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WORK

2017.09.10

孤独を抱えた少女が天職と芥川賞作家の夫をつかむまで|ブックデザイナー・佐藤亜沙美さんのルール

様々な分野でキャリアを輝かせている女性たちが「いつもしている7つのこと」=「セブンルール」を見つけ、人生観を映し出すドキュメンタリー番組「7ルール」。番組を振り返り、仕事をする女性たちへのヒントを見つけます!

ブックデザイナー・佐藤亜沙美さんってどんな人?

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今回ご紹介するのは、ブックデザイナー・佐藤亜沙美さん
これまで、200を超える作品の装丁を手掛け、「ギャートルズ」という本では、原始人が石で作った漫画をイメージしてみたり、流行りの食べ物を解説した本では、カバーはクレープの包み紙風に、表紙はアイスのコーンに見立てたデザインを行ったり…。そんな遊び心溢れる彼女の装丁に、出版社からのオファーが殺到し、森山直太朗さんや能町みね子さんなど、著名人たちも厚い信頼を寄せています。そんな彼女を支え、家事全般を行なっているのは、芥川賞作家の夫、滝口悠生さんです。彼女がブックデザイナーを志した意外な理由とは? 滝口さんとの出会いは?

少女時代、孤独を抱え不登校に…。そんな彼女の拠り所になったものが 「本」だった。

仕事は、出版社や著名人からのオファーが絶えないほどの順調ぶり。そして、芥川賞作家でありながら、家事全般を引き受けてくれるような夫もいて、順風満帆な人生を送ってきたように思える佐藤さん。しかし、育った家庭環境は複雑だったようです
彼女が小学6年生の時、父親が単身赴任になりますが、それを機に、母親が子供3人を置いて家に帰ってこなくなり、子供だけで生活するような日々を送ります。その後、中学に入り、父親に引き取られるも、学校には行かず家で過ごすことが多くなったそうです。

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そんなとき、彼女の拠り所になったものこそ、「本」でした。そして、日本を代表するブックデザイナー・祖父江慎さんの作った本に心を奪われ、彼の講演会の度に楽屋に押しかけ、半ば強引に弟子入りしたそう。その後、独立し「サトウサンカイ」を設立します。

芥川賞作家の夫との出会いは、彼の小説の「ひと読み惚れ」。

佐藤さんは、芥川賞作家の滝口悠生さんと結婚しますが、出会いは、彼が作家になる前に作ったフリーペーパーを読み、「ひと読み惚れ」をしたことから。そこからサインをもらいに行き、半ば強引にアタックしたのだそうです。

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そして、もともと、主夫志望であった夫に「私が食わしていくから」と言って結婚したため、家事は99.9%が夫の滝口さんが引き受けているそう


佐藤亜沙美さんの「7つのルール」

さて、そんな佐藤亜沙美さんが「いつもしている7つのこと」=「セブンルール」とは・・・

1.デザインはページ番号から

ページ番号のデザインは、3万種類と選択肢があり、それを選ぶ際、基本は攻めの姿勢だが、本に対しての礼儀として、デザイナーが「やってやったぞ」という感じは避ける。

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2.読者像を1人に絞る

デザインが独りよがりにならないように、その本を書店で手に取っている人の人物像をイメージする。

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3.ランチは必ず小松さんのお弁当

お弁当は、毎日、事務所近くの小松さんのお弁当。信用していない人が作った食べ物は食べられない。自分の親でさえ理解できないので、他人のことは理解できない。

4.家事はしない

家事は、もともと主夫志望であった夫が全面的に担当。食べたいときを見計らい、夫が食事を出してくれる。

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5.休日はカレー屋とスーパー銭湯

行きたいカレー屋を見つけ、その近くのスーパー銭湯に行き、帰ってくるのが休日の過ごし方。休みの日の過ごし方がわからず、最近覚えた休み方。

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6.プレゼン資料は手描きで

プレゼン資料を手描きにすることで、相手の想像力を膨らませる。世界が拡がり、そこから面白いことが生まれたりする。

7.一冊にひとつは遊びを入れる

紙でも書体でも良いが、その本に対しての遊びのようなものを必ず一つ決め、出来上がってくるのが楽しみだなという感じに自分をさせる。

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暗い少女時代に光を照らしてくれたのが「本」。あの頃の自分に届け! という想いで、いまこの仕事をしているという佐藤さん。
あの頃の経験があったからこそ、いまの佐藤さんがいるのではないでしょうか。今後、佐藤さんがどんな世界観の本を世の中に出してくれるのか、とても楽しみです。


次回の「7ルール」の放送は、9月12日(火)よる11時~11時30分です。主人公は、メディアでも大活躍の書家、中塚翠涛さん。
しごとなでしこでは、番組の内容をもとに彼女にフォーカスしていきたいと思いますので、是非チェックしてくださいね♡

初出:しごとなでしこ

セブンルール(カンテレ/フジテレビ系列 全国ネット)

【放送日時】4月18日スタート 毎週火曜よる11時~11時30分
テレビに出ることはなかなかないけれど、様々な分野で、そのキャリアを輝かせている“今最も見たい女性” “最も見せたい女性”に密着。自身が課す“ルール=いつもしていること”を手がかりに、その女性の強さ、弱さ、美しさ…など、人生観そのものを映し出す新感覚ドキュメント。そんな彼女達のドキュメンタリーをスタジオで眺め、縦横無尽にトークするのはスタジオキャストの4人。女性としても母親としても、人生経験値は申し分なしのYOUさんと女性の人生を痛々しくも愛おしく描く芥川賞作家の本谷有希子さん。バラエティ番組でも安定の司会っぷりを見せている芸人オードリーの若林正恭さん。そして、既婚者で番組の司会は初挑戦となる俳優の青木崇高さん。

【7RULES(セブンルール)オフィシャルWeb site/SNS】

オフィシャルWeb

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佐藤亜沙美

1982年生まれ 福島県出身 35歳。書籍や雑誌のデザインをメインに、ポスターや広告の仕事も手掛けるデザイナー。夫は芥川賞作家の滝口悠生。印刷所、出版社を経て、2006年から2014年まで日本を代表するブックデザイナー・祖父江慎の事務所・コズフィッシュに在籍。2014年に独立しサトウサンカイを設立。主な装丁作品に「ぼおるぺん 古事記(一)~(三)」(こうの史代)、「圏外編集者」(都築響一)、「親愛なる」(いとうせいこう)、「ギャートルズ(肉の巻)(恋の巻)(無常の巻)」(園山俊二)など。

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