ファイナンシャルプランナーの花田浩菜です。
結婚したら、出産したら、と働く女性は男性と比べライフスタイルの変化が多いですよね。のちに妊娠・出産することになったときに、自分で申請しないともらえない手当や制度が実はたくさん存在するのはご存知ですか? また企業に勤める女性ならではの「もらえる手当・制度」があることもしっかり把握しておきましょう。せっかくの手当をもらい損ねないようにしたいですね。
そこで今回は、予めチェックしておきたい、妊娠・出産時に関わる手当や制度をまとめてみました。
(c)Shutterstock.com
申請しないともらえない! 知らないと「ソン」な妊娠・出産に関わる給付金
現在、妊娠・出産以外にも住宅の購入に関わる給付金、医療費に関わる給付金、失業したときに関わる給付金、などなど様々な給付金が国や住んでいる地域、そして勤め先によって様々定められています。
しかし! これらの給付金は一般的に期限までに「自分で申請」しないともらえないものが多いのです。
また企業勤めのしごとなでしこさんなら、もらえる可能性のある給付金の種類が多いのに申請しないまま期限が切れてなんてことも。
このような「ソン」をしないためにも、まずは出産時に関わる給付金について知っておきましょう。
【妊娠・出産に関わる主な給付金をまずチェック✔️!】
✔「妊婦健検診費用助成制度」:受診費用を負担してくれるチケット14回分
→こちらは企業勤め、自営業、専業主婦など、その立場に関わらず女性なら誰もがもらえる制度。妊娠は病気でないため、一般的に健康保険が使えず、毎月掛かる検診費用は基本的に自己負担となります。その為、住んでいる市区町村から妊婦検診を受ける際の受診費用を負担(公費でまかなわれる為、金額は異なります)してくれるチケットを14回分発行しています。そのチケットを使用し、上限金額を超えた分だけ自分で支払えば良いので自己負担も少なくなります。お住まいの地域によって+αの手当があるところもあるのでまずはチェックを。
(c)Shutterstock.com
✔️「出産育児一時金」:子ども1人につき42万円
→こちらも企業勤め、自営業、専業主婦など、その立場に関わらず、「健康保険」に入っている女性ならば誰もがもらう事のできる一時金です。一般的に分娩に掛かる費用は40万円前後。サービスや個室代などにより100万円程度掛かる病院もあるといわれている分娩費用ですが、予め書類を記入しておくことで、加入している健康保険から直接病院に一時金として42万円の支払いをしてくれる「直接支払制度」というのがあり、それを超えた分だけ退院時には窓口で支払えばよい、というのが一般的となってきています。一時金は子供1人につき42万円の為、双子を出産する際には84万円が一時金となります。
✔「出産手当金」:お給料の3分の2程度※企業で働く女性のみ
→こちらは企業勤めの女性が対象となる、出産のため会社を休んだ時に支給される手当金です。出産手当金は一般的に出産日(出産が予定日より後になった場合は、出産予定日)以前の42日〜出産日の翌日以降56日までの範囲内で、会社を休んでいる間の「給料がもらえない時のみ」が対象。各月の標準報酬月額を平均して出される金額の3分の2、目安金額で言うと「お給料の3分の2程度」が支給されます。基本的に健康保険に加入し1年が経過している事が条件で、場合によってはパートやアルバイトの場合でも健康保険から支給される場合もあるんです。
✔育児休業給付金:産後8週以降最初の180日はお給料の約67%、〜1歳までは約50%※企業で働く女性のみ
→「育児休業給付金」は出産後2ヶ月以降の産後休業期間に対する手当。これは「雇用保険」からの支給となる為、企業勤めで雇用保険に加入の方が対象となります。いくつかの条件がありますが、条件を満たしている方であればパートの方、女性だけでなく男性も受給対象となります。期間も会社によって異なるため、まずはチェック。勤務先に育休申請の際に必要な書類等を記入・提出しておくことで、この手当に関する手続きを会社がやってくれる場合もあります。しかしその後2ヶ月ごとに自分自身で追加申請が必要な場合もあるので、しっかりチェックしておきましょう。お給料の約50〜67%がもらえる大きな金額の手当のため、もらい損ねることがないようご注意くださいね。
(c)Shutterstock.com
このように、大きな金額がかかる妊娠や出産には、市区町村、健康保険、働く女性であれば雇用保険からの一時金や手当がもらえる事はしっかり覚えておきましょう。申請せずにいるともらえずに、もしかしたら「ソン」してしまう可能性もある手当や一時金。妊娠したかなと思ったら、ぜひ思い出してくださいね。
<参考>
全国健康保険協会/協会けんぽ:子供がうまれたとき 出産で会社をやすんだとき
ハローワークインターネットサービス:育児休業給付について
初出:しごとなでしこ
花田浩菜 ファイナンシャルプランナー
学生時代からCanCamなどを中心に読者モデルを始める。大学卒業と同時に金融関連会社に就職し、その後フリーランスのファイナンシャルプランナーに。現在は月刊誌やweb上で連載を持ち、様々な媒体で女性のライフスタイルを大切にしたマネーコラムや経済情報を発信中。趣味は旅行と食べ歩き。instagram→hanadahirona