同僚から「営業の佐久間さんって、破天荒(はてんこう)なタイプよね」と、話しかけられたら、あなたは佐久間さんをどんな性格だと思いますか?
「ほんと、ほんと! 佐久間さんって、破天荒な行動が目立つよね!」と同調しつつ、「あれ? 破天荒って、正確にはどんな意味だったっけ?」などと、自信がない人もいるのでは。
さて、会話でもよく使われるこの「破天荒」という言葉は、本来はどんな意味なのでしょう……?
日本語の「いま」を見つめる国語辞典『大辞泉』が発信しているクイズで、ことばセンス&知識に関して自己点検してみましょう。「間違いやすい表現」をマスターして言葉・表現に自信をもてるビジネスウーマンに♪
【問題】
「破天荒」と同じ意味の四字熟語は、どちらでしょうか?
1.大胆不敵
2.前代未聞
正解は?
2.前代未聞
「破天荒」とは、前人のなしえなかったことを初めてすることを指し「前代未聞」が正解です。
実は近年、この言葉を「大胆不敵」の意味で使う人が増えています。文化庁が発表した平成20年度「国語に関する世論調査」では、「だれも成し得なかったことをすること」の意味で使う人が16.9%、「豪快で大胆な様子」の意味で使う人が64.2%という結果で、本来の意味で使う人が少数派でした。
冒頭に出てきた営業の佐久間さんは、前代未聞の仕事を成し遂げる優秀な人物なのかも!?
はてんこう【破天荒】
前人のなしえなかったことを初めてすること。また、そのさま。前代未聞。未曽有(みぞう)。
[補説]「天荒」は未開の荒れ地の意。唐の時代、官吏登用試験の合格者が1名も出なかった荊州は人々から「天荒」といわれていたが、劉蛻(りゅうぜい)が初めて合格して「天荒を破った」といわれたという故事から。
(ことばの総泉挙/デジタル大辞泉より)
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初出:しごとなでしこ