【働く私にMusik】グループ初のオリジナルアルバム『Parade』を深堀り!
Guest Musician:MAZZEL(マーゼル)
2023年、オーディション番組『MISSION×2』からデビューした新世代のダンス&ボーカルグループ。異なるバックグラウンドをもつ多種多様な8人のメンバーの個性を掛け合わせて生まれる、ハイクオリティなパフォーマンスと独自の世界観が注目を集めている。
MAZZELの軌跡
2023年3月オーディションドキュメンタリー番組『MISSION×2』にてグループ結成メンバーを発表。プレデビュー曲『MISSION』を配信リリース。5月デビューシングル『Vivid』をリリース。12月「TOWER RECORDS MUSIC 2023 年間再生ランキング」、「レコチョク年間ランキング2023」の各新人アーティスト部門で1位を獲得。2024年3月初のオリジナルアルバム『Parade』をリリース。
1stアルバム『Parade』をひもとく3つのKEYWORDS!
MAZZELを知るために、チェックしておきたいのが3月にリリースされた初のオリジナルアルバム『Parade』。デビューイヤーの集大成となる一枚が表現する彼らの〝今〟を知るところから、対談スタートです!
Keywords1:Genreless
サッシャさん(以下、SA):まずは、オリジナルアルバム『Parade』のお話から! 初めてのアルバムですが、どんな内容になっているのでしょう?
KAIRYU(以下、K):これまでのMAZZELらしい曲がありながら、アルバムならではの挑戦を感じてもらえる一枚になっていると思います。
SA:15曲、と曲数も多いですよね。
K:ボーイズグループではあまりなかった本格的なHIPHOPだったり、音だけではダンスが想像できないようなR&Bだったり…とにかくジャンルレス。
多彩な個性を生かしてカラフルな楽曲にトライしていく、そんなこれからの僕たちを感じてほしいです!
RAN(以下、RA):メンバーそれぞれのバックグラウンドや強みを生かしてつくられている曲も、すごく多いです。
SEITO(以下、SE):ボーイズグループのファンではない方々にも幅広く楽しんでもらえる、そんなジャンルレスな音楽をやっていることが伝わったらうれしいです!
Keywords2:Growth
SA:プレデビュー曲『MISSION』を再レコーディングした『MISSION(Re-recorded)』も、印象的! たった1年なのに、大きな成長を感じました。
HAYATO(以下、H):デビュー以来、たくさん歌ってきた曲だからこそ、確立された部分もあれば、メンバーそれぞれのアレンジも入っている。〝今〟の僕たちのよさを引き出せたように感じます。
RYUKI(以下、RYU):1年前の自分と比べて、こうしてみんなで活動をしてきたから身についたスキルがあると思っています。
1年を経て同じ曲を録ることで、自分の大きな変化に気づけました。1年前はまだ声変わりしきっていなくて幼い声でのラップだったけど、今回はちゃんとできているなとか。
RA:僕たちの原点といっても過言ではない曲なので、2年目へと踏み出すタイミングで再レコーディングできてよかったです。
この一年でそれぞれが培ってきた長所や特徴を存分に表現できたし、MAZZELにとって『MISSION』がいかに大切な曲であるのかを再認識することもできました。
Keywords3:Individuality
SA:このアルバムの中から、好きな曲を1曲選ぶならどれ?
EIKI(以下、E):僕は『Vivid』です。今回のアルバムには、混沌とした世の中を僕たちの色でカラフルに染め上げる…というテーマがあるんですが、その代名詞のような曲でもあるんです。
MAZZELの個性が込められたデビューシングルとしての特別感もあります。
NAOYA(以下、N):『ICE feat. REIKO』が好きです。曲そのものも好きなんですが、去年同じレーベルからデビューしたレイちゃん(REIKO)とのコラボ楽曲なのがエモくてお気に入りです!
TAKUTO(以下、T):最近、ライブなどで披露していていちばん熱い気持ちになれる『Fire』です。この曲を披露しているときのみんなの表情を見るのもすごく好きで、よく映像を見返しています!
SE:ライブといえば、MAZZEL初のマイクリレー曲『K&K』もいいよね。すごくライブ映えしそうで楽しみです!
SA:曲のセレクトもみんな視点が違って個性的! MAZZELらしいなぁ。
MAZZELの“今”をインタビュー
◆メンバーの絆が深まったことでグループがパワーアップした
SA:改めて、今月のゲストはMAZZELの皆さん! こうしてメンバー全員とお話しすることができて、本当にうれしいです。昨年のデビューから約1年。グループとして変わったなと感じるところってありますか?
