元貧困女子ファイナンシャルプランナーの石川福美(いしかわふくみ)です。
人生は予測不可能なことの連続。一寸先は貧困女子…そうならないための、自分の身をかしこく守る力が、今の時代を生きる私たちには必要です。
iDeCo(イデコ)、個人型DC…最近耳にすることが多くなったこの言葉「確定拠出型年金」を意味します。前回に引き続き、みなさんにより関わりが深くなった確定拠出型年金についてお話していきます。
今回は、実際に運用を開始する際に気をつけたいこと、知っておきたいポイントについてお話します。
新しくなる「確定拠出型年金」その1はこちら
新しくなる「確定拠出型年金」その2はこちら
自分のお金の運用を開始する際に気をつけたいこと、知っておきたいポイント
運用が初めて!という方にとっては、やっぱり運用によって発生するリスクって怖いですよね。そんな方が陥りがちなのが、運用商品に全て元本保証型を選んでしまうことです。
✔︎元本保証型は本当に安全?→いえいえ、そうとも限らないのです。
運用とはリスクとリターンが必ず隣合わせになっています。リスクを取れば取った分だけ期待できるリターンも大きくなります(ハイリスクハイリターン)。逆に言えば、リスクを取らなければ、期待できるリターンも小さくなります。
元本保証型とはリスクが小さい代わりに、リターンも小さい、つまりものすごい低金利で運用されることになります。けれども口座管理の為の手数料は変わらずかかります。そうすると期待できるリターンに比べて、支払う手数料の方が大きくなる、つまり手数料負けを起こす可能性が高くなるのです。
安全を求めて選んだはずが、結果的に本末転倒になっていた!なんてことにもなりかねません。
資産運用はリスクバランスをしっかり考え、取るべきリスクを取っていくことが大切です。そして運用の基本は“分散投資”。リスクを一か所に固めず、性質の違うファンドに分散させ補完関係をとることで、マイナス局面でリスクを小さく抑える工夫も大切です。
✔︎積立投資(ドルコスト平均法)
誰でも運用がうまくいっていないときに、投資し続けるのは心に負荷がかかるもの。しかし下降局面の時というのは(株式であれば株価が下がっているとき)、実はバーゲンセール。拠出額は同じでも、購入できる口数が増えることで保有口数が増えるのです。そうすることで、トータルで見たときの平均仕入単価を下げることができます。つまり、少しの値戻りで損失がスピード回復できる可能性が高まります。これは“ドルコスト平均法”という立派な投資手法の一つです。
プロの投資家でない私たちにとって、市場の動きは予測が難しいもの。だからこそ上昇局面・下降局面に関わらず、一定の拠出額を積立てることでリスクをカバーする仕組みをうまく取り入れて、かしこく運用していきましょう。
✔︎運用って結局した方がいいの?
数年前から、NISAやiDeCoなど、国をあげて個人の運用を推奨している場面が増えてきました。今回のiDeCoの改正により加入者の枠が広がったことで、日本国民のほとんどの人が利用できるようになりましたよね。これはつまり、将来の年金は個々人でしっかり運用し、自助努力で準備してね、という時代に突入しているのだなと感じます。
何もしないでいることがリスクとなってしまうのが私たち世代のリスク
何もしないでいることがリスクになってしまう時代。とはいえ、とりあえずよく目に&耳にするものを選んでしまうのは間違い。「よく目に&耳にする商品=良い商品」ではありません。金融商品のよし悪しは、自分に合っているかどうかが一番大事になります。
iDeCoのメリットとデメリットを見比べて、自分のライフプランや価値観に合っているのかをしっかり見極めましょう。
「資産運用はお金持ちがするもの」という考え方は、もはや昔のもの。私たちもしっかりと取るべきリスクを見極めて、かしこく将来に備えていきたいですね。
初出:しごとなでしこ
ファイナンシャルプランナー 石川福美
貧困女子出身のアラサーファイナンシャルプランナー。定期的に開催している女性限定セミナーや、各メディアなどで、自身の経験からくる効率的な将来対策・万一のリスク対策の必要性について、多くの女性へ向け発信している。さまざまな金融商品を組合せることによって、“今の充実”と”将来の安心”のバランスを考えたライフプランニングを目指す。株式会社クレア・ライフ・パートナーズ所属。