食で、昔は時折見かけるメニューだったのに今は見かけなくなってしまったメニューを復活させようということであのような形になりました。

カ:まさか消去法だったとは! それにしてもチキンミヤビヤとかエスカロップとか気になりまくりです。いずれ岐阜まで食べに行きますね。

稲:駅直結で行きやすい場所なので、是非よろしくお願いします。


食オタクとカレーオタクのトークはまだまだとどまるところを知りません。長くなってきたので今回はこの辺までとし、次回後編はカレーについてじっくりと語り合った部分をまとめていきたいと思います。後編もお楽しみに!

株式会社円相フードサービス

【BISTRO マカロニ軒】
住所:岐阜県岐阜市橋本町1-10-1 ACTIVE-G 2F
営業時間:(昼)11:00〜15:30、(夜)17:00〜22:30(L.O.22:00)
定休日:奇数月の第三火曜日

初出:しごとなでしこ

AKINO LEE カレーおじさん\(^o^)/

ヴォーカリスト、パフォーマーとして自身の活動の他、様々なアイドルの作詞作曲振付プロデュースを担当。ヴォイストレーナーとして後進の育成にも力を注いでいる。音楽ライターとしても各種雑誌、ムック本などで執筆を担当。また、カレーおじさん\(^o^)/としても知られ、年間平均900食以上のカレーを食べてきた経験と知識を活かしてTVや雑誌など各種メディアにおいてカレーについて語っている。
http://www.akinolee.tokyo/


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