現役ホテルマンの古岡です。私の経験にもとづいて女性がよりしなやかに働けるよう、マナーについてご紹介しています。
たったひと言の挨拶で人間関係は大きく左右される
初対面でも、顔見知りでも、いつも会う職場の同僚でも、コミュニケーションの始まりは挨拶から。
「なんか感じ悪〜い」と思われるのか「もっと話してみたい!」と思われるのか…ひと言の挨拶が、その後の人間関係に大きく影響するんです。
そこで今回は信頼と親密度がアップする挨拶の極意をお伝えします。相手の記憶に残る挨拶で、あなたの未来を開きましょう!
挨拶の極意1 挨拶は一度きりと思うべし!
日々の挨拶、職場の同僚や親しい友人に対して「明日も会うから別に」なんてついおろそかにしていませんか? でももし挨拶をする相手が偉い人や仲良くなりたい人の場合、あなたはどうしているでしょう? もしかしたらいつもより気合いを入れて挨拶をしているかも。無意識だとしても相手によって態度を変えるという不遜な態度は、人間としての信頼度を貶めることにつながります。
ですが、挨拶の機会はいつも一度きり。そう心で思うだけで、いつでも誰に対しても気持ちのいい挨拶が出来るようになります。
明日も会う同僚であっても、「おはようございます」の挨拶はその日きりのものと思って心をこめましょう。
挨拶の極意2 伝える挨拶から伝わる挨拶へ
挨拶はただすればいいのではありません。アメリカの心理学者メラビアンによるコミュニケーションの法則をご存知でしょうか? 人は視覚、聴覚、言語で相手の情報をキャッチするのですが、なかでも印象強いのが、視覚と聴覚とされています。つまり表情や声の調子が重要ということ。
誰かにうつむいてボソボソ「かわいいですね」と褒められても「え? 本当に?」って思いますが、逆に笑顔で明るい声で「かわいいですね!」と褒められたら「素直に嬉しい」と思えるはず。
つまり声のトーンやスピード、表情が違えば、同じ言葉でも受け取り方が変わるのです。その割合は視覚55%(例:表情)、聴覚38%(例:声のトーン)、言語7%(例:言葉自体)とメラビアンは唱えています。
ですので、暗い表情で小さな声での挨拶ではいつまで経っても相手に伝わらないばかりかよい印象にはつながらないのです。
挨拶はコミュニケーションのひとつです。「あなたに心を開いていますよ」「あなたと仲良くなりたいです」という想いは挨拶の一瞬で伝わるのです。小さい頃教えてもらったように、「相手の顔を見て、明るく笑顔で元気よく」が相手に伝わる好感度の高い挨拶。とてもシンプルです。
恋愛でも同じ。男性は女性の笑顔が大好き。視線に弱いので、アイコンタクトをしてニコッと笑顔で挨拶すると、意中の相手に好意を伝えることができます。
そのくらい、相手の顔を見て笑顔で明るく元気のいい挨拶は人の感情を動かすコミュニケーション方法なのです。
挨拶の極意3 +αでまた会いたいと思われるようになるには
感じのいい挨拶だけでも十分素晴らしいのですが、また会いたいと思われる人になれるよう、さらに2つのポイントを意識してみてください。
POINT1
挨拶のあとにひと言加えると効果大。
例えば「今日はいい天気になりましたね」「髪を切りました?」「素敵なネクタイですね!」など何でもいいのです。相手の緊張がほぐれ、自然な笑顔に誘うきっかけになるでしょう。会話のキッカケにもなるので、親しみを感じてもらうこともできます。相手を褒めれば、相手もあなたの良い所を探しはじめます。
POINT2
相手の名前を呼びましょう。
自分の名前は、その人自身にとって世界で最も響きのいい言葉だといわれています。どんなに騒がしい場でも、自分の名前が聞こえると、つい顔を上げたり、振り返りますよね? それくらい自分の名前は特別なのです。あなたが「◯◯さん、おはようございます」と相手の名前とともに挨拶をすると、相手は『自分の事を認めてくれている、大切にされている』と感じるのです。
以上、挨拶の極意は理解いただけましたか?
この極意を継続するというのもとても大切ですよ。挨拶の習慣は人格となります。挨拶には人柄がにじみ出るもの。ぜひ毎日気持ちのいい挨拶をする女性になってくださいね。
初出:しごとなでしこ
古岡めぐみ 現役ホテルマン・マナー講師
沖縄「カヌチャベイリゾート」や、大阪「大阪マルビル大阪第一ホテル」など、名だたるホテルでの勤務経験をもつ現役ホテルマン。お客様からの多くの支持を集め、また後輩育成にも力を注いできたことを認められ、過去に社内表彰されること多数。
現在は富山県内のホテルフロントスタッフとして勤務しながら、これまでの自身の経験をもとに接客マナーやホスピタリティなどのセミナー講師としても活動している。