目標はカナダでCMOになることだった
カナダ出身の私は25歳でマクドナルドカナダに入社、世界中にあるマクドナルドの世界トップ10の国でマーケティング統括責任者・CMOになることが目標でした。中でも母国、カナダでCMOになることを目ざしていたんですが、会社は別の人を抜擢しました。でもそこで諦めず、ほかの国でのチャンスも視野に入れて頑張り続けたところ、39歳のとき、もうひとつのトップ10に入る国、日本でCMOになるという夢を叶えることができました。
30代のころはロシアにも赴任したり、「世界ハンバーガーマーケティング大学」の学長を務めて全世界のマーケティングに携わる社員の教育を手がけたり、シカゴ本社に出向してシンクタンク・プロジェクトにも参加。その後、日本のCMO、マレーシアやシンガポールエリアの経営責任者を経て、48歳で日本マクドナルの社長兼CEOに就任しました。30代で経験したことすべてが、今、日本での仕事に結び付いています。
だから、与えられたチャンスにはすべて「YES」と答えて挑戦してください。そして、もしチャンスの扉が閉ざされたとしても引き下がらず、執念をもってこじ開ける意気込みで。
忙しくても19時には仕事を終えて週末は仕事をしない
世界を駆け巡る多忙な日々でしたが、友達や家族との時間もおろそかにしてはいけません。友達は、人生を前進するときに傍らにいてくれて、正しい決断をするよう支えくれる人。目標を達成すれば祝ってくれ、失敗して心がバラバラになったときは、自分をつなぎとめてくれる存在です。私も年に2回はカナダの友人を訪ねたり、旅先で落ち合って一緒に旅行をしたりしていましたし、今でもこまめに連絡を取り合っています。人生は変化するものです。生涯大事にできる友達との関係を絶やさないようにしましょう。
また、忙しくても19時には仕事を必ず終えて、週末には仕事をしないよう心がけてきました。「家族とゆっくり時間がとれる」ときが来るのを待っていると、赤ちゃんや子供とすごせる大事な時間はあっという間に過ぎ去ってしまいますよ。
前回は新潮社出版部部長・コメンテーター・中瀬ゆかりさん(53歳)の30代は「恋に落ちて、編集長になって、子供を産まないと決めた」
次回は法政大学総長・江戸文化研究者・田中優子さん(65歳)の30代は「人生最後の充実期」
Profile
カナダ生まれ。’91年マクドナルドカナダ入社。マーケティングディレクターとしてロシアや日本、シンガポールを統括し、’13年日本マクドナルド代表取締役社長兼CEO、’14年より現職。
取材・文/酒井亜希子(スタッフ・オン)