元貧困女子ファイナンシャルプランナーの石川福美(いしかわふくみ)です。
人生は予測不可能なことの連続。一寸先は貧困女子…そうならないための、自分の身をかしこく守る力が、今の時代を生きる私たちには必要です。
今回のテーマは「福利厚生制度の活用方法」。
みなさんがお勤めの会社には、働いている社員さんの為に用意された様々な福利厚生制度があります。自分がすでにどんな権利を持っているのかを知り、上手に活用することで、今払っている生命保険が不要になったりと、将来対策にかける資金サイズを小さくする効果もあります。
私は昔、この制度をよく理解しないまま転職をして、大切な権利を手放してしまった経験があります。正社員から派遣となり、使える福利厚生制度もかなり狭まりました。そんな時に体調を崩して働けなくなり、治療に専念できる制度がなく、退職を余儀なくされました(そもそも当時は福利厚生制度の活用方法を知らなかった為、調べようともしていませんでしたが…)。
もしものことが起きたときの備えを、全部自分ひとりで背負い込むのではなく、すでに自分に用意された備えについて、再確認してみましょう♪
そもそも福利厚生制度とはどんな制度?
会社が用意する福利厚生制度には「法定福利」と「法定外福利」の2つに分けられます。
・法定福利とは?
法定福利とは法律で定められた、会社の責任として用意することが義務付けられた制度のこと。健康保険や雇用保険、労災保険などがそれにあたります。ここにある健康保険の制度についてもうまく活用していきたいところですが、詳しくはまた別の回でご説明しますね。
・法定外福利とは?
さて、ここで注目するべきが法定外福利についてです! 法定外福利とは法律で義務付けられていないけれど、会社がそこで働く社員さんの為に独自で用意してくれている制度です。ですので、会社によって法定外福利の内容は実に様々です!
女性社員が大半を占めるある会社では、「失恋休暇」という制度があるそうです。しかも、年齢を重ねてからの失恋のダメージは大きいもの。だから30代以降の失恋では20代に比べて長い休暇をもらえるのだとか。
話を戻しましょう。会社によって異なるこの制度、みなさんがよく気になるのは「住宅手当」や「通勤手当」、「休暇制度」や安く使える「保養所の利用」などかもしれません。しかし、将来対策を考える上で知っておきたいのが「慶弔見舞金制度」や「団体保険制度」などについてです。
・慶弔見舞金(けいちょうみまいきん)制度とは?
慶弔見舞金のうち、万が一社員さんやそのご家族がお亡くなりになった場合、会社がご遺族に用意する弔慰金(ちょういきん)。ある外資系企業では、この弔慰金が年収の2倍用意されます。この制度を活用すると、民間での生命保険で高額な保障を準備する必要がなくなるかもしれません。
・団体保険制度とは?
会社が保険会社と提携し、民間の保険会社で加入するよりもかなりの割安で保障を持つことができます。企業にもよりますが、保険料は民間生命保険会社と比べて、約10分の1になることも!
他にもいろいろと知っておきたい制度もありますが、すべては書ききれないので、ぜひ一度みなさんの会社の就業規則を調べてみてください。就業規則がどこにあるか覚えていない方は、人事に問合せてみてくださいね。
このような制度を上手に活用することでムダを削り、大切なおカネを効率的に遣うことができます! 自分がすでに持っている権利はフル活用してあげたいですね。
初出:しごとなでしこ
ファイナンシャルプランナー 石川福美
貧困女子出身のアラサーファイナンシャルプランナー。定期的に開催している女性限定セミナーや、各メディアなどで、自身の経験からくる効率的な将来対策・万一のリスク対策の必要性について、多くの女性へ向け発信している。さまざまな金融商品を組合せることによって、“今の充実”と”将来の安心”のバランスを考えたライフプランニングを目指す。株式会社クレア・ライフ・パートナーズ所属。