「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」。かつてフランスでそう言った王妃がいたようですが、私こと、元貧困女子ファイナンシャルプランナーの石川福美(いしかわふくみ)はこう言わせていただきます。「お金がないなら時間を使えばいいじゃない」今回は、時間がもたらす資産運用のメリットについてお話していきます。
低リスク運用を可能にする「時間」1・今の2年が救う老後の2年
時間は老若男女を問わず、平等に過ぎていくもの。でも年齢が違えば、取り巻く環境も異なります。たとえば30代なら、体力も十分。仕事だってバリバリできるし、転職してステップアップしていくことも可能です。
でも、60歳を過ぎたらどうでしょう? もちろん、元気いっぱいに働くことは可能かもしれませんが、若いころと同じペースというわけにはいきません。
正社員での転職が難しなり収入もダウントレンド。しかも公的年金がもらえるのは65歳から。それまでは限られた収入でやりくりしていかなければなりません。
つまり、若い頃の数年間と、年齢を重ねた後の数年間では同じ時間であっても全く状況が異なるのです。「老後のことを考えるのはまだ早い」と考えるのはキケン。今できていることができなくなる、という前提で若いうちから準備を進めていく必要があります。
時間があれば少ない元手&低リスクで運用できる
資産を運用するとき、時間があるというのは大きなアドバンテージになります。メリットは2つ。ひとつは、少ない元手からスタートできること。もうひとつは、運用リスクを下げられることです。たとえば、300万円の資金が手元にあるとします。金利5%の金融商品に投資してみることにしましょう。30年後、300万円は1,297万円になりました! バンザイ!
しかしこれは30年間という時間があったからできたこと。もし10年間で同様に1,297万円まで資産を増やそうとしたら、ちょっと大変なことになります。
同じ金利5%の金融商品に投資するなら、元手は300万円では足りず、倍額以上の796万円が必要になります。けっこうな大金を最初から用意しなくてはいけません。
そんなにお金がないので、と300万円で運用をスタートさせた場合は、10年間で増やそうとすると、金利約15.8%の金融商品に投資する必要が出てきます。リターンが高い金融商品は運用リスクが高くなります。上手く運用できればいいのですが元本割れを起こし、増やすどころか減ってしまうことも十分にあり得ます。
時間を味方につければ、お金は驚くほど働き者になります。しかも安全に働いてくれる可能性大。あなたの大切なお金に、今すぐ「時間」をプレゼントしてあげましょう!
初出:しごとなでしこ
ファイナンシャルプランナー 石川福美
貧困女子出身のアラサーファイナンシャルプランナー。定期的に開催している女性限定セミナーや、各メディアなどで、自身の経験からくる効率的な将来対策・万一のリスク対策の必要性について、多くの女性へ向け発信している。さまざまな金融商品を組合せることによって、“今の充実”と“将来の安心”のバランスを考えたライフプランニングを目指す。株式会社クレア・ライフ・パートナーズ所属。