風邪をひきたくない人…「接触感染」「飛沫感染」のリスクが高い、危険地域に気をつけて!
ウイルスは、自分の力で移動するのではなく、感染者のくしゃみやせきの飛沫に入り込んだり、モノへの接触を介して移動します。そしてその場でじっと待機し、人の体内に侵入する機会をうかがっています。
いずれ干からびて死にますが、冬の時期にせきやくしゃみで飛散したウイルスが、約30分も空気中に浮遊していることを明らかにした研究もあるほど!
湿度が高い環境では水分にウイルスがくっつき、重さで地面に落ちやすくなりますが、冬の乾燥した時期は、付着する水分が少なくウイルスが漂いやすいんです!
■満員電車・会議室・カラオケは、超危険地帯です!
風邪をひきやすくなる「危険地帯・危険物」の特徴は次の4つ。
・人との距離が近い場所
・閉鎖された空間
・緊密な関係の人が風邪をひいている場合
・モノの貸し借り
風邪は「接触感染」と「飛沫感染」が代表的な経路。同僚などと大人数で行くカラオケや、乾燥した会議室などもリスクが高い場所ですが、とりわけ冬の満員電車はとてもリスクが高い場所です。
混雑していて隣の人との距離が近く、閉鎖された空間でつり革などを「貸し借り」しているので、危険地帯・危険物の条件がすべてそろっています!
冬の満員電車に乗る際、筆者は手袋を着用するなど直接つり革に手が触れないように工夫しています。下車後の手洗いうがいも忘れずに行いましょう。
■24〜37℃の環境下で、風邪のウイルスは2時間程度生存します
風邪のウイルスの大きさは1〜5マイクロメートル。インフルエンザウイルスはさらに小さく、100ナノメートルほど。肉眼で見えないからこそ、ウイルスが集まりやすい場所を知り、できる限り近づかないことが風邪予防に直結します。
そして、風邪ウイルスの増殖の最適温度は33〜35℃。
24〜37℃の環境下で、平均で2時間程度は生存すると言われています。
また、インフルエンザの患者によって放出されるウイルス量は、1回のせきで約5万個、1回のくしゃみで約10万個とも言われています!
目に見えない敵であるインフルエンザや風邪のウイルス、絶対風邪をひけない人が避ける場所を理解して、戦略的にウイルスを予防していきましょう。
初出:しごとなでしこ
教えてもらったのは…医師・医学博士・MBA 裴 英洙(はい えいしゅ)さん
医師・医学博士、MBA。ハイズ株式会社代表取締役社長。1972年生まれ。 医師として臨床業務をこなしつつ、臨床の最前線からのニーズを医療機関経営に活かすハンズオン型支援を行なう。 最新著書『一流の人はなぜ風邪をひかないのか?』(ダイヤモンド社)2018年2月21日発売 1,500円+税