米料亭料理長が教える「おいしいお米の炊き方」
主食の代表格と言える、ごはん。毎日のように食べるものだからこそ、できるだけおいしく食べたいですよね♪
そこで、京都祇園、東京銀座にあるテレビ・メディアで話題沸騰の米料亭「八代目儀兵衛」の総料理長であり、五ツ星お米マイスターの橋本晃治さんに「おいしいお米の炊き方」について教えてもらいました!
3回にわたって、お米をおいしく炊くコツについてご紹介♡ 第3回目の今回は、おいしいお米の炊き方について、10のステップに分けて解説します!
■STEP1:米の保存
お米の保存は、高温多湿を避けます。直射日光があたらず湿気の少ない冷蔵庫の野菜室がベスト。また、空気に触れないように容器は密閉することが大切!
■STEP2:米の計量
お米の計量は、人差指ですりきりにして計量するのが一般的。ですが、この方法だと、お米の形状や測定する場所によって誤差がでてきてしまうことも。そこで、重量による測定がおすすめ。「お米1合=150g」ということさえ覚えておけば、あとは炊きたい量に応じてキッチンスケールを使って計量するだけ。たとえば、お米2合を炊く場合、300gになります。
■STEP3:洗米
お米は最初の水を一番吸収します。そのため、できれば炊飯で使用する水と1回目の洗米で使用する水は、軟水のミネラルウォーターなどにするのがベスト。
まずは、お米を釜に入れ、水を注ぎさっとかき混ぜすぐに水を捨てます。そして、お米を“握っては離す”をまんべんなく(約40秒)繰り返し。そのあとは、研がずに水を入れて、軽くかき混ぜて捨てます。これを3〜4回繰り返し水でぬかを洗い流します。
終わったら、ざるに上げ水を切り、ラップをかけ10分ほど寝かせます。(20分以上ざるに上げておくとお米の割れる原因になるので要注意!)
■STEP4:水の計量
水は、「米×1.2倍」の量の水を入れます。つまり、お米1合であれば、150g×1.2=180g(180cc)の水を入れます。
※水分量はあくまで目安です。炊き上がりの状態を見て、2回目以降は±5g単位で自分好みに調整ください。
■STEP5:浸水
早炊きや土鍋を使って炊く場合、浸水をしますが、浸水時間は夏場で30分、冬場で1時間ほどがおすすめ。また、特に夏場は雑菌の増殖を防ぐためにも、冷蔵庫の中で浸水するのがベスト。
このとき、ラップをかけておくと、冷蔵庫の中の食べ物のにおいが移りにくいです。お米に水分を十分に含ませることで、ふっくらツヤのあるごはんに仕上がります!
■STEP6:炊飯
いよいよ炊飯です。使う炊飯器に応じて、いつも通り炊飯の設定をします。
※「STEP5:浸水」で記載の通り、基本的に、浸水をした場合は、早炊きで、浸水をしなかった場合は普通炊きで炊きます。
■STEP7:蒸らし
炊飯器で炊く場合は、「蒸らし」は不要。土鍋を使って炊く場合、5分〜10分ほど蒸らすのがおすすめ。
■STEP8:ほぐし
ごはんが炊きあがったら、すぐにふたを開け、お米の粒を潰さないようにしゃもじでご飯を十字に切ります。このとき、釜の周囲を一周軽くかき混ぜ、一区分ずつ底から上へふちから中へと混ぜることで、ごはんにある余分な水分を飛ばすことができます。「ほぐし」はとても重要なので、炊きあがったらすぐに行いましょう!
■STEP9:盛り付け
おいしそうに見せるために、ごはんはお茶碗に3回に分けて盛るのがおすすめ。このとき、しゃもじでごはんを押し付けないように。
■STEP10:ごはんの保存
ごはんが余った場合、熱いうちに適度な量に小分けして、「広く、薄く」ラップに包んで冷凍しましょう! 翌日食べる場合でも、冷蔵保存ではなく冷凍保存がおすすめ。保温は2時間を超えると雑菌が増殖してしまうので、要注意。
取材・文/かわはらりな
初出:しごとなでしこ
教えてくださったのは…米料亭「八代目儀兵衛」総料理長・橋本晃治さん
京都祇園、東京銀座にあるテレビ・メディアで話題沸騰の米料亭「八代目儀兵衛」の総料理長・五ツ星お米マイスター。京都の老舗米屋が提供するオリジナル土鍋釜で炊き上げた銀シャリご飯は、ランチは御膳スタイルで提供し、ディナーは日本で唯一のお米のフルコースとして大人気。
米屋として生まれ、料理人として食を通し、日本食文化の素晴らしさと、味覚の根幹を学びました。今、日本の子供たちがほとんど体験したことのないお米本来のうまさを今一度届けるために米を炊きます。