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LIFESTYLE

2024.04.07

「人との出会いや仕事、すべてが糧になる」俳優・芳根京子さんの心地いい暮らし方と働き方

俳優として一歩一歩、確実に前に進み続けている芳根京子さん。目標をつくるより、自分にできることをひとつずつクリアしたその先に見つけた“心地いい暮らし方・働き方”とは。

俳優・芳根京子さんインタビュー

◆居場所をつくること、そこで求められること

「小さいころから極度の人見知りでした。いつも母のあとにくっついている内気な子で、なりたかったのはパンダ(笑)。

と同時に、3歳からピアノを習うようになり、音楽はいつも身近な存在でした。母の自転車の後ろに乗っているときだけは上機嫌で、ずっと歌っていたそうです。

芳根京子さん

そんな私が変わるきっかけになったのも、音楽でした。小学4年生で吹奏楽部に入り、フルートを始めました。中学に入るとすぐに演奏会のメンバーに抜擢されて、人前に出ることも経験して。

自分が変わってきたのは、そのころからです。自ら選択すること、居場所をつくること、そこで求められること。こんなにも楽しくて、うれしいことなのだと、実感していったのです」

◆自分の殻を破り、俳優の道へ

芳根さんが俳優の仕事を始めたのは、それから3年後。殻を破る少しの勇気が連なって、未来の自分をも大きく動かすことになった。

「あの中学生活がなかったら、私はいつ自分の殻を破ったんだろうと思います。とはいえ、根本は大きくは変わっていなくて。でも、思うんです。仕事で出会ったご縁を、人見知りでムダにしたらもったいない。

そう思って、勇気を出してコミュニケーションを取るようになったのは、私にとって大きな出来事です。すると、芝居のやりとりの中でも、キャッチボールがうまくハマって、なんともいえずゾワっと感じる瞬間がやってくるのです。

そうそう、私が求めていたのは、これ。この瞬間があるから、お芝居が好きなんだ。心底そう思います」

芳根京子さん

◆いざとなったらドラえもんが助けてくれる!?

一歩踏み出すときの自分を「怖いけど楽しい。楽しいけどやっぱり怖い」と話す芳根さん。でもそれを繰り返すうち、自分への自信につながることもわかってきた。

「初めて出演した映画が、ピアノを弾く役(2014年『物置のピアノ』)で、連ドラ初主演は合唱部の話でした(2015年『表参道高校合唱部!』)。やっぱり音楽は、私の人生と仕事に、欠かせないもの。

そして、『映画ドラえもん のび太の地球交響楽(ちきゅうシンフォニー)』で演じたのは、海外で活躍する歌姫。歌うことの楽しさ、団結することの大切さを伝えるこの映画では、歌姫ミーナが大事な役割を果たします。

実は私、自分の声があまり好きではありませんでした。でも、声優をやらせていただくことで、自信を持ってもいいのかなって。少しだけ、ですけど」

実は、泣き虫だった芳根さんが、予防接種を受けるときのユニフォームでありお守りだったのが、ドラえもんのイラスト入りタンクトップだったそう。

『映画ドラえもん のび太の地球交響楽(ちきゅうシンフォニー)』全国公開中!

『映画ドラえもん のび太の地球交響楽(ちきゅうシンフォニー)』
©藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2024

苦手なリコーダーの練習をしているのび太の前に現れた、不思議な少女・ミッカ。音楽「ファーレ」の殿堂にドラえもんたちを招き入れたわけは…? 世界から音楽を消してしまう不気味な生命体が迫ってきて、一同は大ピンチ。そして謎の歌姫ミーナの正体とは。声の出演:水田わさび、大原めぐみ、かかずゆみ、木村 昴、関 智一、芳根京子ほか

◆心配性だから仕事の前はしっかり準備

「そのころから20年、仕事を始めて11年、自分では想像もしていなかった展開でした。自分で描ける夢は案外ちっぽけで、現実のほうがそれを遥かに上回ってくる。だから、見えない未来を怖がるのではなく、ワクワクできる自分でいたいと思います」

芳根京子さん

未来予想図ははっきり描かず、でも目の前のことに全力で臨めるよう、しっかり準備をするのが芳根さんの仕事の流儀。

「人前に立つ仕事を続けていいのか、悩んだ時期もありました。心配性なのも相変わらず。だから前日までにセリフはすべてノートに書き出して、繰り返し練習してから臨みます。

セリフ覚えがいいほうじゃないけれど、これも私の個性だし、やれる方法で乗り切るしかありません。それに、困ったときはドラえもんがまた助けに来てくれるかもしれないし!(笑)」

◆ひとり飲みも大好きだけど、一番の幸せは…

「仕事をしていればだれでも、自信をなくしたり怖くなったりすることはあるでしょう。そこで信じられるのはやっぱり自分。行動するのも自分。それを裏づける意見や考えを、いつも持っていたいと思います」

芳根京子さんとドラえもん

「そのためには、人と会うことも、仕事も、旅も、すべてが糧になる。こう見えて私、ひとり○○、けっこう得意なんですよ。最近は、高知のモネの庭を見に行ってきました。

ひとり飲みも、ひとりごはんも、大好き。でもいちばん幸せなのは、家に帰って、お風呂に入ったあとのビールを飲む時間です!」

だれに与えられたのでもない、自分から見つけた居場所は、どこよりも心地いいようだ。

***

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2024年Oggi4月号「この人に今、これが聞きたい!」より
撮影/YUJI TAKEUCHI(BALLPARK) スタイリスト/杉本学子(WHITNEY) ヘア&メイク/イワタユイナ 構成/南 ゆかり
再構成/Oggi.jp編集部

芳根京子(よしね・きょうこ)

1997年生まれ、東京都出身。2013年にドラマ『ラスト♡シンデレラ』で俳優デビュー。2014年、NHK 連続テレビ小説『花子とアン』に出演。2015年、キャストオーディションで1000人以上の参加者の中から選ばれ、『表参道高校合唱部!』でドラマ初主演。2016年、NHK 連続テレビ小説『べっぴんさん』でヒロインを務める。2019年3月、映画『累-かさね-』、『散り椿』で第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。

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Oggi12月号で商品のブランド名に間違いがありました。114ページに掲載している赤のタートルニットのブランド名は、正しくは、エンリカになります。お詫びして訂正致します。
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