「ビューティー視点」で考えるキャラ立ちのススメ
メイクや香り、顔周りのディテールの演出… 些細なことから始められる「キャラ立ち」のアプローチが、美容。横並びのキレイから抜け出すコツを、美容家の神崎 恵さんとヘア&メイクアップアーティストの岡田知子さんの対談から教わります。
好きな理由が明確になれば個性。ぼんやりしたままだと量産型に
◆キャラ立ちは推し活と一緒
神崎 恵さん(以下、神崎):実は私も、ずっと自分自身には特徴がないと感じていました。日本はどちらかというと個性を出すより、周りになじむことを重視する文化。そんなふうに育ってきたので、美容家として活動を始めるときに〝私の色”を見つけるのが難しかったです。
岡田知子さん(以下、岡田):私は初めての女優さんやタレントさんをメイクするときに必ず「好きなもの」を聞くんですが、そこがクリアになってないとキャラ立ちは迷いやすい。キャラ立ちは推し活と一緒で、「私はこれが好き!」と堂々と言えることだと思うんです。ただ「流行っているから」という理由だけだと量産型にしかならない。
神崎:好きを貫くって個性になりますもんね。私も美容家としてたくさんの人に覚えてもらおうと考えたときに、自分の好きなものの中からアイコンを探しました。10年前にはオフショルを着てる人は少なく、でも私は小学生のころからオフショルが好きだったんですね(笑)。肩を出していると、いい意味でも悪い意味でも目立つし、記憶に残りやすいだろうなって。
◆キャラ立ちを考える前に自分を見つめ直す
岡田:記憶に残るには違和感が大事ですよね。人と違う違和感をどう出すか。
神崎:わかります〜! 違和感、大好き♡ 私は体のつくりが小さくて、パーツも丸っこいから、パッと見は女っぽいんです。だからジャケットをはおるだけ、パンツをはくだけでも違和感になるんですよ。
岡田:神崎さんはご自身の特徴をすごく理解していますよね。キャラ立ちを考える前に、自分を見つめ直す作業が必要。
神崎:個性はすでに自分の中にあるもの。どう見つけて、楽しむかだと思っています。
キャラ立ちできると比較ばかりの世界から抜け出せる
◆好きを貫くことにビビらない!
神崎:Oggi世代だと周りと一緒はイヤだけど、ベーシックから離れるのは怖いっていう人も多いですよね。
岡田:枠の中から“1mmだけ飛び出す”って実はとても難しい。周りから浮いてるほうが立派な個性になりますもんね。
神崎:キャラ立ちしている人は他人からどう思われるかをあまり気にしていないのかも。好きを貫くことにビビらない!(笑)
岡田:ビビらない気持ち、大事!
神崎:もしキャラ立ちに迷っていたら、化粧品カウンターに行くのがおすすめ。「(あなたが思う)私に似合うものを出してください」ってお願いするんです。主語を「私」から「あなた」に変えて、誰かに選んでもらうと新しい風が吹くから。
岡田:私もコスメを買いに行くと必ずタッチアップしてもらう派です。何が流行っているかのキャッチアップにもなるし。
神崎:試すことで新しい“好き”に出合えることもあれば、逆に“これは嫌いかも”など自分のことを知れるんですよね。
◆“キャラ立ちの先”の悩みも?!
岡田:キャラ立ちがうまくできると、誰とも比べられなくなってラクになりません?
神崎:ラクだし安心。「これが私!」と思えるベーシックがあると、逆に何を着ても、塗っても大丈夫という安心感が生まれます。
岡田:神崎さんも、かつてトレードマークだったオフショルやかき上げヘア以外のことにたくさんチャレンジしてますもんね。
神崎:10年かけて自分らしさが確立された今、逆にそれを裏切りたくなって(笑)。
岡田:キャラ立ちの先の悩みですね(笑)。それはまたの機会に語りましょう!
神崎さんの“キャラ立ちヒストリー”
▲オフショルとゆるく巻いた長い髪をかき上げたヘアは長年〝神崎恵らしさ〟の象徴
▲ここ数年はタイトなヘアも個性のひとつに
今回使ったコスメはこちら
今回の神崎さんのメイクに使用したコスメをご紹介!
トレンチジレ¥74,800・タートルニット¥25,300(フィルム〈Sov.〉) ピアス¥246,400(ビジュードエム)
資生堂|インウイ アイズ 01
自然な陰影で印象的な目元に。
▲¥6,600(2月21日発売)
カネボウインターナショナルDiv. KANEBO|ルージュスターヴァイブラント V07
鮮やかなツヤと湧き上がるような血色感が長時間続く美容液ルージュ。
▲¥4,620(1月19日発売)
●掲載した本人の私物は現在、取り扱いのない商品もありますので、ご了承ください。また、各ブランド・店舗への直接の問い合わせはご遠慮ください。
資生堂お客さま窓口 TEL:0120-81-4710
カネボウインターナショナルDiv. TEL:0120-518-520
2024年Oggi2月号「『ビューティ視線』で考えるキャラ立ちのススメ」より
撮影/柴田フミコ(人物、静物角版)、橋口恵佑(静物) ヘア&メイク/岡田知子(TRON) スタイリスト/石関靖子 構成/火箱奈央
再構成/Oggi.jp編集部