元貧困女子ファイナンシャルプランナーの石川福美(いしかわふくみ)です。
人生は予測不可能なことの連続。一寸先は貧困女子・・・そうならないための、自分の身をかしこく守る力が、今の時代を生きる私たちには必要です。
今回のテーマは「三大疾病へのかしこい備え方」についてです。
よく耳にする三大疾病とは?
それは日本人の死因の上位3つを占める「がん・急性心筋梗塞・脳卒中」のことです。
これまではご年配の方が心配する病気という印象でしたが、近年では若年性の発病率も年々増え続け、三大疾病を原因としてお亡くなりになる方は、なんと全体の53.6%! 2人に1人以上の方がこの三大疾病が原因でお亡くなりになっていることになります。
最近では芸能人の方のがん発病のニュースもよく耳にしますよね…。
もはや日本人にとって決して無視することのできない数字。だからこそたくさんの保険会社が、この三大疾病に備えるための保険商品を出しています。
選択肢が広がる中、いったいどんな保障や商品を選べばいいのでしょうか?
ここで私が女性の皆さんに注目してほしいのが保険金の受け取り方についてです。保険金の受け取り方には後払いと前払いがあるのをご存知ですか?
後払い
入院した日数や手術の回数に応じた給付金を、退院後や手術後に申請して受け取るタイプ。
前払い
がんと診断確定された時点で、まとまった一時金を受け取るタイプ。
上記のうち、私たちのような若い世代の多くは、前払いで受け取ることが大事になってきます。というのも、まだまだまとまった貯蓄ができていないことが多い20~30代のうちは、先にまとまった給付金を受け取れることで、その先に選べる医療行為の選択肢がぐっと広がります。
ここで参考までに、三大疾病にかかる治療費の平均をみてみましょう。
がん 約473万円
心筋梗塞 約533万円
脳卒中 約849万円
このような数字が出ていますが、病気が確定した時点で自分の貯金にこれだけの余裕を備えている方はまずいませんよね。
一番不安なのは、大きな病気にかかってしまった場合、それまでと同様に働くことが難しくなるということです。つまり収入の減少による生活費の補填も必要になります。保険の後払いでは治療費の補填だけですが、前払いで一時金を受け取ることができると、使用目的を制限せずに使うことが可能になるのです。
そんな私も、実は病気になった時に先出しできるお金がなくて困った一人です。私が患ったのはバセドウ病(甲状腺機能亢進症)。もともと計画的に貯金するタイプではなく、まとまったお金がない中で働けなくなり、収入は減少するのに、医療費として支出は増える一方でした。食費などは節約できても、家賃など大きな固定費は相変わらずかかり、毎月の口座残高がどんどん減っていくのは恐怖でしかありませんでした。入院を勧められた時も、入院費が怖くて断ったこともありました。
実際に病気になった時に、お金のことを気にせずに治療に臨めるということは、とても大切なことだと痛感しています。
また若い世代は高齢の方に比べ、進行の早いがん(低分化腺がん)にかかりやすい傾向があります。しかも毎日忙しく、体調不良かなと思ってもすぐに病院には行けず、がんと診断された時点ですでに手遅れ、ということもあるかもしれません。その時に後払いのタイプでは受け取れるものがないということになりますが、先払いでもらうことによって、ホスピスなどの費用にあて、残りの人生をゆっくりと過ごすことができます。
保険を選ぶ際には、もし保険金が必要になった時に、本当に必要な受け取り方は何なのか? ということを一番に考え選ぶことが大事です。
初出:しごとなでしこ
ファイナンシャルプランナー 石川福美
貧困女子出身のアラサーファイナンシャルプランナー。各メディアやセミナーなどで、自身の経験からくる将来対策・万一のリスク対策の必要性について、多くの女性へ向け発信している。さまざまな金融商品を組合せることによって、”今の充実”と”将来の安心”のバランスを考えたライフプランニングを目指す。株式会社クレア・ライフ・パートナーズ所属。