現役ホテルマンの古岡です。私の経験にもとづいて女性がよりしなやかに働けるよう、マナーについてご紹介しています。
働く女性が身だしなみを整える意味とは
女性は美意識が高い方が多く、おしゃれや流行にも敏感。異性を気にし始めた頃から、ダイエットをしてみたり、メイクを研究してみたり、流行りのファッションを取り入れたり。やはり年齢を重ねてもずっと美しい女性でいたいですよね。
美しい女性は外見美だけではなく、品格があります。「ローマは一日にして成らず」というように、品格も日々の努力なしには身に付けることはできません。今回は女性の品格を上げる第一歩として、身だしなみについて考えてみましょう。
覚えるべき身だしなみの基本はTPPO
若い頃は、好きなメイクをして、好きな服を着て、少しおバカな発言をしてもかわいいで済まされました。でも、年齢を重ねていくと、そうはいきませんよね。「このままではまずいかも…」と焦り始めるアラサー女子も多いようです。
身だしなみはビジネスマナー5原則(表情、挨拶、態度・立ち居振る舞い、身だしなみ、言葉づかい)のひとつであり、マナーの重要な要素です。ビジネスシーンにおいては、おしゃれより身だしなみが優先されます。相手への気遣いを示すコミュニケーションのひとつになるからです。
身だしなみの基本は一般的にはTPOですが、ワンランク上の品格のある女性を目指すならTPPOを意識してみてください。TPO=(Time:いつ)、P(Place:どこで)、O(Occasion何をする)にP(Person:誰と)が加わることで、服装やメイクは変わってきます。
もしあなたが制服着用の企業に勤めている場合も同じです。例えば制服が地味だからといって、好き勝手にアレンジして、着用の仕方がバラバラだったらそれを見た得意先の方はどう思うでしょうか? 制服には企業のイメージが込められています。つまり、制服を正しく着用することは企業のイメージを守り、世間に正しく企業の想いを伝える事に繋がります。
制服であっても私服であっても考え方は同じです。
身だしなみを整える、その向こう側には必ず相手がいます。不快ではないか、清潔感を感じていただけるか、好感を持たれるかなど、相手の立場になって考えることが大切ですね。
しごとなでしこは身だしなみの細部にもこだわるべし
相手から直接見えるところは、すでに身だしなみを整えているかもしれませんね。では、相手から見えにくいところはどうでしょう? 例えば、靴。見えないからといって、健康サンダルを履いていたり、くたびれた靴を履き続けていたりしませんか?
「身だしなみは足元から」とも言われます。せっかく髪型やメイク、服装を整えても、足元だけ手を抜いているのがわかったら、なんだか残念。靴だけではなく、ストッキングも同様です。伝線したストッキングを履いている女性を見かけると、「惜しい!」と思ってしまいます。穴が開いたり、伝線してしまったりした経験は何度もあるはず。不測の事態に備えてストッキングは予備を持っておきましょう。
目指すべきは、外見も内面も磨く女性の身だしなみマナーを身につけること
意識している時は誰でも美しい所作や言葉遣いができるもの。ふとした時に表れるのが品格そのものです。女性の品格を上げたいなら、人も物も大切に丁寧に扱うことです。もちろん自分も含みます。
身だしなみマナーは、ただ外見を整えるだけでなく、心も整える事。靴を磨き、手入れをしっかりすれば、靴は長持ちします。その靴を履くと、あなたの身だしなみは自信のある姿勢となり、その所作は信頼へと変わるでしょう。
女性は男性よりも身だしなみには時間がかかります。忙しい朝、髪のセットもメイクも本当に大変ですよね。でも、ボサボサ頭、乱れた服、電車に飛び乗り、電車内で化粧して出勤…これではあなたの品格を下げてしまいます。余裕のある女性はとても素敵に見えます。少しだけ、早起きをしてみませんか?
メイクも髪のセットも服装も決まれば、鏡の前でにっこり微笑んで。一日の始まりを気持ちよくスタートできます!
初出:しごとなでしこ
古岡めぐみ 現役ホテルマン・マナー講師
沖縄「カヌチャベイリゾート」や、大阪「大阪マルビル大阪第一ホテル」など、名だたるホテルでの勤務経験をもつ現役ホテルマン。お客様からの多くの支持を集め、また後輩育成にも力を注いできたことを認められ、過去に社内表彰されること多数。
現在は富山県内のホテルフロントスタッフとして勤務しながら、これまでの自身の経験をもとに接客マナーやホスピタリティなどのセミナー講師としても活動している。