E:仲良くなりました!(という一言を聞いて、隣同士で腕を組むKAIRYUとHAYATO。) デビュー当初からもともと仲はいいんですが、プライベートでも仲が深まって、この一年でより絆が強くなった気がします。
KAIRYUなんて、みんなの家を転々としてるんですよ。あまり自分の家に帰ってないでしょ?って思うくらい、だれかの家にいる話をよく聞きます(笑)。
K:だって、ひとりでいるよりも、メンバーのみんなと一緒に過ごしている時間のほうが楽しいから(笑)。
SA:プライベートでもそんなに仲がいいとは! 大人数のグループだけど、風通しもよさそうですね。
K:アーティスト仲間として接する時間だけではなく、プライベートな友人として接する時間も多いんです。だからこそ、真剣かつラフに意見交換ができている。そういうグループになってきているのかなと思います。
H:そうやって絆が強くなったことで、ライブのクオリティなど、グループとしてのパフォーマンス力もパワーアップしたように感じます。MAZZELの仲のよさというのは、ほかのグループに負けない〝最強の武器〟なんじゃないかなと思います。
◆グループの完成度を上げる各メンバーの人間性
SA:以前、日高さん(※MAZZELの所属事務所『BMSG』の社長であり、ソロアーティスト・SKY-HIとしても活動中の日高光啓氏)にインタビューさせていただいたとき、「グループ内での人間性も、とても大事にしている」というお話をされていたんです。そういった部分を感じることも多いですか?
K:デビューしてからまだ1年ほどですが、すごく感じますね。メンバー同士、〝人としてのあり方〟を大切にしよう、という話もよくします。
E:KAIRYUはグループ内の次男で、お兄ちゃん的存在。頼りがいがあるよね。
T:NAOYAはメンバーのいいところに気づいたら、それを口に出して教えてくれる。褒められてメンバーの気持ちが高まると、グループ全体の雰囲気もよくなるから、すごく大事なことだよね。その効果を最近実感しています。
SE:MAZZELのリーダーらしい意見! そういうたっくん(TAKUTO)は、責任感がすごく強い。それから、一緒にお酒を飲む唯一の仲間なんですが… ふだんは静かなのに、飲むとすごくしゃべります(笑)。それもメンバーについてすごく熱く語ってくれます!
SA:へぇ〜! 秘めた熱い想いを持っているんですね。
RYU:EIKIもすごく熱いよね。アルバム『Parade』の中で『Love Letter』という曲の作詞に携わっているんですが、まっすぐな想いを表現するのが本当に上手です。
H:RANはライブで、MUZE(MAZZELのファンネーム)を盛り上げてくれたり、メンバーのことを鼓舞してくれたり…。その場のボルテージを引き上げるときにとっても頼りになる。感謝しています。
N:僕はトム(HAYATO)の優しさと気使いが好きです。
SA:どんなとき、その優しさや気使いを感じるんですか?
N:一緒にごはんを食べにいくと、その帰り際に「アウターとろっか?」って声をかけてくれるところとか?
H:なんか内容薄くない?(笑)
N:一緒にいることが多くてエピソードがありすぎるから、逆に浮かんでこないです…!(笑)
K:SEITOも、優しくて周りに気を配れる人。いつもみんなのことを一番に考えてるんだなって感じます。
RA:RYUKIもすごく人想い。家族のことを愛している気持ちと同じくらい、メンバーのことも強く愛してくれてる感じがします。
SA:MAZZELは各メンバーの個性が光るグループだけど、人間性も豊かですね!
◆自分自身では気づけない個性が引き出される
SA:そんな皆さんは、それぞれ日高さんからどんな想いを伝えられているんですか?
