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LIFESTYLE

2025.08.30

「家を買うなら、どこにこだわる?」ツレヅレハナコさん×建築士が語る“わたしにフィットする住まい”の見つけ方

「そろそろ家がほしい」そんな思いが芽生えたとき、選択肢はマンション? それとも戸建て? フルオーダーの一軒家を建てた文筆家・ツレヅレハナコさんと、数多くの集合住宅を手がけてきた建築士・渋谷篤さん。それぞれ異なる立場から住まいと暮らしを見つめてきたふたりが、“私らしい住まい”の選び方について語り合うトークイベントが開催されました。今回はその模様をお届けします!

キッチンに全振り! ツレヅレハナコさんの家づくり

–––––ツレヅレさんが5年前に建てた家は、注文住宅。建売の分譲住宅やハウスメーカーの定型プランから選ぶのではなく、建築家と相談をしながら、自分好みの家をフルオーダーしました。元々は中古マンションの購入を検討していたといいますが、注文住宅に転換した背景には、ツレヅレさんの並々ならぬこだわりが……。

ツレヅレハナコさん(以下、ツレヅレ):それまで住んでいた賃貸マンションもすごく気に入っていて、その1番の理由がキッチンだったんです。特に、コンロ横の小さな窓から入ってくる光が好きで、私はそれを“サイド光”って呼んでいるんですけど、それが教会の光のようにきれいで、お湯沸かしてるだけでもおいしそうに見えるくらい。その風景があまりに好きすぎて、マンションを買うにしても、“サイド光”を実現したかった。でも、それが叶う物件にはなかなか出会えませんでした。

渋谷篤さん(以下、渋谷さん):窓に関しては、中古物件を買うときに気をつけたいポイントの1つですね。なぜなら、リノベーションをするにしても、窓だけは自分で勝手に作れないんです。開口部だけは変えられないから、元々“サイド光”が作れる位置に窓が存在しないと、ツレヅレさんの理想は実現できない。

ツレヅレ:そうなんです。それでマンション探しに挫折しそうになったときに、家を買おうと思うきっかけをくれた建築家さんが、「戸建という考え方もあるかもしれませんよ」と提案してくれて、「家を建てる」というに方向に転換することになりました。とはいえ予算があるので、多少お金をかけてもこだわるところと、割り切って低予算で済ませるところの優先順位を明確にしなくてはいけない。そこで行き着いた答えは、「とにかく台所に全振りの家にしたい」でした。

最大公約数+αのマンションが、理想の暮らしに導くことも

–––––そうして完成したツレヅレさんの家は、2階の半分にあたる12畳がキッチン。“サイド光”を生み出すために、北側に作りました。空間はもとより、以前住んでいたマンションのステンレスキッチンも再現するために、業務用厨房機器を得意とするメーカーにフルオーダーするなど、予算も時間もたっぷりかけたこだわりの場所です。

キッチン

美しい“サイド光”が映える、ツレヅレハナコさんのこだわり空間 

ツレヅレ:建築家さん曰く、今は北側にキッチンを作る人ってほとんどいないそうなのですが、暗い場所じゃないと美しいサイド光は実現しないと分かっていたので、そこに迷いはなかったです。

渋谷:日本はちょっと“南向き神話”みたいな風潮がありますし、今はどちらかというと、リビングに面したオープンキッチンが主流なので、そうなるとやはり南側に作るケースが多いとは思いますね。

ツレヅレ:マンションは、現代の日本人の暮らしに合わせた住空間を考えた最大公約数的なものも多いから、私のような強いこだわりがなければ、それを選ぶもの手ですよね。

渋谷:そうですね。それに、設計者としては、最大公約数の中でもちょっとしたプラスアルファを加えることで、住む人の気持ちをグッと引き寄せたいという思いもあります。例えば以前手がけた物件だと、キッチンを南向きのコーナーに配置して、3面彩光の明るくて眺望も抜群の設計プランなんかも。思い描く“理想の家”が漠然としている人にも、自分たちのアイデアで、「そんな家もありかも!」と、背中を押してあげられたらと思っています。

制約の中で理想を実現するためには、頼れるプロをパートナーに

–––––「家を建てることは、自分と向き合う作業だった」とも語るツレヅレさん。壁紙から床材まで、すべて自分で決断しなくてはならない家づくりはなかなかハードでしたが、それでも完走できたのは、「信頼できる建築家さんがいてくれたからこそ」だといいます。

ツレヅレ:徹底的に建築家さんと話し合って、自分の好みややりたいこと伝え続けた上で、大体のものは候補を絞り込んでもらってから選ぶようにしていました。せっかくプロにお願いしているので、いい意味で利用させてもらわないともったいないと思ったんです。

リビング

「ホームパーティーができる家にしたくて」──そんな思いから、リビングは広く確保。

渋谷さん:設計者の立場からすると、ツレヅレさんのように、「キッチンが主役」と、しっかりコンセプトを持った方と仕事するのは、すごく楽しかったんじゃないかなと思います。一軒家とマンションでは、出来上がるものも違いますし、ターゲットも違いますが、いずれにしても大切なのはコンセプト。「どういう暮らしをそこでしたいか」というのを真ん中に置くと、きっと自分に合ったものが実現できるはずです。

ツレヅレ:私個人としては、やっぱり戸建にして良かったと思っていますが、マンションにしかできないこと、マンションだからいいこともありますよね。自分の中の優先順位をはっきりさせて、それを実現するためにはどの選択がいいのか、とことん自分と向き合うことが大切だと思います。

渋谷さん:ツレヅレさんのお話を聞いて、「本当に住宅って個性だな~」と、改めて考えさせられました。それほどの明確なビジョンがまだない人でも、家を選ぶための具体的なポイントを知ることで、「こうしたい」が見えてくることもあります。私たちがいいマンションの見極め方をまとめた本『本当に価値のあるマンションの見つけ方』には、理想の家選びのヒントもたくさん盛り込んでいるので、ぜひ参考にしてほしいですね。

『本当に価値のあるマンションの見つけ方─集合住宅設計のプロが語る「心地よさ」のカタチ』(小学館)

『本当に価値のあるマンションの見つけ方─集合住宅設計のプロが語る「心地よさ」のカタチ』

「マンションって、どこをチェックすれば“いい買い物”ができる?」建築家の視点から、間取り・環境・管理体制まで、知っておきたいチェックポイントをやさしく解説。マンション購入を考えている人はもちろん、いま住んでいる家を見直したい人にもおすすめです。

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文/坂本祥子

ハナコさん

ツレヅレハナコさん(文筆家・料理研究家)

食と酒と旅をこよなく愛し、食にまつわるエッセイやレシピ提案など、幅広く活躍中。家を建てる決心から家づくりまで、その詳細は、著書『女ひとり、家を建てる』(河出書房新社)に。

渋谷さん

渋谷篤さん(日建設計・設計監理部門ハウジングシステムグループ部長)

集合住宅やシニアレジデンスなど、分譲・賃貸を問わず多様な住空間を設計。
住まいの“本当に大事なこと”を詰め込んだ一冊がこちら。『本当に価値のあるマンションの見つけ方ー集合住宅設計のプロが語る「心地よさ」のカタチ』(小学館)

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発売中のOggi10月号にて、都市別・遠征先ホテルリストの記事に誤りがありました。
P.130に掲載しましたレム新大阪さんのサービス紹介で、ドリンクサービスのアイコンを載せましたが、こちらのホテルではドリンクサービスはごさいませんが、ロビーにティーバッグ等のご用意があります。
お詫びして訂正いたします。
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