汗をかいたら、肌を湿らせてクールダウンを!
気温が上がる日が増え、もう夏がすぐそこまできています。夏は、熱中症の心配がありますよね。仕事で外回りが多いと、なおさら…そんな夏でも元気に過ごすことができるよう、暑さ対策をしっかり行いましょう。
今回、株式会社エフティ資生堂が「発汗」の実験を、谷口英喜医師のもと男性6人、女性3人に実施。
実験方法は、サウナに5分間入室し、発汗したら「1.乾いたタオルで汗を拭く」「2.濡れたタオルで汗を拭く」「3.ボディシートで汗を拭く」を実施し、「直後」と「5分後」の肌表面の温度変化をそれぞれ計測しました。
その結果、汗をかいたら肌を湿らすことが有効的であることが判明!
■「濡れたタオル」「ボディシート」が、肌表面温度を下げる
発汗時に「1.乾いたタオルで汗を拭く」と、直後でも5分後でもあまり肌表面温度は下がりませんでした。
一方、「2.濡れたタオルで拭く」「3.ボディシートで拭く」場合は、肌表面温度が下がる結果に。
特に「3.ボディシートで拭く」は、ボディシートに含まれるアルコールによる気化熱によって、直後でも肌表面温度が低くなることがわかりました。
■「濡れたタオル」や「ボディシート」で汗を拭いた方がクールダウンを実感
被験者に実験後の体感温度実感値を10段階(1:涼しく感じる10:暑く感じる)で聞き取り調査を行ったところ、「1.乾いたタオルで汗を拭く」が平均4.8ポイントに対し、「2.濡れたタオルで拭く」は3.8ポイント、「3.ボディシートで拭く」は2.2ポイントに。
一般的な汗ケア方法として実施されている乾いたタオルで拭くよりも、濡れたタオルやボディシートを活用した方が、感覚としてもクールダウン効果を実感できることが明らかになりました。
■体内から熱を逃すことが暑さ対策のファーストステップ
夏は暑さ対策が欠かせない季節…。済生会横浜市東部病院 周術期支援センター長 兼 栄養部部長 谷口英喜医師によると、まずは熱を逃がすことが暑さ対策の第一歩だそう。
「夏の暑さ対策において一番重要なのは、体の熱を放出し、体内にこもらせないことです。特に体内の熱を上手く逃さないと、夏時期に起こりやすい熱中症や、重症化しなくとも疲労が蓄積し、夏バテに繋がりやすくなるため、『熱を逃がす』ことが暑さ対策のファーストステップとも言えます。そして、可能な限り早く熱を逃がすことが体へのダメージを和らげてくれます。
そこで注目したいのが『肌表面の温度をすぐに下げる』という方法です。
特に気温が高い真夏は、クールダウンにかかる時間が重要となり、なるべく短時間でクールダウンするためには、汗を乾いたタオルで拭かずに、肌を湿らして汗を拭くことを意識するとよいでしょう。また、アルコールが含まれているシートで汗を拭くと、気化熱によってさらに肌表面の温度が低くなるため、より即効性が期待できます。」
■谷口英喜医師が掲げる「夏の暑さ対策 新5箇条」
1.暑さ、蒸し暑さから可能な限り距離をおこう
2.こまめな水分補給でどんどん汗をかこう
3.塩分・カリウムを含む飲み物をこまめに飲もう
4.服装は通気性を意識! 肌に密着する服は避ける
5.汗は乾いたタオルよりも、濡れたタオルやボディシートで拭くと、肌表面の熱を奪い、即クールダウン
汗をかいたら、乾いたタオルで拭くことが習慣だった人も多いと思います。
しかし、実験の結果では、「濡れたタオル」や「ボディシート」が効果的と! 夏のお守りとして、常にバッグに「ボディシート」を入れておくと良いかも♡
実験/株式会社エフティ資生堂 監修/谷口英喜医師
初出:しごとなでしこ
教えてくれたのは…済生会横浜市東部病院 周術期支援センター長 兼 栄養部部長 谷口英喜医師
済生会横浜市東部病院 周術期支援センター長 兼 栄養部部長。
専門は麻酔・集中治療、経口補水療法、体液管理、臨床栄養、周術期体液・栄養管理など。
日本麻酔学会指導医、日本集中治療医学会専門医、日本救急医学会専門医、TNT-D メディカルアドバイザー。
1991 年、福島県立医科大学医学部卒業、学位論文は「経口補水療法を応用した術前体液管理に関する研究」著書に「熱中症・脱水症に役立つ 経口補水療法ハンドブック 改訂版」など、他多。