RA:さっきHAYATOも言ってくれたんですが、「ライブ中などのバイブスがすごく高いね」と褒めてくださって。自分の感情を表に出すのがあまり得意ではなかったんですが、自分も変化しているんだなって。
そしてそれを見てくれている人がいるんだって、ステージに立っている自分を評価してもらえたのはすごくうれしかったです。
H:僕は「努力している方向性は間違っていない」と言っていただけて。アルバムの制作中、どうやって努力すればいいんだろう…という迷いがなくなって「この努力を続けていこう!」と思えました。
E:『Love Letter』の歌詞を読んで「自分の言葉を持ってるね」と褒めていただけたことがすごく印象的でした。これからのアーティスト人生の糧になる気がしています。
SE:僕はHAYATOたちみたいに具体的な言葉があるわけじゃないんですが…社長と一緒にレコーディングしていくうちに、自分の声の生かし方がわかってきました。
8人それぞれいろいろな個性がある中で、自分をどう表現すればいいんだろうって悩んでいたんですが、自分の声の武器が見つかりました。
N:僕はアルバム制作がスタートする前に、表現の幅の広げ方を教えていただきました。メイクや衣装ひとつで、自分の表情やパフォーマンスも変わるんだって。自分自身では気づけていない部分に気づくことができました。
RYU:僕の場合は「ラップを音符でとらえる」と教えていただいたことです。ラップと歌は別物って思っていましたが、実はつながってる。歌を練習することで、得意なラップの表現をもっと広げるチャンスが生まれたような気がします。
K:今までの自分の強みを褒めて伸ばしてくれるだけではなく、さっき話していたような〝人間性〟まで評価してくださるのもうれしいですよね。得意なボーカルを褒められるのとはまた違う感覚というか…すごくうれしくなります。
T:いつも「ここは自分の成長の場だ」って感じながら、一緒にレコーディングさせていただいています。いいものをつくっていけている感覚がいつもあります。
◆それぞれの個性を集めてより強いインパクトを
SA:さて、デビューから約1年。今、考えている、今後の具体的な目標ってありますか?
N:水でびしょ濡れになるのが目標です。
SE:え? びしょ濡れ…?(笑)
N:白いシャツ姿で水に濡れる…そんなセクシーなライブ演出に、今までずっと憧れていて。
RA:それは、NAOYAの個人的な目標ってことでいい?(笑) でも、その提案もすごく面白い。MAZZELは、メンバーが8人いるので、8人分の可能性がある。
それぞれがやりたいことをやって、グループとしての可能性を広げていきたいと思っています。僕はステージの下からジャンプで飛び出すとか、サプライズ感のある演出にトライしてみたいです。
K:持っている才能が8人みんなバラバラで、長けていることも違うので、各メンバーが自分の魅力を最大限に発揮できるようなステージがあるといいなって考えています。
ひとりひとりの個性が強い、さらに8人が集まることでもっと強いインパクトが生み出せるようになるのが、MAZZELとしての夢ですね。
RYU:演出で言えば、ライブでトロッコに乗るのも目標のひとつです。トロッコに乗って、ファンの皆さんに会いに行く…それって、広い会場でライブをするからこそ叶う、かっこいい演出だと思うんです。
SA:トロッコは、ビッグアーティストの証でもありますもんね。目標もメンバーそれぞれ違っていて、聞いていて飽きないなぁ。
◆カラフルな魅力があること、それこそが僕たちの個性
SA:同じ事務所のBE:FIRSTをはじめ、世の中にはたくさんのグループがありますよね。〝MAZZELらしさ〟って、どんな部分なんでしょう?
E:個性が強いグループは、たくさんあると思うんですが、メンバー8人の個性がバラバラなのがMAZZELらしいなと。
みんなの魅力が異なっているから、今回のアルバムのようにいろいろな楽曲を表現することができる。グループとしての〝カラフルさ〟こそが、僕たちにしか出せない個性でもあると思っています。
SA:8人の個性をひとつに集約していくって、すごくハイレベルなことですよね。
SE:個性はバラバラ。だけど、一体感がある。それはデビュー当時から気づいていました。デビューシングルの『Vivid』をレコーディングしながら「個性が全然違うんだな」って感じていて。
でも、完成した曲を聴いてみたら、各メンバーの個性がひとつになった作品が完成していて「すごい!」と思ったことを覚えています。
SA:バラバラでも、ひとつになれる。自分の個性を生かせると理解できる。そうすると、個人の自信にも、グループとしての自信にもつながりますよね。
K:歌もダンスも、〝そろえる美学〟もありますよね。それも素敵ですが、僕たちは、それ以上に8人の個性を生かす方法を知っているんです。ダンスもあえて合わせすぎないとか、楽曲もうまくそろえて歌うことに固執しすぎないとか…。
T:持っている才能がみんなバラバラ。それがいい意味で変わることなく、だけど常に進化し続けている。そんなグループになりたいなって思います。
SA:素敵な目標ですね。
◆周りの人たちに幸せを渡していきたい
SE:MAZZELとしての目標はいろいろあるんですが、まずは自分たちの近くにいる人たち、スタッフさん、ファンの皆さんに一番に愛される。そんなグループでありたいです。これは、メンバー全員が同じ気持ちを持っていると思います。
SA:その目標を叶えるためにしていることって?
