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2023.10.21

イヴ・サンローラン展のテーマソングを担当!マルチクリエイター・idomが出合った「音楽」という自己表現〈DJ・サッシャがナビゲート Vol.1〉

J−WAVEの人気ナビゲーター・サッシャさんが旬のミュージシャンと対談する音楽連載。今回のゲストは、マルチな次世代型アーティストとして注目を集めるidom。2020年春に楽曲制作を始め、わずか2年後にドラマ主題歌でメジャーデビュー。トラックメイカーであり、シンガーであり、映像クリエイターでもある多くの謎に包まれた、気になる彼のこれまでとこれからと。

【働く私にMusik】「常にパーフェクトなアウトプットをする」マルチクリエイター・idomの音楽論

idom

ジャケット¥605,000・シャツ¥220,000・デニムパンツ¥77,000・靴¥159,500・ネックレス¥44,000・ブレスレット[カサンドラロゴ]¥44,000・ブレスレット[プレート]¥33,000・リング¥41,800(サンローラン クライアントサービス〈サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ〉) ピアス/本人私物

Guest Musician:idom
1998年、神戸市生まれ。コロナ禍に制作した楽曲がSNSで大きな反響を呼ぶ。その後、圧倒的なクリエイティビティで注目を浴び、2022年メジャーデビュー。楽曲制作・歌唱に加え、映像制作などもこなすマルチクリエイター。

◆idomの軌跡
2020年に友人の誘いで楽曲制作にはじめて挑戦。同楽曲の自主制作MVをYouTubeに投稿したところ、SNSを中心に大きな反響を呼ぶ。2021年7月から11月にかけてリリースした『Awake』などの楽曲が軒並みCMタイアップソングに。2022年、初EP『i’s』をリリース。『GLOW』でメジャーデビューし、同曲はフジテレビ系月9ドラマ『競争の番人』主題歌に。

イヴ・サンローランらしさを〝自分しかつくらない〟音楽で

サッシャさん(以下、S):今月のゲストは、注目の新星・idomさん! 〝サンローラン〟のアイテムをまとってのご登場です。国立新美術館で開催されている『イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル』でテーマソングを担当されているとか… 〝サンローラン〟、お似合いですね!

idomさん(以下、i):ブランドのビジョンが洋服に詰め込まれている、その感動を直接味わうことができて、身の引き締まる思いです…!

idom

コート/¥462,000・Tシャツ¥66,000・パンツ¥159,500・靴¥159,500・ベルト¥58,850・ネックレス¥44,000・リング¥41,800(サンローラン クライアントサービス〈サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ〉) ピアス/本人私物

S:同ブランドの回顧展におけるテーマソング『Knock Knock』。どう制作されたんですか?

i:「イヴ・サンローランという人物像に合わせた曲を」とオーダーをいただいたので、まずは彼の在り方をクリアにする作業から始めました。

多くの映画や本をひもといて見えてきたのは、自分のスタイルをとことん貫く姿。そこには、僕が音楽に対して大事にしたいスタンスとの共感性があって。だから、メロディも歌詞も、ラップのような曲中のトークも、僕でなければつくらないような曲に仕上げていくことができました。

S:自分らしさを前面に押し出す曲こそが、イヴ・サンローランの人物像を表現する曲になりえるんですね。大迫力のイントロにも驚かされました!

i:心臓が震えるくらいの振動にもこだわりました。〝イヴ・サンローラン〟の洋服がズラっと並んでいる、そんな空間にエッジのきいた音楽が鳴っていたら、かっこいいなって思ったんです。

S:今まで耳にしたことがないような、独自のセンスがあふれるサウンドをつくるidomさん。音楽を始めてまだ約3年半… というのは本当ですか!?

i:本当です。楽器を触ったことも、楽譜を読むこともできなくて(苦笑)。

音楽に関するバックボーンといえば、母親が大の洋楽好きで、バックストリート・ボーイズやブリトニー・スピアーズの曲が子守唄だった… ということくらい。もともとはデザインの仕事がしたくて、大学ではプロダクトデザインを学んでいました。

idom

S:卒業後はイタリアのデザイン事務所で働くことが決まっていたそうですね。

i:向こうで住む家も決まった、という段階まで話が進んでいたんですけど、コロナ禍に突入して、イタリアはロックダウン…。先も見えない状況だったので、1年くらい日本で何かしながら、時期をみてイタリアに行こう、となったんです。

喪失をきっかけに出合った「音楽」という新たな自己表現

S:日本で就職を、とは考えなかった?

i:ちょうどそのころ、親友を病気で亡くしたんです。一緒にリノベーションをした古民家に住んでいたので、「彼のために、ここで何かを残したい」という気持ちが強くなって。フリーランスデザイナーとして、リモートでやり取りできるグラフィックや映像の仕事をその家でしていました。

S:そうした仕事の一環が音楽だった?

i:音楽は趣味の延長でしたね。親友を失った僕を心配した先輩が「これ、楽しいからやってみない?」とPCの音楽制作ソフトを紹介してくれて。

喪失感を紛らわすためにも、経験したことのない何かに集中したくて、挑戦してみることにしました。で、その日に「まずは朝までに1曲、お互いにつくって聴かせ合おう」と…。

