独占欲とは
独占欲が強いパートナーのために、仕事や私生活に支障をきたして困るという人もいるのではないでしょうか。また逆に、「自分が相手を束縛していないか」が心配になる人もいるでしょう。
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独占欲について深く見ていく前に、まずは言葉の意味について明確に把握しておきましょう。
独占欲の意味
独占欲とは、特定の相手や物を独り占めしたいという欲求のことです。これは老若男女関係なく誰でも持つ欲求です。
「兄弟や群れの中で餌をより多くもらいたい」「愛情をより注いでもらって安全性を確保したい」といったように、動物が親に対して独占欲を発揮するのはよくあることです。独占欲は生きるための原動力であるものの、人間社会において強すぎる独占欲はトラブルを起こすことがあります。
独占欲が生まれる原因とは?
そもそも「相手を独占したい」という気持ちはどこから生まれるものなのでしょうか。独占欲の強さは、環境や過去の体験にも起因するといわれています。どういうことなのか、具体的に解説します。
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過去のトラウマ的体験
過去の苦い経験が、独占欲を強くしている場合があります。
例えば、恋人やパートナーに浮気され、捨てられた経験により、相手のことを信じられなくなっているというケースです。心に傷を負うほどの経験によって相手が信用できなくなり、束縛が強くなってしまうことがあります。相手の行動を逐一把握しておきたい、相手が異性と接するのを過度なレベルでやめさせたいといった態度につながることもあるでしょう。
愛情から
小さい頃のコミュニティ形成のプロセスが関係する場合もあるようです。両親が忙しく、あまり構ってもらえなかったという体験から愛情に飢えてしまい、独占欲が強くなってしまうこともありえます。
こうした幼少期を過ごすと、大人になっても「愛する人を独占したい」「自分だけを見てもらいたい」という気持ちが強くなってしまうのです。
相手には自分が必要という思い込み
「この人には自分が必要だ」という思い込みが、独占欲に転化してしまうこともあります。「相手は自分がいなければ何もできない人間だ」「自分がなんとかしてあげなければ」という気持ちが強く出てしまい、相手をコントロールしようと過干渉をしてしまうのです。
一見すると「相手から信頼を得ている」という自信の表れのように思えますが、実は真逆で「相手が自分を必要と思い込むことで、自分の存在価値を承認している」というパターンも存在します。
相手を独占したい、拘束したいという気持ちは、束縛していなければ相手がどこかに行ってしまうのではないかという不安の表れでもあるのです。
独占欲が強い人には、どんな特徴がみられるの?
独占欲が強い人は、次のような性格が見られる傾向にあります。
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感情的になりやすい
相手に迷惑をかけてしまうほど独占欲が強いということは、「自身の感情や欲求がコントロールできていない」とも言えます。感情的になりやすい人ほど、独占欲が強くなる傾向も見られるようです。
例えば、ささいなことですぐ大声を出してしまったり、物に当たったりすることがあります。こうした行動によって相手を萎縮させ、自分のコントロール下に置こうという行動を無意識に選択しているケースもあります。
プライドが高い
プライドが高い人は承認欲求が強く、自己肯定感が高い人でもあります。それは「自分を否定されるのを嫌う」と言い換えることもできます。
パートナーが自分以外の異性と親しくしたり、自分のことをあまり見ないという行動は、プライドをとても傷つけられることなのです。そのため、自分に目を向けるべき、自分をもっと肯定すべきという思考が、独占欲につながります。
歪んだプライドを持つ人は、パートナーのことを所有物のように扱うこともあります。自分の手元に置いておきたい、そばにいて当然という思い込みが、束縛につながってしまうのです。
自分の好みを押し付ける
相手と自分の好きな物を共有したいというのは自然な感情です。自分と同じ趣味や考えを共有してもらうことは、相互理解を深めるとともに、相手と過ごす時間と密度が増すということでもあります。
一般的な感覚であれば、相手が嫌がっているものまで押しつけようとは思わないでしょう。しかし、独占欲が強くなりすぎてしまうと、相手の好みにかかわらず、自分の好き嫌いや趣味、価値観を押しつけてしまうことがあるのです。
こうした好みの押しつけは、パートナーとのトラブルに発展することも多くあります。
支配欲や嫉妬心が強い
独占欲が強い人ほど、支配欲や嫉妬心が強い傾向にあります。独占欲が強い人ほど自他の境界が曖昧になりがちで、相手も自分の一部のように扱ってしまうのです。相手を自分の完全な監視下においたり、把握していないと気が済まなくなってきます。
そのように「相手が自分の支配下にある」ということが、独占欲の強い人達にとっては一種の安心感につながります。そのため、想定外の行動を取られたり、自分の所有物であるパートナーが他の誰かと親しくしたりするのを嫌います。
そういった傾向から、独占欲が強い人は嫉妬心が強く、まったく問題にならない行動や何気ない仕事上の会話にすら、嫉妬することがあり得るのです。
行動を把握したがる
相手の行動を何かと把握したがる特徴もあるでしょう。メールやLINEの履歴を見たり、SNSをチェックしたりといったことを頻繁に行うのです。
パートナーが外出するときも、外出先や時間をいちいち把握しなければ気が済まないようになります。独占欲が強い人にはしばしば、こうして相手の行動を全て把握しようとする傾向が見られるのです。
そして、自分が把握していない行動や気に入らない行動があると、不機嫌になったり声を荒らげたりすることもあります。
独占欲が強い人の心理
独占欲が強すぎる場合、対人関係や生活においてトラブルをきたすことがあります。なぜ、それほどに強い独占欲を抱いてしまうのでしょうか。その心理に迫りましょう。
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相手を信じきれない
過剰な束縛や相手の行動を逐一把握したいという傾向は、相手を信頼できていないということでもあります。パートナーのことを信じていれば、過度な束縛は必要ありません。
過去に裏切られた経験や愛情を注いでもらえなかった経験から相手を信じ切れず、自分の支配下に置こうとしてしまうのです。
自分の所有物
パートナーを自分の所有物であるかのように扱う男性もいます。自分の物なので、支配下に置いておきたい、独占したいと思うのは彼らにとって当然のことなのです。
こうした人にとって、パートナーの存在は1人の人間ではなく、社会的ステータスや世間体のためであることも多くあります。また、所有物と思っている相手が自分以外の物になるのを嫌うため、異性と親しくしたり、自分に反抗したりするのを嫌うのです。
自分を傷つけないため、身勝手なプライドから相手を独占しようとしているパターンもあります。
愛情を確認したい
子どもが駄々をこねたり、親に対して無茶な要求をするのと同じです。過剰に束縛したり過干渉気味に接することで、相手の目を自分だけに向けさせたい、自分に注目させたいという心理が強く働きます。
「この人は自分のことを愛してくれている」という確認が欲しいために、相手を独占しようとするのです。こうした人は依存心が強く、精神的に依存してもいい相手を常に探しています。
見分け方はある?
