一度は行くべき! but 自由旅行はハードル高いチベット
今までの著作から、どうもビーチのイメージが強い自分ですが、実はそれなりの場所の山や町へも出かけていて、「今回のBucket List」として取り上げたのは、そんな山の中からチベット自治区です。
かつてダライ・ラマがいたところですね。
旅行するのにかなり制限がされていて、個人旅行で行くのはハードルが高く、ツアーで行くことになります。
チベットに行くなら飛行機より青蔵鉄道
標高5,000メートル越え、世界最標高を走る列車からの車窓は貴重。よくまぁこんなところに線路を敷いたものだと、感心。
こんなクソがつくほど寒くて、周りにはなんにもなくて、しかも空気が薄い場所で作業した人々とは、いったいどんな人たちなのでしょうね?
永久凍土の大地が果てしなく広がる光景。動くものはなにも見えず。
このあたりが最標高地点の5047メートル。下の写真のように車内の案内板にこんなふうに表示されます。
期間中ほとんど標高の高いところを走るので車内には酸素吸引の管が用意されています。因みにこの時同行していたカメラマンは、ほぼ全区間で鼻から管を突っ込み酸素を吸引してました。
チケットの種類は軟臥(約15,000円)、硬臥(約10,000円)、硬座(約4,000円)の3種類。
軟臥は二段ベッドが2台入った4人寝台で、硬臥は3段ベッドの6人部屋、硬座席はシート席でポタラ宮に行く人々のピーク時とかさなると相当に窮屈で賑やか。
約22時間相当にストレス感じるかも。
ギュウギュウ詰めの硬座クラスであります。
硬座クラスから暇を持て余した、ピンクのセーターの少年がやってきたりも。
日本ではもう高級列車でないと経験できない、食堂車での食事。料理は当然中華料理。
味は? まぁ普通。全て列車内で料理していたのは立派です。
終点のラサが近づいてくると、景色の中にようやく動くものが見えてきます。
ついに! 中華人民共和国チベット自治区の中央部に位置するラサ(拉薩)到着! 標高3,358mにあります。
世界遺産のポタラ宮へ行ってみよう
ラサ到着後、直行したのは世界遺産。こ、これがあのポタラ宮! かつては歴代のダライ・ラマが暮らした政治、医学、学問、教育、宗教、文化、芸術…チベットの全ての源がここから発信されたとされる場所ですね。
今は博物館として開放されています。
太陽が登り、真っ青な空に映える白いポタラ宮は高さ117メートル✕長さ400メートルの世界最大の建築物。
全部の部屋を見ることはできませんが、かなり上の階まで登ることが可能。
ちゃんとトイレもあります。こちらが男女別の案内板。色彩豊かな案内板ですね。
標高約3700メートル、茶色い大地と山だけです。
町のいたるところで目にするのがチベット仏教には欠かせないマニ車。
「回した回数だけご利益がある」ということで、皆さんMyマニ車を持参し歩くときにもクルクル回しています。
だけど、こんな場所で一気に回してご利益を稼ぐという方法もあります。
マニ車はお土産としても売ってます。おみやげといえば、手作りのアクセ類が豊富。
大昭寺正門前では五体投地で拝む熱心な信者が多いのですが、2018年2月に火事になったと聞き、ちょっと心配です。
シンプルで素朴で信心深い人々が暮らすラサへの旅は、きっと何かが変わる旅になると思います。
気軽に行ける場所ではありませんが、いつか必ず行ってほしい場所のひとつです。
トップ画像/(c)Shutterstock.com
初出:しごとなでしこ
山下マヌー Manoue Yamashita
雑誌編集者を経て旅行コラムニスト/作家に。渡航回数300回超、最新刊『ハワイのホテルの使い方、遊び方』で著作は60冊に。
Travel columnist&writer after a magazine editor.
Over 300 times to foreign travel, and over 50 books of the copyright so that work.