【働く私にMusik】SKY-HI×サッシャ 対談 Vol.2
〝親子のような〟BE:FIRSTとのスプリットシングルについて語った【Vol.1】はコチラ
◆Guest Musician：SKY-HI
すかいはい／2005年にAAAのメンバー・日高光啓としてデビュー。2013年にソロ名義「SKY-HI」としてもメジャーデビューを果たし、卓越したラップやダンス、ボーカルなどを武器にラッパーとして活躍するだけでなく、トラックメイカー、プロデューサーとしても幅広く活動。2020年にはマネージメント／レーベル「BMSG」を発足し、代表取締役CEOに就任し、第1号アーティストとしてNovel Coreと契約。翌年にはボーイズグループオーディション「THE FIRST」を手がけ、7人組ダンス＆ボーカルユニット・BE:FIRSTをデビューさせるなど、日本の音楽シーンに新風を吹き込んでいる。
日々のコミュニケーションを大切に、〝楽しい〟を高めていく
S：BMSGが集団として有機的になることが、所属メンバーの音楽活動のモチベーションにつながり、楽しさが深まっていく… そう考えられているのは、すごくSKY-HIさんらしいですね。
SK：やっぱり単純に「音楽って楽しいよね」って言いたいですから。大人になればなるほど、楽しい環境は努力次第でつくり出せると思うんです。たとえば〝イメチェン〟も、大人になってからの方が成功率が上がる気がしませんか？ というのも、日常生活の中で関わる人間の数って、子供のころに比べて今のほうが格段に多い。その分、みんな、他人のことをそれほど深く気にしなくなっているんじゃないかと。大きなイメチェンをしたとしても、自分が思うほど周りは気にしていないし、いつの間にかなじんでイメージとして浸透していく。同じように、仕事をする環境や組織もリーダーである自分次第でどんどん変えていけるように感じます。でもなんだか面白いですよね、努力して頑張って楽しくするって(笑)。
S：環境や組織を〝楽しく〟するために、どんなことをされてるんですか？ すごく単純ですけど、例えばいつも笑顔でいるとか？
SK：そういうことの延長にある気がします。つくるにせよプレイするにせよ、音楽はトライ＆エラーの繰り返し。苦しいんですよ。でも、その苦しさと一緒に楽しさも存在している。だからこそ、メンバーがトライしたことや努力したことを見逃すことなくコミュニケーションをとるようにしてるし、「ここを頑張ったんです！」とアピールされたら、大きなリアクションで応えてあげるようにしています。
S：そうやって自分の頑張りに気づいてもらえたら、やっぱり嬉しいですよね。「しんどいけど、それ以上に楽しい！」というプラスの気持ちが膨らみそう。
SK：ときに是正を促したり、どうしても怒らなければいけないシーンもあります。だけど、普段が楽しい雰囲気であるほどに、そういった声かけもより効果的に心に響きますよね。
S：楽しさが緩さにつながってしまう恐れもありますもんね。
SK：確かに、〝楽しい〟は〝意識の欠如〟と同語関係にもなりがち。楽しい気持ちが先走って、一緒に活動している人に対して、つい無礼をはたらいてしまっていた… ということもありがちですが、それを年齢・経験関係なくカバーするのは〝プロ意識〟なんだと思います。アーティストって、どこか常識からはみ出ている部分も求められるんだけど、同時に〝自分が常識からはみ出ている〟という事実を自覚する必要もある。その自覚がクリアになっているほど美しいし、はみ出ていない人に対するリスペクトにもつながりますよね。
S：SKY-HIさんは、まさにそのバランスが取れているアーティストだと感じます。どうやってそのバランス感を手に入れてこられたんですか？
SK：〝反面教師〟的な学びから、それを得てきたんだと思います。だけど、最近になってようやく気付かされる常識も多いんですよ。起業をしたことで、「今までの自分も〝アーティストだから〟という理由で、自分も今までたくさんのことを免除されてきたんだろうな」と理解できるようになりました。もちろん、完全な聖人君子ではないし、そうなれるわけもない。だけど、少しでもいい人に近づいて死にたいんです。そうすれば、いい人たちが近づいてきてくれると思うから。
S：とはいえ、メンバーが成長できる素敵な環境をSKY-HIさんはしっかりとつくられているわけで…〝楽しい〟という意識以外にも、リーダーとして大切にしていることって？
SK：甘え上手でいることですね。経営者が頑張れば頑張るほど、会社の仕事って増えていくんですよ。そして、それをやっていってもらわないといけない。「ごめん！ これも任せたいんだけど…」とうまく甘えながらお願いできる、〝末っ子型経営者のススメ〟を広げていこうかな…(笑)。
日本語で歌うことに関しては、世界を相手にしても絶対に負けない
S：アーティスト兼経営者として活動するようになって早3年。これからのビジョンはどう描かれているんでしょう？
SK：2025年中に成し得たいと思っていることはあります。それが何かはまだ言えないですけど… それをひとつのゴールとするなら、今はその半分くらいの場所までやってきた感覚ですね。音楽的なところでは、今年と来年の課題として、もっとアイコニックにならねばと。世界中の音楽が簡単に聴けるようになった時代だからこそ、僕たちはもっとメイドインジャパンであることを大事にすべきだと思っていて、これをうまく表現することができれば東南アジアや欧米からの注目度も上がる気がしているんです。
S：曲づくりの中で、明確に狙ってやっていることってあるんですか？
SK：楽曲の日本語比率は下げないようにしています。だって日本語で歌うことに関しては、僕たちは世界を相手にしても絶対に負けないわけですから。それは曲以外のクリエイティブに対しても同じで、先月リリースした『Sarracenia』のMVもごちゃっとした東アジアっぽさを意識してつくっています。
S：そうして音楽をつくっていくことで、〝BMSGらしさ〟を日本だけでなく世界が認識してくれるようになっていくはず…！ これからの活躍がもっと楽しみになりました！
＜Vol.3へ続く＞
【Information】SKY-HI / BE:FIRST スプリットシングル『Sarracenia / Salvia』好評発売中！
『刃牙』シリーズの大ファンを公言するSKY-HIが、アニメ「『範馬刃牙』地上最強の親子喧嘩編」のために主題歌を書き下ろし！ 同作品のOPテーマ『Sarracenia』（SKY-HI）とEDテーマ『Salvia』（BE:FIRST）を収録した、SKY-HIとBE:FIRSTによるスプリットシングル。／￥1,155（CD）、￥2,145（CD＋Blu-ray Disc、CD＋DVD）B-ME
配信はこちら！
撮影／谷口 巧（Pygmy Company） スタイリスト／安本侑史（SKY-HIさん分）、久保コウヘイ（サッシャさん分） ヘア＆メイク／椎津 恵（SKY-HIさん分）、塩田勝樹（サッシャさん分） 構成／旧井菜月
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Navigator：サッシャ
1976年、ドイツ生まれ。日本語・ドイツ語・英語のトライリンガル。J-WAVE『STEP ONE』ナビゲーター、NHKラジオ第1『アニメ・ステラー』MC。『金曜ロードショー』（日本テレビ系）にレギュラー出演するほか、各種スポーツ実況など多方面で活躍中。
