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LIFESTYLE

2018.02.27

移住したくなる! 新時代のローカルライフ【岡山県西粟倉村】が注目される理由

過疎化が進む地方都市。しかし、一方で移住者が増えている地域もある。消費家・商業マーケティングコンサルタント 黒島美紀子さんが見た新しいローカルライフ、移住の「今」とは。

自分たちの手で、村をもう一度魅力的に!
過疎寸前「だった」村が、再起したその理由とは

二月のとある週末。

私は友達のマルちゃんとの待ち合わせ場所へと急いでいた。

その待ち合わせ場所が、いやいや、ちょっと遠くて…。

鳥取駅

鳥取駅

そう、かの有名なスナバコーヒーのある鳥取。

羽田から飛行機で1時間半。そこからバスで駅まで約30分。はるばるここまでやってきました。

そこで、待ってたマルちゃんと合流し、我々はさらにその先へと電車を乗り継いで山深くへ。

電車

鳥取駅から1両しかない電車に揺られながら美しい山あいの風景に見惚れて、更に1時間ちょっと。やっと目的地に。

山あいの風景

そう、我々の目指していたところ、それは西粟倉という村。鳥取サイドから山つたいに来たその村は、岡山県と鳥取県の県境にある。

あわくら温泉

さっそく、温泉付きのオシャレなホステル『元湯』に早速チェックイン。

どこから集まってきてるのー? と思わず思ってしまうくらい、ステキな宿泊者が思い思いに集まるラウンジ。ちょっとしたバースペースまで!

ホステル『元湯』

ハヤトさんが早速大きな薪ストーブに火を入れてくれる。

薪ストーブ

世界のビールも揃い(いやー、今の時代、アマゾンがどこまででも届けてくれますよ!)、手作りのマフィンや、カボチャのタルト、何よりここ、元湯はご飯が本当に美味しい!

雪景色


次の朝起きてみたら、外は一面の雪景色だった。

今日は雪まつり、さすがお天道様わかってらっしゃる! ベストなシチュエーションを作ってくださっている。

ランチに向けて、村の影石小学校跡へ

ここは廃校になった小学校をそのまま(リノベもせずに)オフィスや、カフェや、お店にしているオシャレスポットに生まれ変わっている。

ところどころ剥げ落ちたピンクのペンキがノスタルジックで、可愛らしい。

ちゃんと玄関を開けてスリッパに履き替えるところも昔っぽい。

影石小学校跡

ここには村1番のオシャレカフェ『フレル食堂』があります。

フレル食堂

店内には近隣の窯や木工クリエイターから集めてきたこだわりの美しい食器や村の瓶詰めなどの食材もいっぱい。

ここに来ると何か、買いたくなるのが乙女ゴコロってもの。

sho10

こんな目にも美しい、色とりどりのお野菜が今日の日替わり。

本当はジビエも得意でジビエカレーとかも人気。

日替わり

ほら、店の裏側にはこんなものまで干してあった!笑笑

干し肉

フレル食堂の横にはこんな可愛い帽子やさんまである。

帽子

目のついたタンコブみたいな帽子は中にワタも入っててふわふわ弾力、子供が嬉しがる姿が目に浮かぶ。

帽子


夕方、村一番のお祭り『雪まつり』の開催! ランタンを皆で雪山に向かって上げるのです。

雪まつり

真っ白になった神社と周りの畑にどんどん村人が集まる。

私も早速ランタン購入、が、これが結構難しい。皆でランタンの端を広げてもち、中にあるキャンドルにバーナーで火をつける。膨らんだら空に放つ、共同作業。

雪まつり ランタン

膨らみが足りないとすぐに雪に追突する。強風でランタンを追突させると、『申し訳ない、、』と子供に謝る大人たち。ほのぼのと皆で1つひとつあげて行く。

雪まつり ランタン

雪で一面無彩色になった原野に、上がる色とりどりのランタンが幻想的…

雪まつり ランタン

わぁ、私のも無事に上がったー!

雪まつり ランタン


翌朝、元湯でヨガがあると言う。早速参加させてもらう。

ヨガ

アキコ先生は横浜育ち。旦那さんとイスラエルに暮らしていたけど、子供も生まれて日本に戻ってきた。車で旅をしながらこの西粟倉村に立ち寄り、気に入って住み着いたらしい。

つい最近やっと念願の大きな古民家が手に入ったと言われたら、見に行かないわけにいかない。早速お邪魔しますー!

