高さ4m、幅20mの巨大スクリーンで体験するイマーシブ映像

会場に入ると、まず目を引くのが高さ 4m、幅 20m を超える巨大なワイドスクリーンシアターが登場。ここで上映される約 35 分のイマーシブ映像では、『ポーの一族』(萩尾望都)、『BANANA FISH』(吉田秋生)、『BASARA』(田村由美)といった20 世紀を代表する名作から、『柚木さんちの四兄弟。』(藤沢志月)、『主人恋日記』(吉永ゆう)など令和のベツコミを盛り上げる作品まで、計16作品の名シーンに没入できます。
三面モニターをめいっぱい使った映像は、コマ割りや描き文字といった漫画らしい表現を活かしながら、まるで自らがページをめくっているような感覚を演出。効果音と音楽が響き渡る空間で、かつて夢中になって読んだあの名シーン、心に残るあのセリフが新しい形で蘇ります。初日には涙を拭う来場者の姿も見られ、作品への想いの深さを感じさせる空間となっていました。
貴重な生原画と制作過程を公開する展示エリア

「イマーシブゾーン」を抜けると、制作の裏側に触れられる「体感ゾーン」へ。ここでは、プロットからネーム、下書き、ペン入れまでの制作工程を追える資料が展示されています。特に注目したいのが、作画風景をタイムラプスで撮影したドローイング映像。線やホワイトの入り方、着色など、それぞれの作家ならではの技法を垣間見ることができる貴重な機会です。
続く「原画ゾーン」では、50作品以上の生原画と複製原画を展示。「絆」「気高さ」「きゅん」という 3つのテーマごとに構成された空間には、印刷では伝わらない筆圧の強弱、ホワイトの盛り上がり、細やかな色表現まで、間近で確認することができます。一本一本の線に込められた作家の情熱と技術を、その目で確かめてみてはいかがでしょうか。

展示の終わりには、『僕等がいた』『BANANA FISH』の名シーンの中に入り込めるフォトスポットも用意されています。また、先生たちの直筆コメントとイラストが見られるメッセージボードも設置。会期が進むにつれて、ボードが埋まっていく様子も楽しめそうです。

ここでしか手に入らない限定グッズも充実
会場では、『ベツコミ 55周年 公式図録』(会場限定カバー付き)をはじめ、名作たちをデザインしたポーチやアクリルグッズ、デジタルサイン入りの複製原画、キャラクターの等身大パネルなど、アニバーサリーにふさわしいオリジナルグッズを販売。
さらに、税込 3,000 円分を購入するごとに、「チケット風クリアカード」全14種からランダムで1枚がプレゼントされます。グッズはイベントチケットなしでも購入できるため、お土産や記念品を探しに立ち寄るのもおすすめです。
青春時代を彩った作品たちとの再会を

1970年に『別冊少女コミック』として創刊され、2006年に『ベツコミ』へとリニューアルした同誌。55年という歴史の中で、少女漫画の枠を超えた壮大なスケールと深い物語性を持つ作品を数多く世に送り出してきました。
かつて少女漫画に夢中になった日々、作品から教わった恋愛や友情、人生の大切なこと。そんな思い出を呼び起こす展示会は、10月13日(月・祝)までの期間限定開催です。大人になった今だからこそ感じられる、少女漫画の価値を再発見する機会となるでしょう。
「ベツコミ 55th ANNIV. BEYOND THE PAGE 好き、のつづき。」開催概要
会期:2025年10月3日(金)~10月13日(月・祝)
会場:LUMINE 0(ニュウマン新宿 5F)
開催時間:平日 11:00~20:30/土日祝 11:00~20:00
※最終日(10/13):11:00~15:00
チケット料金
前売り:一般 2,900 円、学生 2,000 円、高校生・中学生 1,300 円
当日券:一般 3,200 円、学生 2,300 円、高校生・中学生 1,500 円
※小学生以下無料。全日程日時指定制。価格は全て税込。