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2025.12.26

「貴殿」とはどんな意味?使い方や注意点と言い換え表現を解説

「貴殿」とは「あなた」を更に丁寧にした言葉です。書き言葉として、ビジネスシーンでは手紙やメールなどで使われています。本記事では「貴殿」の読みや使い方、類語、注意点などを解説します。

ビジネス文書の挨拶や、結びの文などで使われる「貴殿」という言葉。やや古風な表現で、近年使われる機会は減っているだけに、いざ職場で目にすると「どんな意味だっけ?」と戸惑ってしまうこともあるのではないでしょうか?

手紙では、相手の活躍や健康などをよろこぶ際に用いられる言葉なので、マナーとして覚えておきたいですね。本記事では、「貴殿」の意味やビジネスシーンでの使い方、「貴殿」を使う際の注意点などを解説します。

「貴殿」の意味

「貴殿」の読み方は「きでん」です。「きどの」や「きとの」とは読まないため、注意しましょう。続いて、辞書で意味を確認していきます。

「貴殿」の意味は「あなた」

1.[代]二人称の人代名詞。男性が目上または同等の男性に対して用いる。あなた。「―の御尽力の賜物と感謝しています」
[補説]もと、目上の相手への敬称として用いたが、のちに、同輩に対する親愛の気持ちを表す語としても用いるようになった。現代では多く手紙や文書で用いる。
2.[名]相手を敬って、その住宅をいう語。貴宅。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

働く女性

貴殿」は、二人称の人代名詞で、わかりやすくいえば「あなた」という意味です

「貴殿」は女性にも使える?

辞書によると、「貴殿」という言葉はもともと、男性が男性に対して使う言葉だったようです。主に目上の人に対して用いられる言葉だったものが、やがて親愛の気持ちを込めて、同輩にも使われるようになったとか。

ちなみに、女性の二人称の人代名詞が「貴女(きじょ)」。こちらも本来は身分の高い女性を指す言葉でしたが、時代が下るにしたがって、女性への敬意を示す言葉として手紙などで用いられるようになりました。

辞書の意味に則ると、男性は「貴殿」、女性は「貴女」ということになりますが、近年では男女問わず「貴殿」を使用する例も。

働く女性

どちらを使用すべきか迷った際には、シンプルに「〇〇様」と置き換えてもいいかもしれませんね。

地球と女性

(c) Adobe Stock

「貴殿」を使った例文

実際にビジネスシーンでは、どのように使用するのがふさわしいのでしょうか? 主に「貴殿」が使われる、手紙やメール、表彰などのシーンに分けて説明します。

貴殿におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

手紙やビジネス文書で用いる一般的なフレーズです。「あなたが以前にも増して、健康で幸せに暮らしていることをよろこび、お祝いいたします」という意味ですね。

フォーマルな文書では、まず相手の活躍や健康を祝う言葉を伝えることがマナーとされています。ちなみに、結びの文として使うのであれば「末筆ながら、貴殿のご活躍をお祈りしております」などと表現するといいでしょう。

今回のプロジェクトに関しまして、貴殿のお力添えを賜りたく存じます。

個人へ向けたメールにも、「貴殿」が使われることもあります。プロジェクトやセミナーなどへの参加を呼びかける際や、事業に協力して欲しい旨を伝える際にも有効です。「貴殿のお力添え」と表現することで、相手の能力を評価し、頼りにしているといった気持ちが伝えられるでしょう。

貴殿のこれまでの功績をたたえ、感謝状を贈ります。

社内表彰する際にも、「貴殿」が使われます。会社に多く貢献してきた社員へ、労いの気持ちを込めて、このように伝えると喜ばれるでしょう。相手への敬意が感じられる言葉ですね。

貴殿の益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます

「貴殿」は、目上の方や社外の方に対する書き言葉として使用されることも多いです。一般的には「お祈り申し上げます」「心よりお祈り申し上げます」などの言葉を続けて使われます。なお、会社全体に向けて使う場合は「貴社の益々のご発展(ご隆盛)をお祈り申し上げます」という表現になります。

メモ帳と男女
(c) Adobe Stock

「貴殿」を使う際の注意点

続いて、「貴殿」を使う際の注意点を見ていきましょう。

近年は女性に使うこともあるが、様付けが無難

「貴殿」という言葉を女性に対して使うこともあります。本来であれば、「貴殿」は男性から目上の男性に対して使うため、女性に対して使えるのかという疑問もあるでしょう。

近年、女性に対しても「〇〇殿」などの呼び方がされるようになりました。その影響で「貴殿」も、性別に関わりなく使用されるようになってきたようです。ただし、由来を考えて女性に対して使うべきではない、との考えを持つ人も一定数います。

働く女性

「〇〇様」や「貴女」など、他の言い方を選ぶと無難でしょう。

目上への使用は正しいが、好まない人も

本来「貴殿」は、目上の人に対する敬意を表す言葉でしたが、時代が変わるにしたがって、同等の立場の相手にも親愛の情を込めて使われるようになりました。しかし、人によっては見下されたと感じる可能性があるため、取引先や顧客などに使う際は配慮が必要です。

また、「貴殿」にはすでに敬意が含まれているため、さらに「様」を付けることは誤りです。迷ったときは、「〇〇(名前)様」という形で敬意を示すのが無難と言えるかもしれませんね。

