突然ですが、産業医ってご存知ですか?
こんにちは。産業医の加藤杏奈です。といっても、産業医ってなに? という方も多いかもしれませんね。産業医は、学校でいうと、「保健室の先生」のようなイメージでしょうか。会社の中では、健康相談室にいることが多いと思います。産業医の仕事は「予防医学」。社員さんが大きな病気にならないように健康管理をするだけでなく、病気や怪我を仕事によって起こさないように職場環境までチェックしたりします。また病気で休んだ後、仕事にスムーズに復帰できるように就業制限や配慮を会社に提案することなども。日本では、50人以上の社員がいる企業では、この産業医を雇うことが法律で決められています(1000人以上の社員をかかえる企業では、専属常勤の産業医を雇います。)
さて、男女雇用機会均等法が制定されて30年が経ちました。ほんの15年前までは、女性は残業や深夜業が制限されていたんです。それが妊産婦を除いて撤廃され、女性の就ける仕事が増えました。晩婚化や、結婚しても働き続ける女性が増えて、いまや働く人の44%以上が女性です。男性との給与差は(男性を100として)72まで縮まり、女性の役職率も年々上昇しています。
日本には男女雇用機会均等法以外に、女性にとって良い法律や制度があります。男性より華奢な体格や、妊娠・授乳という男性にはできない能力を持つ女性を守るための基準があります。また、昨年は女性活躍促進法もできました。会社が法令をきちんと理解して対応していくのはもちろんですが、私たち女性自身が自分の健康に気を遣って、権利を適切に使えるようになりたいですね。
女性には年齢に応じて女性特有の様々なライフイベント(月経の開始、妊娠・出産、更年期など)や病気(生理痛、子宮頸がん、乳がん、骨粗鬆症など)の可能性があります。それらと上手に付き合いながら、女性がもっとキラキラと社会で活躍してほしい、そのためにも産業医や健康相談室を上手に使ってほしい。そんな想いでこのコラムを書いています。OLのあるある健康相談や、実はあまり知られていないプチ医療情報などを取り上げていきますね。
しごとなでしこの記事もよかったら読んでくださいね♪
加藤杏奈|産業医・労働衛生コンサルタント
産業医科大学医学部医学科卒業。東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻修了。専門は産業医学、予防医学、メンタルヘルス。産業衛生専門医。現在、某化粧品メーカーの産業医として勤務している。