年齢と共に気になり始める白髪。抜く、抜かないや、白髪を増やさないための方法など、白髪に関する興味関心は尽きないところ。自分はまだまだ…いや少し来てる!?などなど、女子会で話題になることもしばしばですよね。
というわけで今回は、デミ コスメティクスでインストラクターとして13年カラー講師の活動を行い、現在はPRとして活躍する菅野麻衣さんに、白髪染めに関するいろいろなお話を伺ってみました。
Q:ヘアカラーと白髪染めは一緒って本当ですか?
ヘアカラーと白髪染めは、基本的には成分は同じです。ヘアカラーの染料が濃いものや、ブラウン系の色みが多いものが白髪染めとして使われていることがほとんどです。
ヘアカラーは大きく3つに分類されます。
① アルカリカラー
1剤と2剤を混ぜて使うもので、通常1剤にアルカリ、2剤に過酸化水素が配合されていています。これらを混ぜ塗布することで、髪のメラニンを削りながら髪の内部に染料を定着させ染めていきます。
サロンで使われているカラーリング剤やドラッグストアで売られている、染める際に薬剤を混ぜて使うヘアカラーのほとんどがアルカリヘアカラーです。
アルカリヘアカラーは、髪へのダメージや頭皮への刺激のリスクがありますが、色の種類が豊富で、明るくしたりキレイな色に染めることができるのが特徴です。
② ヘアマニキュア
一般的なヘアカラー(アルカリカラー)で使うカラー剤は、髪のメラニンを削って色が入る仕組みなので、ある程度の髪への負担は避けられません。
ですが、ヘアマニキュアの場合は、髪の表面だけに染料を吸着させるため、黒髪に染めると色が見えにくいですが髪を傷めずにカラーリングをすることができます。
髪の表面に色素を吸着させ、カラー剤で覆う染め方のため、通常のヘアカラーよりもハリやツヤが出やすく、髪や頭皮への負担が抑えられるので、敏感肌の方にはおすすめです。
ヘアマニキュアは、髪の表面に染料をコーテイングするだけなので、色が鮮やかには出にくく、他のカラーに比べ、毎回のシャンプーで特に色落ちしやすいというデメリットもありますが、気分転換に髪色を頻繁に変えたいと思っている方にはおすすめです。
白髪は髪のメラニンが無くなり明るくなっているため、ヘアマニキュアの色味を活かすのには好都合です。
③ ヘナカラー
ヘナカラーとは、ミソハギ科の植物・ヘナの葉を染料とする、天然のヘアカラー剤の1つ。白髪染めに使われることが多いカラー剤です。
髪や地肌に優しく、高いトリートメント効果も期待できるので、髪の傷みが気になる方や、頭皮が敏感な方にもおすすめです。
色の種類は純粋なヘナになるとオレンジの1種類しかないため、「インディゴ」という染料を混ぜて茶色のバリエーションを作っています。また、他の染料と混ぜて色幅を増やしているものもあります。なるべくナチュラルなものを使いたいと思っている方にはおすすめです。
左:アルカリカラーで染めた髪の断面、右:ヘアマニキュアで染めた髪の断面
大きく分けて3つのヘアカラーがありますが、自分が染めたい髪色や、仕上がり、髪質や肌質でお好きなものを選んでみてはいかがでしょうか?
Q:白髪染めをするのに良いタイミングはありますか?
主に、白髪が気になり出すタイミングは、髪の分け目や顔まわり、もみあげなどの目立つ部分に白髪が増えてきたときが多いようです。カラーをするタイミングに「ここがいい!」という基準はありませんが、白髪が気になってきたら染めるのが一番です。
頭皮や髪のダメージが気になるようでしたら、サロンで美容師さんに相談してみましょう。
プロにカラーリングをお願いするメリットは、キレイに染まるだけでなく、その人の頭皮や髪の状態に合わせて、適したカラー剤を選んだり、豊富な経験から肌色やなりたいイメージに合わせて色の選定をしてくれるところにもあります。
Q:カラーシャンプーやカラートリートメントはヘアカラーとどう違いますか?
カラーシャンプーやカラートリートメントは、ヘアマニキュアに近い存在です。髪の表面に徐々に色を定着させるものなので、使うのをやめると色はすぐに落ちていきます。
マニキュア同様、元々色を持たない白髪の場合はキレイに発色しますが、髪の表面に着色するだけなので、黒髪の変化はありません。
カラートリートメントで染めた髪 画像提供/スタージュ株式会社
注意して欲しいのは、インターネット通販などで購入できる、金属性の色素が含まれたカラー剤です。一度金属性の色素で髪を染めると落とすことができません。さらにその後、アルカリカラーでカラーリングをすると、カラー剤と化学反応を起こして髪色が変色する場合があります。
サロンに行く合間に自宅でカラーリングをした場合は、どのメーカーのヘアカラーを使ったのか、必ず美容師さんに伝えるようにしてください。
Q:髪の悩みは細かく美容師さんに伝えることが美しく仕上がるポイント!
ヘアカラーを美しく仕上げるには、普段気になっていることを美容師さんに伝えることも大事です。細かいことを言ったら迷惑かな?と思わずに、「分け目が気になっています」「光が当たった時に白髪が光るのが気になります」「老け顔に見えない色ってありますか?」など、感覚的なことでもいいので具体的に伝えることで、ひとりひとりのお悩みにあわせた最善のカラー提案をしてくれます。
以上、白髪とずっと向き合ってきたプロ、菅野麻衣さんに、Oggi世代の白髪の悩みをぶつけてみました。
ヘアカラーと白髪染めの違いは染料の濃さの違いということがわかりました。自宅でカラーリングする派の人も、サロン派の人も、髪質や髪の状態からヘアカラーの種類を選ぶことが重要であることがわかりました。
次にカラーリングをする際は、自宅派の人は成分をよく確認し、サロン派の人は担当してくれる美容師さんに気になることを細かく相談をするのがよさそうですね。
TOP画像/(c) Adobe Stock
デミ コスメティクス デジタルマーケティング部 PR 菅野麻衣(カンノマイ)
約6年間、都内で美容師として活動後、2007年に日華化学株式会社デミコスメティクスへインストラクターとして入社。約13年間に渡り、カラー・パーマなどのケミカル分野からヘッドスパや頭皮・皮膚知識まで幅広い美容師向け教育を国内外にて行う。長年培った知識を活かし、現在は、PR・広報担当として活動中。