吉田愛さんってどんな人?
今回ご紹介するのは、建築家・吉田愛さん。
いま、最も勢いのある設計事務所のひとつとして様々な業界から注目を集める建築設計事務所「サポーズデザインオフィス」の共同代表です。
吉田さんが設計・デザインを手がけたのは、「LINE Office」など誰もが知る有名企業をはじめ、今年2月に 渋谷・公園通り、スクランブル交差点のパルコpart2跡地にオープンし話題を呼んでいる「ホテル コエ トーキョー」や、本を読みながら寝落ちができる「BOOK AND BED TOKYO」など。
さらに、国内にとどまらず、オーストラリアの首都・キャンベラにある複合施設「New Acton Nishi」など、各地で斬新な建築物を次々に生み出し、名だたる建築賞を総なめにしてきました。
そんな吉田さんと共に代表を務めるのは、元夫でもある建築家の谷尻誠さん。この2人、実は、専門学校卒のいわば“たたき上げ”なのだそう。
学歴重視の建築業界の中で、異端とも言われる2人。どのようにして日本を代表する建築家になったのでしょうか…?
吉田愛さんの「7つのルール」
さて、そんな吉田さんが「いつもしている7つのこと」=「セブンルール」とは…
1.余計なデザインはしない
吉田さんが設計した、広島県尾道市の国内初サイクリスト向け複合施設「ONOMICHI U2」。サイクリストはもちろん、ドラマのロケ地として使われたことから知っている方も多いと思いますが、実はこの施設、築70年以上の海軍倉庫をリノベーションして作られたんです! 天井や柱などをそのまま活かすことで、味のある雰囲気を感じてもらいたいのだそう。
2.社員と一緒に食事をとる
忙しい社員の健康を気遣い、吉田さんの発案でオフィススペースの隣には社食堂が。事務所の規模が大きくなっても、社員と一緒に食事をとることを心がけているのだそう。メニューもヘルシーで美味しそうなので羨ましい…! 一般の方もこの「社食堂」を利用できるようなので、気になった方はぜひチェックしてみてくださいね!
3.悪条件をチャンスに変える
学歴重視な建築業界。事務所設立当初は、大卒ではない2人にはなかなか仕事のオファーがなく、たまに来るのは大手が手放した条件の厳しい仕事ばかり。そんななか、その厳しい条件を発想の転換で付加価値に変えることを決意。そして結果を出し続け、いまでは日本を代表する建築家へ。高台の傾斜地に建てられた開放的な建築物など、あえてその場所に建てたと思えるほど素敵です!
4.カーテンのいらない部屋に住む
建築家の吉田さんは、自宅にもこだわりが。人に見られる心配がなく、開放的な部屋を選んだのだそう。また、ベランダのカウンターでお酒を飲みながら食事をするのが楽しみなのだとか。
5.月曜日は必ず広島で
毎週月曜日は、地元の広島にある事務所に。東京の事務所は支社で、ヘッドオフィスはあくまで広島の事務所なのだそう。「面白いのは東京だけではない」といういわば“田舎者の反骨心”で、広島から斬新な建物を作っていきたいという。
6.無意味に笑顔でいる
いつも笑顔な吉田さん。昔読んだ本がきっかけで、口を笑っている状態にすることで脳が楽しい気持ちになるということを信じているのだとか。そのため、「無意味に笑顔でいること」をルールにしているのだそう。
7.仲間を大事にする
事務所設立当初は、吉田さん夫婦以外にもう一人のメンバーが。谷尻さんの後輩でとても仲が良く、プライベートでも付き合いがあったという。しかし、吉田さんの誕生日の日に、サプライズパーティーをしに吉田さんの家に向かっている途中で交通事故で亡くなったのだそう。彼に「こんな仕事ができたよ」と報告ができるように頑張り続けたいのだそう。
たたき上げで日本有数の建築家になるまでの過程には、並々ならぬ努力があったと思いますが、その根源にはこんな想いがあったんですね。これからも、人の心の琴線に触れるような素敵な作品を生み出していってほしいです!
文/かわはらりな
次回の「7ルール」の放送は、3月13日(火)よる11時~11時30分です。主人公は、瀬戸内寂聴さんの秘書の瀬戸まなほさん。瀬戸内寂聴さんもその文才を絶賛する方です。
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初出:しごとなでしこ
建築家 吉田愛
1974年生まれ 広島県出身 44歳。今、最も勢いのある設計事務所のひとつとして建築業界の枠を飛び越え、様々な業界から注目を集めるSUPPOSE DESIGN OFFICEの共同代表。地元・広島の穴吹デザイン専門学校を卒業後、建築やデザイン事務所での経験を積み、専門学校の同級生だった谷尻誠が2000年に設立した同社に1年遅れて参加。以来、共同代表として、独自の視点と自由な発想で100棟以上の住宅設計に携わる。現在は広島と東京の2ヵ所に拠点を構え、住宅以外にも国内外合わせ多数のプロジェクトが進行中。近作に「関東マツダ目黒碑文谷店」「BOOK AND BED TOKYO」「NEW ACTON NISHI(オーストラリア)」「ONOMICHI U2(広島)」等。