スマホが普及してから、スマホをいじる食事マナーの悪さや、撮影に夢中になりすぎるなどの問題行動がテレビやTwitter等でも取り上げられるようになりました。
食べ物を粗末にしているという自覚症状がない女性はブス認定! 今回は、食事をいただく際の美しい心やマナーを思い出してみましょう。
日本人の美しい心「いただきます」「ごちそうさまでした」
食事前には「いただきます」、食事後には「ごちそうさまでした」という挨拶。この挨拶に心を込めている方はどのくらいいらっしゃるでしょう? 食べ物に困らない現代人は、だんだんこの心が薄れてしまっているような気がします。
「農業は命を育てる仕事でもあるが、命を奪う仕事でもある」
こうお話してくださったのは、富山県の里山で農業を営む有限会社土遊野の代表、河上めぐみさん。平飼い養鶏と有機棚田米を主軸とした有畜複合循環型農業を実践されています。(関連Web:土遊野)
お米でいえば「種をまき、育て、その命を刈る」、鶏肉でいえば「愛情をかけてヒヨコからニワトリに育て、その命を自ら絞めて食肉にする」。河上さんのように、自然と命を繋いでくれている方々のおかげで、私たちは食事をして生きることが出来ています。
スーパーに並ぶ食べ物も調理された料理も、当たり前のようにポンッと現れた「モノ」ではなく、「命のもと」であることを忘れてはいけません。
そう思うと、命のもとをいただいている事に対しても、その命を繋いでくださる生産者の方に対しても、調理してくださった方に対しても、感謝の心で「いただきます」と「ごちそうさまでした」が自然と出てきますね。
食事中のスマホはあり? なし?
ケータイを触りながらご飯を食べる行為、通称「スマホ飯」。その姿を見て、あなたはどんな風に感じますか?
私の経験談をお話しますね。今から約10年前、仕事の休憩中に左手にケータイ、右手に箸を持って、メールしながらご飯を食べている時期がありました。もちろん、そんな状態なので、休憩中に同僚から話かけられることはありません。
ケータイに夢中で、まわりからどんな風に見えているかなんて、全く気にしていなかったのです。そんな時、上司から「古岡さん、食事中にケータイずっと触っているのは、行儀悪いよ」って指摘され、初めて気づいたのです。
行儀が悪いだけでなく、姿勢が崩れていることで、食べ方も悪くなっていること。そして、視線はずっとスマホのため、コミュニケーションを拒否しているように見えていたこと。
話しかけられても、スマホを触りながらなので、適当な返事になっていたこと。先輩や一緒にいた同僚にも失礼な態度を取っていたなあと反省しました。
もし注意されずにいたら、今頃恥ずかしい思いをしていたことでしょう。言いにくいことを指摘してくれた上司に感謝です。
大量の食べ残しはマナー違反!
女性はかわいいもの、レアなもの、話題のものが大好き。インスタで見つけて、「私も見てみたい!」「体験したい!」「感動したい!」と思うことは自然なことですよね。
でも、インスタ映えを狙った写真撮影が目的となってしまって、大量に食べ残したり、食べずに捨ててしまったりする残念な人が増えているそうです。
さすがにこれはドン引きです。お金を払っているから残してもいいという問題ではありません。
お店側だって、美味しく食べてもらいたい、喜んでもらいたいと思って、心を込めて作っています。あなただって、大切な誰かのために手料理を作って、大量に残されたら悲しくなりませんか?
マナーには「人に不快感を与えない」とか「思いやり」という意味があります。ですから、「相手にとってどう感じるか?」という視点で考えると、食事中のスマホ姿も大量の食べ残しも気持ちのいいものではないですよね。
食事をいただく際の美しい心やマナーを少し思い出していただけたでしょうか。感謝の心で美味しくいただきましょう。
初出:しごとなでしこ
古岡めぐみ 現役ホテルマン・マナー講師
沖縄「カヌチャベイリゾート」や、大阪「大阪マルビル大阪第一ホテル」など、名だたるホテルでの勤務経験をもつ現役ホテルマン。お客様からの多くの支持を集め、また後輩育成にも力を注いできたことを認められ、過去に社内表彰されること多数。
現在は富山県内のホテルフロントスタッフとして勤務しながら、これまでの自身の経験をもとに接客マナーやホスピタリティなどのセミナー講師としても活動している。