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「貴殿」を使う際は、相手に配慮し誤解を生まないように気を付けましょう。

文語のため話し言葉としては使わない

文語的な表現である「貴殿」は、話し言葉では使いません。基本的に、手紙や公的な文書などで使用される言葉です

働く女性

話し言葉として同じ意味の内容を伝えたいときには、「◯◯様」や「◯◯課長(役職名)」などと表現しましょう。

「貴殿」の言い換え、4つの類語

「貴殿」の言い換えには、「あなた」「先生」「貴台」「貴社」の4つの類語があります。類語とはいってもニュアンスが異なるため、言い替えをする際には相手の立場やシーンに合わせて使い分けてみてくださいね。

メールと男女
(c) Adobe Stock
「貴殿」の言い換え 4つの類語
  1. あなた
  2. 先生
  3. 貴台
  4. 貴社

あなた

「あなた」も「貴殿」の類語のひとつです。「あなた」を漢字で表すときは「貴方」と書きます。「貴殿」とは対象となる相手に対する敬意の大きさが異なっており、「あなた」の場合は自分と同じくらいの立場か、目下の相手を表す敬称となります。

「あなた」はもともと、相手への尊敬を込めて呼ぶ話し言葉でした。しかし、現代では敬意の念は薄れており、対等の相手か目下にあたる相手に対して、丁寧さと親愛の念を含む敬称となっています。

先生

「先生」も「貴殿」と言い換えができる類語です。専門の知識や資格、スキルを持った相手に対して、ビジネスの場などで使われることがあります

この表し方をするかどうかは、企業ごとの文化によっても異なります。「先生」とよく呼ばれることがある例としては、企業に対してその力を発揮してくれる、弁護士や会計士、医師などです。

貴台

「貴台」も「貴殿」との言い換えができる二人称で、「きだい」と読みます。主に、手紙文で用いられるところが特徴。「貴殿」と比べると、より敬意の念が強く込められている言葉です。男女での使い分けの必要性は、「貴台」のほうが薄くなります。

貴社

「貴社」の読み方は「きしゃ」。企業に対して使う言葉であり、「敬意を持っている相手が所属している会社など」を表わしています。

なお、「貴社」は「貴殿」と同じく主に書き言葉として用いられます。会話の中で表現する場合には「御社(おんしゃ)」を選んだほうがいいですね。

「貴社」が話し言葉としてあまり使われない理由は、その音にあります。「きしゃ」で思い浮かべるものには「帰社」や「記者」などもあるでしょう。漢字がわからないまま「きしゃ」とだけ聞くと、ほかのイメージを持ってしまいやすいもの。話が理解しにくくなってしまうため、話し言葉としては避けられているのです。

「貴殿」の反対語

「貴殿」は相手を敬う言葉です。その反対語としては自分をへりくだって指す言葉である「私」のほか、あまり聞きなれないかもしれませんが「小職」が挙げられます。

私(わたくし)

自分自身を指す言葉として使われます。敬語・フォーマルな表現 「わたし」よりも丁寧で改まった言い方です。「わたし」よりも謙譲のニュアンスが強く、男女を問わず使用されます。

小職(しょうしょく)

役職を持つ人(主に男性)がへりくだって使う表現。元々は官職にある人の言葉でした。同等以下の相手に使用するのが原則ですが、硬い印象を与えるため、最近は「私(わたくし)」で統一する方が無難とされる傾向があります。

よくある質問

「貴殿」について、ビジネスシーンでよくある質問とその回答を紹介していきます。

Q. 「貴殿」は失礼ですか?

相手によっては「やや不遜(見下している)」と感じられたり、「硬すぎる」と違和感を持たれたりすることがあります。「〇〇様」「役職名(部長など)」「〇〇部長様」を使う方が良い場面もあります。

Q. 「貴殿」を女性から男性に使えますか?

辞書では、「貴殿」は「男性が目上または同等の男性に対して用いる」言葉と定義されていることが多く、書き手も読み手も男性であることが前提とされてきました。そのため、女性から男性に使用しても文法的に間違いではありませんが、一般的には避けるのが無難です。

Q. 「貴殿」と「貴職」の違いは?

どちらも相手を敬う二人称ですが、貴殿はおもに男性に使用される言葉で、貴職は役人、公務員など、官職や高い役職にある人に対して使用されます。

Q. 「あなた様」の言い換え表現は?

相手の名前や役職がわかっている場合は、それらを使う方がより自然で丁寧です。例えば「(名前)様」「(役職名)様」「(名前)殿」と表現するのが良いでしょう。

最後に

◆「貴殿」は相手を敬う二人称であり、男性が目上または同等の男性対して使用する言葉

◆相手の名前や役職が分かる場合は「(名前)様」「(役職名)様」と表現するのがベター

◆「貴殿の益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます」というフレーズで使用されることが多い

目上の人に対する尊敬の意を含めた二人称である、「貴殿」。「男性が目上または同等の男性に対して用いる」言葉とされているため、女性から男性に使用するのは一般的には避けるのが無難です。

本記事で紹介した注意点も踏まえて、適切な場面で使ってみてください。ビジネスシーンでは、仕事相手や取引先の名前を呼ぶ機会は多いもの。状況に応じて、類語である「あなた」や「貴社」などを使い分けてみると、表現が広がるでしょう。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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