独占欲の強い人は付き合い方を間違えると、仕事や私生活で大きな支障となってしまう可能性が高くあります。そうした人をあらかじめ見抜くことがとても重要ですが、そのためにはどうしたらよいのでしょうか。具体的には次のポイントに注目しましょう。
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友達があまりいない
仕事でもプライベートでも、人間は色々なものに頼って生きています。自立心の強い人やコミュニケーション能力が高い人は、色々な人に少しずつ頼って生きているものです。
友だちの少ない人は頼る相手が少ないため、1人あたりを頼りにする割合が大きくなります。こうした人との付き合いは、さまざまな役割をこなすことを一度に求められます。また、過去の人間関係が希薄だと、自分に好意を向けた数少ない者に執着するようになるのです。
そして友だちが少ないということは、身近な人間に距離を置かれている可能性もあります。そうした人はやはり、自分と接してくれる数少ないパートナーに対して依存心が強く、支配欲や独占欲といった感情を過剰にぶつけてしまうことがあるのです。
これといった趣味がない
趣味がある人は、それに没頭する時間や精神的余裕があるので、人を独占したいという欲求が少なくなります。
一方、趣味がない人は持て余した時間に恋人やパートナーのことを考える時間が増えます。相手が今何をしているのかが気になるあまり、連絡回数が増えたり詮索したりする時間が多くなり、それが独占欲へと発展してしまう可能性があるのです。
また、趣味がない人は相手への依存度・優先度が高くなりがちで、それを相手にも求めてしまうことがあります。すぐに連絡を返すことを要求したり、休日は趣味より自分を優先することを強いてしまうようになり、それが束縛や独占につながり、トラブルに発展してしまうのです。
上手な付き合い方
独占欲が強いこと自体は悪いことではありません。独占欲を抑えて、パートナーを尊重するようになれば理想の相手になってくれる可能性もあります。重要なのは、感情が行きすぎないようにうまくコントロールしながら付き合うことです。
独占欲が強い人とうまく付き合うには、どのような点に気を付けるべきでしょうか。詳しく解説します。
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愛情表現を欠かさない
独占欲が強さは、幼少期にあまり愛されなかったことが原因の場合もありますし、自分の愛情に対し、相手の愛情が乏しいと感じた場合に不満が生じ、嫉妬や束縛の行動につながることがあります。
そのため、独占欲の強い人とうまく付き合うには、愛情表現を欠かさないことが重要になります。日頃から感謝を伝えるようにしたり、愛しているという言葉をストレートに伝えたりしましょう。
また、人は抱きしめられることで安心を得ることができます。手を握る、抱きしめるといったスキンシップの回数を増やすことで、独占欲を落ち着かせられるようになるでしょう。
自信を持たせる
相手の行動を把握したい、監視下に置きたいと思うのは、自分に自信がなく、放っておけばパートナーが自分から離れてしまうという不安があるからです。こうした人は自信を持ってもらうことで、パートナーと適正な距離感を取り戻すことができます。
普段から褒めてあげることも重要ですが、趣味や遊び、仕事などで何かを成し遂げさせて自信を持たせるのもよいでしょう。他者から承認されないために、唯一承認してくれる相手であるパートナーに依存してしまっているケースも考えられます。
他人からも褒めてもらえるようになれば自然と承認欲求が満たされ、依存度も下がっていくでしょう。
自分の意見を正直に伝える
独占欲の強いパートナーに合わせて付き合おうとすると、こちらの方が参ってしまいます。また、依存心や独占欲は、相手が要求に従うほど高まっていく傾向も見られます。相手の意見ばかり聞き入れていると、気がつくと両依存の関係になっていることも少なくありません。
相手の意見を一方的に聞き入れるのではなく、自分の意見を正直に伝えることも必要です。
「1人の時間が必要」「この日は趣味や勉強に使いたい」「友人とも遊びに行きたい」といった自分の欲求を相手に伝えて理解を求めましょう。距離を空けることが帰って相手の独占欲を減少させ、お互いにとってよい方向に働くこともあります。