蔵が付いている大きなおうち

なるほど蔵まで付いてる大きなおうち。

なんでもリノベできちゃう旦那さんのリファさん。彼は鉄と木の家具や雑貨などを作っている。そりゃ腕の発揮どころだね。

彼は日本人以上に日本の昔の暮らしに造詣が深い。村のお父さんが彼に教えてくれるのだとか。

何年もかけて増築されたこの家をリファさんは丹念に全て修復している。『ほら天井の梁を見て、昔の人が手で削って掘り出したスジが、わかるでしょう? 屋根はバンブーを綺麗に編んでいる。少しずつ直して昔通りのステキな家にするんだ!』

工場

ここはかれの念願の工場。

『やっと家族の近くで自分の仕事ができるのさ』

古民具の数々

屋根裏で発見? された古民具の数々。歴史的にも大事な資料。『昔の日本の暮らしがわかる。大事に保管するのさ』

リファさん

日本人以上に日本の文化を愛してくれているリファさん、そして、全て自分の周りのは自分で作りたいんだ、と話すそのキラキラした瞳。本当に頭が下がる。(しかし、寒いよー工場は芯から底冷え…笑笑)

息子のオズくんとアキコ先生がイスラエルの香りのする野菜のスープチーズ入りのパンケーキを焼いてくれた。

sho25

こんな色々な個性派の若者が集まるこの村、実は人口1500人という、超がつくほどの高齢化の過疎村だった。そう「だった」、のだ。

日本が市町村合併に揺れた平成のはじめ、西粟倉村は周囲の村との合併を拒否し、自ら村を守る決断をした

村の95%を占める森林をまず、活かそう! 2008年には『百年の森林構想』を打ち立てた。

荒れて放置されていた森林を村全体で管理し、綺麗に間伐し(あ、森は綺麗に要らない木とか伐採してお手入れしないと育たないんです、髪の毛やお肌と一緒ね)、間伐した木材を活かして財源にし、林業の再興を図る…という計画だ。

つーまーりー、『自分たちの手で、村をもう一度魅力化して、日本の抱える地域の過疎化という問題を少しずつ改革していこう』と決めた、とても骨太な街なのだ!

森の成長は人間サマたちのライブスピードからすると、全然ゆっくりだ。

でも全てを人間のスピードに合わせるんじゃない、自然の摂理を活かした改革をしなきゃいけないんだよ。そんなメッセージを込めてこれからの100年でどう、村が変わっていけるかを真剣に考えていて、今や世界からも注目されているのです。

そんな村の熱い気持ちは森林だけじゃなく、村の暮らしにも少しずつ現れている。

過疎化の進む今、いろんな地域で移住者を求めている。

都会の地下鉄の車内吊りなどでもこの頃よく見かけます。『移住フェア』とか『Iターンのススメセミナー』とか。

西粟倉村のユニークで大らかな取り組みは若者たちの心を捉え、移住者が少しずつ増えたのだ

クリエイティブな仕事をしつつ、ゆっくり生活したい人。子供に豊かな生活を味合わせたい人。環境に興味がある人。

私にみたいに都会でわやくちゃになっている人でも、ちょっとだけこれからの日本や地球が気になってる人が、関わればいい。そんなおおらかな村の方針でオシャレなカフェやステキな木工家具屋さん、オーガニックにゆっくり絞る油屋さん、森の水で育てる鰻の養殖所、はたまた海外からの町おこし協力隊員、更には可愛い帽子クリエイターまで!

村も子育て環境や、移住者向けの住宅づくりなど、インフラの整備から、移住者向けのお仕事マッチングまで、受け入れ体制に余念がない。

その甲斐あって、2017年は岡山県では数少ない転入超過市町村となり、転入者の人口比率も9%を超える率となった、西粟倉。村民の決意と努力が少しずつ実ってきている。

私が紹介した数々のお店や宿泊施設なども、新しい村の立役者、『移住者』たちと『村』との協働作品だ。

借りた軽トラで車の往来も少ない一本道を走り抜ける。ぱっと見ではなんも変わらない田舎の風景。

お爺さんおばあちゃんは普通に畑で自分の野菜を作り、今まで通りの生活をしている。

でも、村には移住者の提案する、新しいライフスタイルや価値観も普通に浸透し始めている。

ヨガのアキコ先生は言っていた。『お野菜はご近所からの頂き物で充分たりちゃう!』そんなゆるやかで豊かな助け合い、共存がこの村では、感じる事ができるのです、

リモートワークもどんどん可能になっていくこれからの時代。都会では絶対味わえない、豊かな環境と人間関係を味わいながらの、こんな生活もこれからはアリです、絶対。ここじゃなくても他の土地にもなでしこさんたちを待っている場所はたくさんある。

最後に、、、村の取り組みがこんな映画にもなりました。

近くに来た際は、是非!

『ゆるやかな革命』(HP

工房Kodama
https://www.kodamaliving.com/

フレル食堂
https://www.fureru.com/blank

【編集後記】
この方々が骨太な村の政策を支える骨太スーパー(イケメン)公務員さん! お世話になりました。(フツーのおっちゃんに写っとるがなー笑笑)

公務員さん

初出:しごとなでしこ

黒島美紀子 MKシンディケイツ代表

消費家・商業マーケティングコンサルタント
アパレル、セレクトショップ・百貨店を経て独立起業して早や10年余。数々のお買い物の実践と失敗を繰り返し、ファッション、ビューティ、グルメ、ライフスタイルの動向を消費者目線で考察。また、世界各地の商業スペースやブランドをチェック、消費活動を通じたマーケティングを行い、企業と消費者を結ぶ。


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Oggi5月号46ページに掲載しているアルアバイルのライトベージュのジャケットの値段に誤りがありました。正しくは¥49,500になります。
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