梅は「三毒を断つ」万能食材
猛暑日には、水分と適度な塩分の補給が必須。そこで活躍しているのが「梅干し」ですが、梅には知られざる多くの効能があるんです! 日本最古の医学書「医心方」にも「梅は三毒を断つ」と書かれており、食物の毒・水の毒・血の毒を消すと言われています。
東洋医学の観点で、効能を見ていきましょう。
■1.真夏の不調や疲れに効く
暑気あたり、口の渇き、疲労感に効果があります。栄養学的には「クエン酸」や「リンゴ酸」による作用。梅干しはその一個で塩分とともに、疲労回復に必要な成分も摂取できる特効薬ですね。クエン酸は肩こりや腰痛、神経痛などにも効果があるほか、美肌作用やカルシウムや鉄の吸収を助けるなど、効能は多岐に渡ります。
■2.解毒作用で薬としても
民間薬としても昔から梅は活用されており、その抗菌性と整腸作用から、感染性の大腸炎(下痢)や腹痛にも効果が。吐き気どめにもなるので、乗り物酔いにも。
■3.お酒好きに嬉しい作用がたくさん
胃腸の働きを助け、さらには嘔吐・口の渇きにも効果があるので二日酔いにはもってこい! でも、できることなら二日酔いになる前に、焼酎に梅干しを入れたお酒や、梅干しサワー、梅酒などを飲んで事前対策を。(もちろん量はほどほどに!)
■4.収れんの作用で「漏れ」を防ぐ
「酸っぱい」という味覚は、漏れを防ぐ収れんの作用が。汗がダラダラと流れて出すぎている場合や、尿もれなどに効果を発揮します。
■5.のどの不調、風邪にも
のどの通りを良くし、咳を止める作用があり、さらにビタミンも含まれるので風邪の時にも。梅干しの入ったおかゆは、消化にいいだけでなく風邪の改善にも効果があったんですね。
梅干し、梅ジャム、梅酒など、この夏は意識的に「梅」を取り入れて見ては?
大木さと子
国際中医薬膳師・漢方アドバイザー。日本中医学院(旧・国立北京中医薬学大学日本校)卒。普段はメーカー勤務、よく食べよく飲むOL。ふだんメシをアップするinstagramにて、薬膳の情報も発信中。