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LIFESTYLE

2016.10.30

「そうだ、外国人いこう!」国際結婚の理想と現実2|新・香港ガイド

香港在住のスーれいなさんが「香港の今」を伝えてくれる連載です。

今回は先週に引き続き、アジア系アメリカ人のご主人と国際結婚にいたるまでのお話。

結婚相手に何を求め、何を求めなかったか

「どうしてスティーブに決めたの?」としばしば聞かれます。
コミュニケーションに支障がなかったこともありますが(スティーブの日本語はかなりのレベルで流暢なので、普段の夫婦の会話は日本語です)、結婚したいと思っていたときに「最初に声をかけてくれたから」に他なりません。身もフタもありませんが、ないんです(笑)。とはいえ、一応…判断基準はありました。

妙齢の女子ならやった事があるであろう、「結婚相手に求める条件の書き出し」(笑)。ご他聞にもれず、私もやってみました。が、たいして自分が何を求めているか分からず、一番役に立ったのは過去にお付き合いした人の共通点を考えることでした。そして導き出されたのが…「知的な会話」

振り返ってみると、昔の彼氏が、ソフトクリームを食べているときに、「水の熱伝導率」についてアツく語っており、それを「えー! そんなこと知ってるなんてすごい〜!」と感心して聞いていたのです。普通の女子なら多分引くであろう、つまらない会話、もとい、知的な会話が私にはツボでした。自分の知らない世界を話してくれるのが、すごく楽しかったのです。

スティーブと会ったときはこうでした。
私が「『都市伝説』って、英語で『urban legend』って言うんだね。直訳で、そのままの言葉があるって面白いね〜」と言うと、「まぁ、バベルの塔(※旧約聖書の中に出てくる、昔言語はひとつであったという話)っていうからネ」と答えました。「バベルの塔とか言ってる!!!」もはや私だけのツボだということは分かっていますが、その返答は大変ストライクゾーンでした。

もちろんスティーブとはバックグランンドが違うので、「エアマックス狩りって社会問題になったよね〜」という話をすることはできません。でも私にとってはそんな話はスーパーどうでも良くて、「日本人は村社会の性質があるヨネ」という自分なりの文化の考察や分析を話してくれる方がよっぽど面白かったのです。

顔も重視しておらず、身長も自分が低いのでどうでも良いことでした。お金は必要ですが、以前ファイナンシャルプランナーに取材をしたときに、世帯年収600万あれば都内で子供を2人育てられると聞きました。私も働きたいから、相手はじゃあその半分あれば良いかな。私は末っ子なので、お兄ちゃん体質の人が好きだから長男歓迎。もはや国籍も日本じゃなくていいし…と思ってみたら、意外とまわりにはたくさん素敵な人がいることがわかりました。ただし、今回において大事にしたのは、「知的な会話をしてくれる」こと、「向こうが誘ってくれる」こと。特に後者は、今まで自分が好きな人ばかりと付き合ってきて、痛い思いばかりしていたので重要でした(苦笑)。

そして…結果、国際結婚になった…だけなんです。

見た目は日本人、心は外国人

夫はアメリカ人いうと、みなさんどんな姿を想像しますか? 厚切りジェイソンさん? パックン? 違います。うちのスティーブは少し毛が薄めの台湾系アメリカ人なので、タレントで言うと温水さんのような感じです。出会った時40歳を過ぎていましたし、身長も170cmくらいでいたって標準的なおじさんです。

国際結婚だというと、「じゃあお子ちゃまはハーフだね♥ 絶対可愛い♥」と言われ、「いや、そういうんじゃないんで…」と答え、娘がお腹にいたときには標準よりもかなり重い推定体重だったのですが、お医者さんがカルテを見て「あ、ご主人アメリカ人なんですね! だからか」と言われ、「いや、そういうんじゃないんで…」と答え、そんなやり取りもしばしばです。

見た目は温水さんでも、心はしっかりアメリカ人のスティーブは、家事も育児も全部平等にやってくれます。いや、平等どころか、日本で私がフルタイムで働いていたときは、家事はほぼ、帰りが私より早かったスティーブがやってくれていました。「日本人の男の人はどうして奥さんに『手伝う』って言うの? はじめから責任は平等にあるじゃない?」と言って、自分で自分のシャツにアイロンをかけるスティーブには、いつも感謝の気持ちでいっぱいです。

私は土日に仕事があるときも多かったのですが、「外食は体に悪いから」と、あんまり栄養のなさそうなアメリカンなお弁当を作って持たせてくれました

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(写真/スティーブの作ってくれたお弁当。ピーナッツバター&ブルーベリージャムのサンドイッチとリンゴ、チーズ。「チーズはリンゴに挟んで一緒に食べるとおいしいよ」と衝撃のアドバイス)

出産後、退院した最初の週末には(娘が生後1週間目くらい)、私を外出させるため、娘の面倒見てくれ、「Enjoy!」と送り出してくれました。今でも、友人と夜外出するときは、早めに帰ってきてくれて、「Have fun!」と言ってくれます。この「Enjoy」だとか「Have fun」って、やっぱりすごく外国的だなぁと今でも思います。

以前はおしんのように男性に尽くしていた私は、はじめは恐縮していました。しかし、夕食後にコーヒーを作ってくれ、さらに牛乳か豆乳か、黒糖か白糖かを聞いてくる、心優しいスティーブにすっかり甘やかされ、亭主関白な人が好きだった過去はどこへやら。今ではスティーブが食事を取り分けてくれないとイラッとするまでに(笑) 成長(?)。人の志向って、変わるんだなと日々実感しています。

「そうだ、外国人いこう!」国際結婚の理想と現実3 につづく

初出:しごとなでしこ

スーれいな 香港在住エディター

モード系、コンサバ系のファッション誌の編集を経て、フリーエディターとして活躍中。国際結婚を機に香港に移住し、現地で地元フリーペーパーに執筆や、日本の女性誌のライター、翻訳を行う。只今、ノマド海外ライフを送りながら、二歳の娘の育児に奮闘する日々。


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