美しく健やかな膣を保つための「ちつケア」、できてる?
女性にとって、月経や妊娠・出産に関わる非常に大切な器官である「膣」。顔や体の他の部分と違い、普段ほとんど人に見せることのない場所ですが、あなたの膣はきちんとケアができていますか?
膣はとってもデリケートな部分。トラブルが起こると、においやかゆみといった不快な症状を伴うものが多く、毎日を快適に過ごすことが難しくなったり、パートナーとの関係に悪い影響を与えたりすることもあるかもしれません。
膣の健康が損なわれる原因には、不規則な生活、ストレス、加齢に伴う女性ホルモンの減少など、さまざまなことが挙げられます。
■膣の健康チェックリスト
✔️ 外陰部にかゆみがある
✔️ 外陰部が赤くなったりただれたりしている
✔️ 外陰部に水ぶくれやブツブツができている
✔️ おりもののにおいが普段よりきつい
✔️ おりものの色がいつもと違う(黄色・茶色・緑色・灰色など)
✔️ おりものが泡だったようになっている
✔️ おりものが白くてカッテージチーズやヨーグルト状になっている
✔️ 一日に何度もショーツを替えるほどおりものの量が多い
膣が病気に感染したときに現れやすい症状のチェックリストで、思い当たる症状が見つかった方は早めに婦人科を受診して。
■快眠と快食こそ究極のちつケア!?
膣の状態は、女性ホルモンによってコントロールされています。
そして、女性ホルモンのバランスは、自律神経のバランスや体全体の健康状態とも密接に関係しているのです。
全身にはりめぐらされ、体内のさまざまな器官をコントロールしている神経系・自律神経。体を活動的にする「交感神経」と、鎮静させる「副交感神経」があり、その相反する作用がバランスをとることで、全身の均衝が保たれています。
すなわち、自律神経のバランスがとれていることで、全身が健康な状態に保たれるのです。
女性ホルモンは、脳にある「脳下垂体」から放出されるホルモンで支配されています。
一方、自律神経は、脳下垂体に隣接する「視床下部」という場所でコントロールされているため、互いに密接に関係し合っていると考えられます。
自律神経のバランスは、規則正しい食生活と、快眠、適度な運動によって、よい状態に保たれます。これは、女性ホルモンの働きとも連動します。
美しく健やかな膣を保つ「ちつケア」の基本は、まずよい食事・よい睡眠を心がけ、全身の健康を守ることにあります。
自分の体に目を向けて、知ること・ケアすることは、大人の女性のたしなみ。自分を慈しみ、イキイキと毎日を過ごしていくためにも、「ちつケア」をはじめてみてはいかがでしょうか。
初出:しごとなでしこ
教えて下さったのは…産婦人科医 八田真理子さん
聖順会ジュノ・ヴェスタクリニック八田 院長。日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医。日本マタニティフィットネス協会認定インストラクター。1990年、聖マリアンナ医科大学卒業。順天堂大学、千葉大学、松戸市立病院産婦人科勤務を経て、1998年、千葉県松戸市で女性のためのクリニック「ジュノ・ヴェスタクリニック八田」を開業。女性の幸せを願い、サポートするクリニックとして、思春期から更年期までの幅広い女性の診療を行っている。 最新著書「産婦人科医が教えるオトナ女子に知っておいてほしい大切なからだの話」(税別1100円/アスコム)好評発売中