S:いきなりハードですね(笑)。

i:そうなんです。ここを押したら音が出るんだ! くらいのレベルだったのに(笑)。

真夜中にスタートして… 完成したのは夜明けくらいかな? その曲を聴いた先輩が「お前、才能あるぞ」と言ってくれて。ほかの友達にも聴いてもらいたくなって、MVとしてYouTubeに投稿したんです。映像をつくるのも好きだったので。

S:YouTubeにある『neoki』は、そのときつくった〝1曲目〟なんですか?

i:そうです。そのリンクをツイッター(現・X)にあげたら、知らない人たちからもコメントがたくさん届いて! 驚いたけど、それが楽しくて。また次の曲をつくってみよう、と自然に思えました。

idom

S:そうしたSNSの反響もあって、レーベルから声がかかったわけですね。

i:いろいろなお話をいただきました。だけど、イタリアに行く可能性もあるし、親友の命日を区切りにして音楽は終わらせようか、とも考えていたんです。

S:1年で想いは変わっていきました?

i:それまで自己表現=デザインだったけど、音楽も合っているかも、という感覚は生まれましたね。

それに、こんなチャンスはなかなか巡ってこない。僕がだれよりも濃い人生を送ることで、彼の分まで生きられるんじゃないか、と。それで今のチームと一緒に仕事をすることに決めました。

「面白そう」という気持ちで、人生の岐路を選択していいと思うんです。もし失敗しても、そこには必ず意味があると思うから。

変化する音楽と想いコンプレックスがある。だから、妥協はしたくない

S:月9ドラマの主題歌でメジャーデビューしたり、今回のようにメゾンブランドと仕事をしたり… 何かに導かれるようにしてスタートした音楽人生、とんでもない速度で進んでいますよね。

i:音楽の知識がなかったので、はじめはついていくのに必死で、心も追いつかなくてつらかったですね。でも、音楽経験がないというコンプレックスを解消するためにも、やれることは死ぬ気でやる、1ミリも妥協せずに常にパーフェクトなアウトプットをすると決めているんです。

S:それはたとえばどんなこと?

i:レコーディングであれば、一文字のニュアンスまで完璧に仕上げたくて、1曲を録るのに1週間かかったり…。

S:でも、音楽活動はひとりでは成立しない。音楽へのエゴとチームワーク、どうバランスをとっているんですか?

i:最初は、自分がかっこいいと感じるものをつくれたらいいと思っていたんです。でも今は、このチームで成功したい。どうしたらチームの目標を達成できるか、ベストな関係を築くために何が必要か、そんな視点をもつようになりました。

たとえば、僕もスタッフも、仕事とプライベートはきっちり区切る… とか。適度な距離感があったほうが、お互いに変な妥協をしなくて済むと思うから。そんな関係性がいいですよね。

idom

S:音楽に対するスタンスにも、変化が出てきていそうですね。

i:好きな音楽をつくっていることに変わりはないんですが、デザイン的な考え方に戻ってきた気がします。

大学では、マーケティング重視のロジカルなデザインを叩き込まれたんですけど、どんな楽曲なら、もっと多くの人に受け入れられるか、面白いと思ってもらえるかをより強く意識するようになりました。

旬の音楽を取り入れるとしても、そのサウンドの中で特に人気の高い要素を分析して、そこだけを自分の曲に組み込んでまったく違うものにする… とか。ロジックとアートの割合も、前は8:2くらいだったけど、今は5:5くらいかな。

S:そうして発表する音楽は、毎回違っていて、それが面白い。どんなアーティストになっていきたいですか?

i:いわゆるヒットチャートにのるようなサウンドとは違うかもしれない。だけど、新しい価値観を生み出したいなって。

やっぱり「idomの音楽を聴いてる奴って、なんか洒落てるよね」って思われるようになりたいですしね。それでいて、だれもが口ずさめるような曲をつくりたいです。それは、チームの目標でもあるんです。

S:自分の音楽が、世の中に足跡を残していく。それはまさしく、idomさんが生きた証になりますよね!

<Vol.2へ続きます>

【Information】『イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル』テーマソング『Knock Knock』も収録!

デジタルEP『Who?』

デジタルEP『Who?』発売中
『イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル』[国立新美術館/12月11日(月)まで開催]のテーマソング『Knock Knock』に加え、多彩なアーティストとのコラボ楽曲3曲を収録。(ソニー・ミュージックレーベルズ)

◆サッシャさんが語る! 「インタビュー後」談話もチェック!

サッシャさんがお届けする“あとがき”ならぬ“あと語り”コーナー。サッシャさんの肉声によるインタビュー後コメントはこちら

2023年Oggi11月号「働く私にMusik」より
撮影/生田昌士(hannah) スタイリスト/髙田勇人(idomさん分)、久保コウヘイ(サッシャさん分) ヘア&メイク/megu(idomさん分)、新地琢磨(Sui/サッシャさん分) 構成/旧井菜月
再構成/Oggi.jp編集部

DJサッシャ

Navigator:サッシャ

1976年、ドイツ・フランクフルト生まれ。日本語・ドイツ語・英語のトライリンガル。J-WAVE『STEP ONE』ナビゲーター、NHKラジオ第1『アニメ・ステラー』MC。『金曜ロードショー』(日本テレビ系)にレギュラー出演するほか、各種スポーツ実況など多方面で活躍中。

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