本日のテーマは「最初の生命が生まれる確率はどれくらいか」です。
最初の生命って…?
まず、「最初の生命」について考えていきましょう。唐突に「最初の生命」と言われても、私たちはそれをわかったようでわかってないのです。
ちょっと目を閉じて(別に閉じなくてもいいですが…)、今ここにいる自分を起点とし、歴史を巻き戻して物凄い昔にタイムスリップしてみてください。人間→サル→(中略)→多細胞→単細胞→最初の生命。うまくタイムスリップできましたか?
そう、「最初の生命」とは本当の本当に、最初の生命のことです。
最初の生命はどこで生まれたのか論争
この最初の生命は一体どうやって誕生したのでしょうか。現在最も有力な説は「原始スープ説」と呼ばれるものです。地球が誕生し海ができた後、海中でほにゃららがほにゃららし生命が誕生したという説です。ええ、ええ、「ほにゃらら」って何やねんという感じですが、この部分は今もまったく解明されていないのです。
がしかし「何かそれっぽい」ということもあり、この海をスープに見立てた「原始スープ説」が今のところは生命誕生の起源とされています。
最初の生命が生まれる確率は1040,000分の1
ちなみにビック・バンの名付け親であり、世界的に超著名な天文学者だった故フレッド・ホイル博士によると、最初の生命が偶然生まれる確率は、なんと1040,000分の1だそうです。
あ、はい、念のため説明しますと、1040,000とは10×10×10×…というように、10が4万回かけられた数です。
ちょっと意味不明な世界に突入しているかもしれませんが、ええ、ええ、宇宙レベルの思考力や心の広さに到達するためには、こういった「どでかい数」に慣れなければいけません。すぐ慣れますので大丈夫です。ちなみに1億は108。こうしてみると1億円なんて全然大したことない額ですね。
で、この驚異的な確率の裏には、生命ができるのに必要な酵素を作るためのアミノ酸の配列を基とした、込み入った計算があるのですが、フレッド・ホイル博士は凡人の私たちにもわかるように、この確率の凄さを以下のように文学的に表現してくださいました。
「廃材置き場の上を竜巻が通過した後で、ボーイング747ジェット機が出来上がっているのと同じような確率である。」
この様子をちょっと想像してみてください。ええ、ええ、ここは想像力が試されるところです。…どう頑張っても飛行機どころか、iPhoneのような小さな機器だって出来上がることはないですよね。
そう、最初の生命がポロっと生まれる確率は、まったくもってゼロに等しいような確率なのです。
一度誕生した生命は勝手に増え続ける
ところがどっこい、生命というのは凄いもので一度生まれるとそこからは、ひたすら複製&生殖をすることで無尽蔵に増え続けます。ええ、ええ、それが今のこの生命があふれる地球の状態です。何だか生命力の素晴らしさを思うと共に、怖さも感じませんか。
ええ、ええ、人間に限定してみても、国連が発表している最新の世界人口予測によると、世界人口は2100年には100億人を突破するそうなのです。
この人口爆発の対応策として、火星移住計画が本気で検討されていますが、火星移住よりも少子化を促進する対策を急いだ方がいいような気がするのは私だけでしょうか。…宇宙与太話、まだまだ続きます。
【参考図書】
『YouもMeも宇宙人』いけのり著/東京大学名誉教授 松井孝典監修(地湧社)
『彗星パンスペルミア 生命の源を宇宙に探す』チャンドラ・ウィクラマシンゲ著(恒星社厚生閣)
いけのり
最先端のアストロバイオロジーを世界一緩く解説する『YouもMeも宇宙人』(地湧社)著者。一橋大学商学部卒業後、金融会社・楽天市場を経て独立し、オールジャンルでの執筆・編集業などで活動中。独り言サイト「いけのり通信(http://ikenori.com/)」の更新がライフワーク。