心のよじれを取り、ポジティブかつシンプルな心を目指すには?
みなさんは、自分のことを「ややこしい」とか「面倒な性格」とか「こじれている」と感じたことはありませんか?
はい、私はしょっちゅうです(笑)。
だけど「そんな面倒くささあっての私!」なんて、ある種開き直っていたんですよね。しかしながらいかんせん、生きづらいったらありません。
できれば心のよじれを取り、ポジティブかつシンプルな心を目指したいところ。
そこで今回、神楽坂ストレスクリニック院長で精神科医・上田容子先生に“ややこしい心”とはどういった心理・思考回路なのかをお聞きしてきました。
なぜややこしい人になってしまうのか?
そもそも人はなぜ、ややこしい人になってしまうのでしょうか。
多くのややこしい人と対峙し、またご本人もややこしい自分に振り回されてきたという上田先生いわく、ややこしい人は9つの思考パターンのうち、そのどれか、もしくはその複数の思考のクセを持っているのだとか。
ややこしい人の9つの思考パターン
1.白か黒か思考
“ひとつでもミスをするくらいなら、やらないほうがマシだ”などと、物事をすべて白か黒、100か0という極端な割り切りでとらえようとする。
2.べき思考
“主婦だから、家事を完璧にすべき”などと、特定の考え方を絶対的に正しいと信じ込み、自分を追い込んでいく。
3.極端な一般化
“こういうときに私は必ず失敗する”などと、ほんのわずかな事実を根拠に、すべての結果を同一化し結論付けてしまう。
4.根拠のない決めつけ
“(挨拶を無視されたら)私のことが嫌いだからに決まっている”などと、明確な根拠なしで結論を急ぎ、勝手に導き出したネガティブな結果を信じ込んでしまう。
5.現実化する予言
“どうせダメだと思っていた”と、自らが立てた否定的な予測にとらわれ、意識過剰になり、その結果予想通りの結末を自ら導いてしまう。
6.感情に基づく理由付け
“こんなに不安なんだから自分には無理だ”などと、事実で判断するのではなく、そのときの感情に振り回され結論を導くクセ。
7.自分への関連付け
“(一緒にいる人が不機嫌そうだと)私のことが気に入らないんだ”などと、よくないことが起こった時、自分に関係ないことでも勝手に責任を感じてしまう。
8.褒められたがり
“こんなに頑張っているのに評価されずつらい”と、“もっと自分を見てほしい”という願望があるタイプ。第一子に見られがちな特徴。
9.褒められるのが苦手
褒められても“何か裏があるに違いない”と自分に自信がないがあまり、人からの称賛を素直に受け入れることができない。
これらの思考パターン、“私もそうそう!”と感じた人も多いのではないでしょうか。私はひとつやふたつではなく、4つも当てはまってしまいましたよ!
ややこしい思考パターンから脱却する方法
ではこのようなややこしい思考パターンから脱却するためにはいったいどうしたらよいのでしょうか。
上田先生いわく、紹介した思考パターン分けを見て、“自分はこの思考パターンをしてしまいがちだ”と「自覚」することが大きな一歩なのだとか。
そして何か起こるたびに、「あ、今は1.の白か黒か思考に陥っているな」と気づくことができれば、しだいにこのややこしくネガティブな思考のループを断ち切ることができるとのこと。
体の病気と同じように、「自覚」することが大事なのですね。自覚なくして解決はなし!の法則は、心の問題にも当てはまるようです。
さらに詳しい解決方法やカウンセリング例、自己メンテナンス方法は上田容子先生の著作『「ややこしい自分」とうまく付き合う方法』をチェックしてみてください。
初出:しごとなでしこ
『「ややこしい自分」とうまく付き合う方法』
上田容子・著(幻冬舎メディアコンサルティング・1,300円+税)
【過敏、極端、褒められたがり…… 自分の性格を「ややこしい」と感じているあなたへ 生きづらさがスーッと消える「ココロとカラダの整え方」を精神科医がやさしく指南 】
風情のある街・東京都新宿区神楽坂で心療内科・精神科を営んでいる著者は、大学生から社会人まで幅広い層の患者を、西洋医学のみならず東洋医学の観点から治療してきた実績を持ちます。
そのキャリアの中で得た知識を、自分のややこしさに悩む多くの人々へ伝えたいという思いから本書は制作されました。
吉田奈美 writer
女性誌を中心に、タレントインタビュー、恋愛企画、読み物企画、旅企画、料理企画などを担当。著書に『恋愛saiban傍聴記』(主婦の友社)も話題に。