女性誌の編集部で20年ほど仕事をしていて、結婚願望がなくても結婚していく独身女性と、結婚願望があるのに結婚できない独身女性の差は何かを常に観察しています。
都会で働く女性の場合、結婚する女性の共通点は、仕事が好きで経済力があります。もうこれはゆるぎない共通点です。と言うと“仕事がデキる女にならなくちゃ”と頑張る人がいますが、全く頑張る必要はありません。だれよりも頑張っていい成績を出すよりも、与えられた仕事を丁寧にすることが大切。自分の中で小さな達成感を積み上げると、自信につながります。結婚したいのにできないアラサー女子のなかには、恋愛がダメなら仕事で一発逆転!、と急激に頑張り始める人もいますが、これは疲れるだけなのでやめたほうがいいです。
職場の全員にお土産を買ってくる女性は、婚活がうまくいかない
結婚する女性の共通点で、多くの人が当てはまっていることが、“アラサーになったら職場の人のために旅行の土産を買ってこない”です。ここで言う土産とは、個別に仲がいい同僚に渡す土産ではなく、部内全員に渡すためのばらまき土産のこと。20代のうちは、職場用に土産を買うのも新鮮な経験ですし、仕事で周囲に迷惑をかけまくっているので、帰省や旅行のついでにお土産を買うのもいいでしょう。
しかし、その習慣を25歳くらいからフェードアウトした人から、結婚していく傾向が高まる。そして土産を買わない女性は、なぜか仕事も安定してできるようになってくる。
しかし、その反対に、アラサーになっても職場の全員にお土産を買ってくる女性は、婚活がうまくいかず、仕事もパッとしない。誠実で優しく信頼できて、容姿だって悪くないのに、恋愛がうまくいかない。
お土産に込められた“いい人だと思われたい”という“媚び”が結婚を遠ざける
そこで、ある飲料メーカーに勤務する34歳独身女性に、会社用のお土産を買い続ける理由を聞くと「もう習慣になっているし、みんなが楽しめるから」とアンサー。ちなみに、彼女はお土産を買い続けても、お返しをもらったことはほとんどないそうです。それでも買う理由を聞くと「職場の好感度を上げるという気持ちはあるかもしれませんね」と答えていました。
つまり、会社の人たちに“いい人だと思われたい”という“媚び”が手土産には込められているのです。人間関係は媚びた人が負けます。相手に対して媚びる気持ちがあると、相手はあなたに対して平気でワガママをを押し付けてきます。“あの人はいい人”というのは、会社において、“使い勝手がいい便利屋”と同義。20代のうちは便利屋になることがキャリアアップの足掛かりになりますが、30代になって便利屋になっていては皆からバカにされます。
ちなみに、恋愛も“好きになったほうが負け”とよく言われますが、“媚びた方が負け”ということです。相手を自分に振り向かせようと媚びると、恋愛はうまくいきません。
この“媚び”は女性には習慣として体に染みついていますので、アラサーになっていい結婚をしたいと思うなら、自分が相手に媚びる行動を、改めていった方がいい。その一つとして、職場にお土産を買わないことが、大きなステップになるでしょう。習慣をやめることはものすごく勇気がいることですが、頑張って行動してみてください。
初出:しごとなでしこ
沢木 文 Writer&Editor
1976年東京都足立区生まれ。大学在学中よりファッション雑誌の編集に携わる。恋愛、結婚、出産などをテーマとした記事を担当。著書に『貧困女子のリアル』『不倫女子のリアル』(小学館新書)がある