E:まずは僕たちから、周りの人たちに愛を渡していくことですね。「MAZZEL」というグループ名は、「MAZEL・幸福」に「MAZE・迷路」と「ZEAL・情熱」を掛け合わせたもの。
迷路から抜け出すための出口に向けて情熱を燃やし、幸福をつかみとって人々に渡していこう…そんな決意が込められているんです。
音楽を通して、活動を通して、幸せを発信していけば、自分たちにも愛が返ってくるはず。そう思っています。
H:〝MAZZELらしい〟という言葉が、たくさんの人たちの中で定着するようにもしたいです。
今、いろいろなジャンルの音楽に挑戦して、グループとしての個性の生かし方をさらに模索しているところなので、その中で〝らしさ〟が生まれてくるのかなって。
T:これはデビュー前から思っていることなんですが、近道はせず、一歩ずつ8人でいろんな壁を乗り越えて、上を目指していきたい。そうして、愛され続けるグループになりたいですね。
E:ファンの方々はもちろんなんですが、スタッフさんやステージを一緒につくってくださる裏方さん… 関わってくださった人みんなを感動させる、そして大号泣させるようなライブをいつかしたいです(と聞いて、ほかのメンバー全員が大きく頷く)。
SA:お! いいですねぇ。どんなふうに号泣させましょう?
E:…それはもう………とにかく頑張ります!
全員:(笑)
SA:演出はここから考える、と(笑)。それもまた、〝これから〟なMAZZELらしさかもしれませんね!
<Vol.2へ続きます>
【Information】1stオリジナルアルバム『Parade』好評発売中!
デビューシングル『Vivid』をはじめとした2023年のリリース曲、そしてアルバムと同タイトルとなるリード曲『Parade』などの新曲を含む全15曲を収録。デビュー2年目となる彼らの新たなチャレンジにあふれた一枚に。
[通常盤]¥3,300(BE-U)
◆サッシャさんが語る! 「インタビュー後」談話もチェック!
サッシャさんがお届けする“あとがき”ならぬ“あと語り”コーナー。サッシャさんの肉声によるインタビュー後コメントはこちら!
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[衣装・サッシャさん分]スーツ¥495,000(イザイア ナポリ 東京ミッドタウン〈イザイア〉) その他/スタイリスト私物
[衣装・KIRYUさん分]ジャケット¥82,500・パンツ¥38,500(サーディヴィジョン ピーアール〈ガラアーベント〉) カットソー¥24,200(ティーニー ランチ〈メアグラーティア〉) その他/スタイリスト私物
[衣装・NAOYAさん分]ジャケット¥61,600・パンツ¥30,800(セモー) シャツ¥35,200・タンクトップ¥13,200(サーディヴィジョン ピーアール〈ガラアーベント〉) その他/スタイリスト私物
[衣装・RANさん分]〝ボディソング〟のジャケット¥89,980・パンツ¥35,200・〝メアグラーティア〟のスウェット¥31,900(ティーニー ランチ) その他/スタイリスト私物
[衣装・SEITOさん分]スーツ¥145,200(三喜商事〈Tジャケット〉) シャツ¥35,200(セモー) その他/スタイリスト私物
[衣装・RYUKIさん分]〝Tジャケット〟のジャケット¥86,900・パンツ¥61,600・〝バレナ〟のタンクトップ¥23,100・シャツ¥59,400(三喜商事) その他/スタイリスト私物
[衣装・TAKUTOさん分]ジャケット¥66,000・パンツ¥35,200(セモー) シャツ¥33,000(ティーニー ランチ〈ボディソング〉) その他/スタイリスト私物
[衣装・HAYATOさん分]ジャケット¥62,700・パンツ¥29,700(セモー) シャツ¥37,400(サーディヴィジョン ピーアール〈ガラアーベント〉)その他/スタイリスト私物
[衣装・EIKIさん分]ジャケット¥82,500・パンツ¥41,800(サーディヴィジョン ピーアール〈ガラアーベント〉) シャツ¥33,000(ティーニー ランチ〈メアグラーティア〉) その他/スタイリスト私物
2024年Oggi6月号「働く私にMusik」より
撮影/中村和孝 スタイリスト/中西ナオ ヘア&メイク/時田ユースケ(ECLAT/MAZZEL分)、塩田勝樹(Sui/サッシャさん分) 構成/旧井菜月再構成/Oggi.jp編集部