清掃業界のカリスマが解説!「中掃除」が増えている理由とは?
年末の恒例行事としてあげられる「大掃除」。1年のうちに溜まったチリやホコリを掃き清め、新年を気持ちよく迎えるために、日本では昔から伝統的に行われています。
しかし、リンナイ株式会社が行なった大掃除に関する意識調査によると、最近では年末に大掃除を行わない家庭が増えているんだとか! その理由には、「普段から中掃除をしている」という理由が多くあげられました。
そもそも「中掃除」という言葉を初めて聞いたという人も多いのでは? なぜ今、中掃除をしている人が増えているのでしょうか?
その理由をお掃除お片づけのプロとして25年以上のキャリアを持つ清掃業界のカリスマ的存在、大津たまみ先生が解説してくれました。(以下、大津たまみ先生のコメントより)
家の掃除を主に行っている女性の社会進出により共働き世帯も増え、年末の大掃除に時間をかけることができない状態になってきています。そのため、一年で一番忙しい時期に掃除をすることが減ってきています。また、働き方やライフスタイルの変化により、年末に家族が集まらなくなったことも大掃除を行わない理由の一つとなっています。
また、アメリカでは“Spring Cleaning(スプリング・クリーニング)”と呼ばれ、気温がよく、体が動きやすく、汚れも落ちやすい時期に掃除を行うことが効率的であることが立証されています。日本でも一年の中で公私ともに最も忙しく、その上、寒さで体も動きにくい年末ではなく、気温に適した時期にこまめに掃除をすることが大切だという感覚が広まり始めています。
さらに、たまみ先生は掃除に適した時期や、季節ごとに行う最適な掃除場所についても教えていただきました。とっても参考になるので要チェック!
大津たまみ先生推奨! 季節別の最適な掃除方法
・春(3〜5月)
気温も良く、掃除には一番向いている時期です。思いっきり窓を開けて掃除をしましょう。また、気温が上がり暖かくなってくるのでキッチンの換気扇の洗浄がおすすめです。他にも、カーテンの洗濯や冷蔵庫洗浄を気温が上がる前に行っていきましょう。
・夏(6〜8月)
日照時間が長いこの時期は外回りの清掃に向いています。例えば、水遊びを兼ねて外壁を高圧洗浄機で洗ったり、ベランダや網戸の清掃を行っていきましょう。また、洗濯物が増える時期でもありますので、洗濯機の掃除も行っていきましょう。
・秋(9〜11月)
涼しくなるので、夏にたまった汚れを一層していきましょう。ワックスは冬乾きにくくなるので、秋の時期に床をきれいに洗浄した後にワックスがけを行っていきましょう。また、窓を全開に開けることができるこの時期に、お風呂場のカビ取りを済ませてしまいましょう。
・冬(12月〜2月)
一年の中で一番汚れが取れにくい時期です。年末を迎える前には、軽く窓掃除をして終了。また、雑草が生える前に、駐車場の洗浄を行い、除草剤を撒いておきましょう。寒い時期に何度も登場する湯沸かしポットの内側の洗浄や加湿器の内部の洗浄も行っていきましょう。
年末の恒例行事としてあげられる大掃除も、「中掃除」をする人が増えたことにより、“まとめて一気に!”という人が減ってきているようです。
あなたは大掃除派ですか? それとも中掃除派ですか? どちらにしても、年末にはきちんと部屋をキレイにして、気持ち良く新年を迎えたいものですね♪
「中掃除」について教えてくれたのは…
大津たまみ先生
Profile
1970年生まれ。愛知県愛知郡東郷町出身。「お掃除お片づけ」のプロとして25年以上のキャ リアを持つ、清掃業界のカリスマ的存在。
年間200本以上の講演の他に、TV・雑誌・ラジオ等でも片づけや掃除法を伝授している。近年生前整理の関心の高まりから「あったかい生前 整理」を提唱し、一般社団法人生前整理普及協会を設立。社会貢献活動としてシングルマザーの子ども達の支援活動を積極的に行っている。
初出:しごとなでしこ