出口夏希さんと JURIN(XG)さんがグラースで「シャネル N°5」の原点を探る

南仏コートダジュールの香水づくりの聖地、グラースに 広がるシャネルの専用農園で、「シャネル N°5」のフレグランスづくりを学ぶイベントが開催されました。日本からは、女優・モデルの出口夏希さんと歌手のJURIN(XG)さんが参加。
「シャネル N°5」フレグランスづくりの舞台裏

フレグランス界に革命を巻き起こしたと言われる「シャネル N°5」は、これまでガブリエル シャネルによる斬新なコンセプトとネーミングから、合成香料のアルデヒドを配合した斬新なフォーミュラ、ミニマルなボトルデザインまで、様々な側面が語られてきました。しかし今回シャネルが発信したのは、香りづくりを支える比類なきサヴォアフェールと、各工程に携わる人々が織り成す、バリューチェーン。
N°5の主役であるジャスミンの収穫期にあわせ、“花からボトルまで”をキーワードに、複雑な過程の奥深さと、クリエイションに携わる人々55 人の声をグローバルに紹介しました。
中でも特に参加者の興味を引いたのが、シャネルのフレグランスに携わる人々55 人の声を一堂に集めた「55 VOICES」。シャネルはこの「55 VOICES」を通じて、目に見えぬ職人たちの技を称賛。調香師や化学者、アーティスティックディレクター、摘み手といった多くの人々が、独自の方法でシャネルのフレグランスを生み出す一助となっていることを讃えています。
シャネルは“花からボトルまで”の工程をすべて自社で行う、唯一のブランド

1921年にガブリエル シャネルが調香師エルネスト ボーに「女性そのものを感じさせる、女性のための香水を創ってほしい」と調香を依頼した際、唯一の条件は最も美しい原料を使うことでした。そこで彼が選んだのは、“グラースのジャスミン”と呼ばれる、特別なジャスミン(学名グランディフロラム)。フレッシュかつ官能的で、他の成分に左右されずに安定した香りを放つ花です。それ以来シャネルは当初のフォーミュラに忠実に N°5をつくり続けていますが、1970 年代末になると地域開発の影響で不動産業者による農地の買収が続き、グラースでもジャスミンの栽培キャパシティが脅かされるようになりました。
シャネル N°5 パルファム30mlボトルには1000輪のジャスミンの花が必要ですから、原料の確保は必須。そこで 3 代目シャネル専属調香師ジャック ポルジュは、当地で代々フレグランス用の花を栽培する大手農園、ジョゼフ ミュルが率いるミュル家とのパートナーシップを結び専用農園をつくることに。
そしてシャネルによる取り組みは、原料確保の現状維持よりもさらに先へ。収穫された新鮮な花々のクオリティを最大限に活かしてエッセンスを即時抽出できるよう、工場を敷地内に設けるに至りました。
出口夏希さんとJURIN(XG)さんも花の手摘みを体験!

ふたりはまず早朝に花畑に出向き、ジョゼフ ミュルの孫で現在栽培を司っているマリカ氏と共に、花の手摘みを体験。そしてシャネルの4代目専属調香師であるオリヴィエ ポルジュ氏に対面し、複数のジャスミンの香りや N°5のバリエーションを試しつつ、話に聞き入りました。摘みたてのジャスミンが集まる計量場を眺めた後は、工場の見学へ。

最後に、フレグランスづくりに携わる55人のポートレートと言葉をまとめたポスター、ポッドキャスト、シャネルの卓越したサヴォアフェールを支える道具に焦点を当てた冊子などが詰め込まれたギフトを受け取り、この特別なイベントは幕を閉じました。
イベントを終え、出口さんは「一人ひとりがたくさんの時間をかけて手作業でつくっていることが印象的でした」とコメント。JURIN(XG)さんは「シャネル N°5の永遠に変わらないけれど、変わり続けるところに魅力を感じました」と語ったそう。
伝統を継承し、いつまでも変わらない香りを届けるためにシャネルが続けてきた努力と、それを支える人々の卓越したクリエーションに心を動かされる、そんなかけがえのない時間になったようです。

Oggi編集部
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