なぜ不倫していることを女性は語りたがるのか
昨今、世をにぎわず不倫を心理学的アプローチで分析している心理学者で神奈川大学教授の杉山崇先生。今回は「なぜ不倫していることを女性は語りたがるのか」について杉山先生に分析していただきました。
不倫をしていることが世間にばれれば、社会的制裁を受けたり、また倫理的にとがめられたり軽蔑されたり、さらには慰謝料を支払わなければならなくなったりと散々な結果が待っています。
しかしあなたの周りにいませんか?
不倫していることを語りたがる女性が。
実際に私も今までに何人もの“不倫を語りたがる女性”を見てきました。彼女たちのほとんどは、不倫がつらいという悩みを吐露するわけではなく、たいがいが“不倫だけどこんなに愛されている、こんなに楽しい、こんなに幸せ”というものばかりでした。
一方男性はというと、ちょっとした火遊び自慢みたいなものはいざ知らず、「不倫相手とラブラブでさー」などと語っている人はかなりの少数派といえるでしょう。
しかしながら女性は違います。彼女たちはなぜリスクを負ってまで不倫を語りたがるのか、この長年の疑問に杉山先生が解説してくれました。
女性は周囲に幸せな自分を知ってもらうことで、心が満たされる生物
「まず女性は、男性に比べ“場依存性”が高い生物である点がこの問題の核にあります。
“場依存性”とは周りの環境や雰囲気に強く影響を受けること。
女性はかつて男性が狩猟に出ている間、残された女同士のコミュニティを大切にする能力を求められていたことが社会性のベースにあります。なので男性とは違い、自身の価値観以上に周りがどう思うか、どう見られているかを重視するのです。
それはたとえ不倫でも同じこと。自分一人、ひそかに幸せを感じているだけでは満足しないのです。“周りにも自分が幸せであることを知ってほしい、認められたい”、そんな本能的な感覚が女性には備わっているのです。
結婚式は女性のための儀式、などとはよく言われていますが、これはまさに“みんなに幸せな自分を見せたい”という欲求の表れでしょう。女性は周囲に幸せな自分を知ってもらうことで、はじめて心が満たされるのです。
そんな女心をわからない男性が不倫をした際には、女性が自分との関係を周囲に知らせたがることに対し、危機感を覚え“自分の立場をおびやかす敵”と感じてしまうことも多々」
なるほど! ものすごく明快に語りたがり女性の気持ちが理解できました。
またもし不倫をうまくやり遂げたいときには、女性は男性側のそういったリスクを考慮し、また男性は女性側の“周囲に幸せを知らせたい願望”を少しでも満足させるようなホスピタリティに配慮してあげると円満ってことですね。
また次回も、男女にまつわるさまざまな疑問を杉山先生と一緒に解き明かしていきたいと思います。
初出:しごとなでしこ
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吉田奈美 writer
女性誌を中心に、タレントインタビュー、恋愛企画、読み物企画、旅企画、料理企画などを担当。著書に『恋愛saiban傍聴記』(主婦の友社)も話題に。