Oggi.jp

おしゃれもキャリアも。働く女性のWebメディア

フリーワードで検索

人気のキーワード

  1. トップ
  2. ライフスタイル
  3. エンタメ
  4. 2026年の大河ドラマは戦国時代が舞台の「豊臣兄弟…

LIFESTYLE

2026.02.03

2026年の大河ドラマは戦国時代が舞台の「豊臣兄弟!」働く私たちが豊臣秀長に学ぶナンバー2の矜持

2026年の大河ドラマ「豊臣兄弟!」は、天下統一を果たした豊臣秀吉と、弟である豊臣秀長の絆が描かれたサクセスストーリー。そこで今回は、兄を支え続けた豊臣秀長にフィーチャー。ドラマの時代考証を担当する、柴 裕之さんにお話を伺いました。

豊臣秀吉が天下統一できたのは、実務を仕切る優秀な部下がいたからだった!?

「相手の立場に立って考え、細やかな気使いやサポートで周囲との衝突を和らげる… そんな秀長がいたからこそ、リーダーの秀吉は輝けたんです」そう語る、東洋大学文学部・駒澤大学文学部非常勤講師の柴 裕之さんに、豊臣兄弟について教えてもらいました!

豊臣兄弟について教えてくれるのは…

柴 裕之さん

東洋大学文学部、駒澤大学文学部非常勤講師・柴 裕之さん
しば・ひろゆき/1973年生まれ。東洋大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。専攻は日本中近世移行期政治・社会史。『豊臣秀長』(戎光祥出版)『秀吉と秀長 「豊臣兄弟」の天下一統』(NHK出版)など著書多数。2026年大河ドラマ「豊臣兄弟!」時代考証も担当。

世は戦国時代、天下統一を目指す兄弟がいた

Oggi編集部(以下Oggi):1月から新しい大河ドラマがスタートします。主人公は豊臣秀長。あの豊臣秀吉の弟なんですね!

柴さん(以下敬称略):16世紀、戦乱の世で、3歳違いの兄・秀吉の天下統一を二人三脚で支え、国をまとめるのに尽力した人物です。

Oggi:そんな人物がいたことも知らなかったです…。

柴:〝天下人〟まで上り詰めた秀吉と違って、秀長は史料にも秀吉がらみで少し登場する程度。実はこれまで研究もあまり進んできませんでした。正直、これといってユニークなエピソードも見当たらず、人柄もハッキリはわからず(苦笑)。でも、大河ドラマで取り上げられることもあって注目を集め、最近になって「弟の秀長がいなければ、秀吉は天下を取れなかっただろう」といわれるほど重要な存在だったことがわかってきたんです。ここ1、2年でも、兄弟にまつわる新事実がいろいろと明らかになっているんですよ。

Oggi:重要人物なんですね! ガゼン興味が湧いてきました。

柴:1540年、尾張国おわりのくに(現在の愛知県西部)の農家に生まれた秀長は、20代前半ごろ、すでに家を出て織田信長に仕えていた秀吉から誘われ、織田家の家臣になったと言われています。現代でいえば、「兄が働いている会社に誘われて入社する」といったイメージでしょうか。それまでは農業で生計を立てていた秀長ですが、ここから出世頭の兄・秀吉をサポートする人生がスタートするんです。

Oggi:農家から武将の世界へ… すごいキャリアチェンジ! 織田信長のもとで、兄弟はどんなことをしたんですか?

柴:当時、信長は尾張国の一大名から、天下統一を目指して勢力を拡大している時期。豊臣秀吉と秀長のふたりも各地の大名との戦いに駆り出されたり、城を建てたりとさまざまな活躍をしました。中でも秀長にとって節目となったのは1577年の〝竹田城の戦い〟。中国地方の平定を命じられた秀吉に従い、秀長も5千人以上の大軍を率いて参戦。但馬たじまの国くに(現在の兵庫県北部)で竹田城を攻め落とし、武将としての実力を周囲に認められるように。

Oggi:そんな手柄が!

柴:その後、1582に本能寺の変で信長が倒れた後、だれが織田家を立て直すのか、という世継ぎ争いでも、秀長は陰の立役者として活躍したんですよ。信長の長男は本能寺の変で同じく自害しており、正統な後継者であるその息子はまだ幼い。話し合いなどの紆余曲折の末、信長の次男・信のぶ雄かつがいったん代理として後継者の座についたのですが、彼は政治があまり得意ではなくて。補佐役になっていた秀吉が実質的に政権を握る形になっていたんです。

Oggi:それはモメそう…。

柴:はい。案の定、怒った信雄が、織田家と親類関係にあった徳川家康と手を組み、秀吉に宣戦布告したんです。近年の研究では、〝小牧・長久手の戦い〟と呼ばれる半年以上の争いの末、信雄と家康は降参したとされています。以降、秀吉をリーダーとした政権が本格的に動き出すんですが、血のつながりのない秀吉が織田家の後継者になるというのは、いわゆる〝下剋上〟の状態。世間も簡単には納得しません。ここで存在感を示したのが秀長。秀吉の治世になったことを世間にはっきり知らしめるべく、信雄に、秀吉の前で頭を下げさせたんです。

Oggi:…どういうことですか?

柴:信長の子である信雄がわざわざ秀吉のいる大おお坂ざか城じょう(現・大阪城)に出向いて、主従関係の逆転を認め、「政権をあなたに譲りますよ」という姿をパフォーマンスとして示すよう、秀長が説得したんです。誠実かつ温厚で、人の心をつかむのが上手だった秀長は、「織田家の当主は、長男の子ではなく、信雄に任せる」と、相手へのメリットを前面に押し出しつつ、「でも政権のトップには秀吉が就く」という提案をうまく飲み込ませたのでしょう。プライドの高い信雄も、しぶしぶ秀吉への臣従を認めたのです。

Oggi:本領発揮ですね。

柴:その後、兄・秀吉が四国や九州を平定する際にも、秀長は総指揮官などの重要な役割を担い、秀吉の右腕にふさわしい実績を次々と残していきました。

Oggi:豊臣兄弟、向かうところ敵なしって感じ…。

柴:四国での働きが認められ、秀長は1585年、大和・紀伊・和泉三国の領主にもなりました。寺社勢力が強く、頻繁に一揆が起きる難しい地域でしたが、秀長は統治にも優れた人物だったようです。地方の大名や統治者と衝突しないよう配慮しながら関係を築き、接待や交流を重ね、国内の結束を保ちました。兄・秀吉は判断力に優れ、天才と称されることも多いのですが、自分の指示に従わないやつは大嫌い、というワガママな一面も。トップとして指示・命令する立場になると、どうしても周囲との摩擦が生まれやすくなります。そんな状況でも秀長は、〝調整役〟として秀吉の細かな指示に忠実に従いながら、周囲との人間関係づくりに全力を尽くしました。

Oggi:戦も強く、政治も気使いもできて、人望もあって、こんな人が上司にいたら最高です。

柴:本当ですよね(笑)。秀長の存在があったから、秀吉は安心して天下統一に突き進めたのです。

ナンバー2の活躍があるからナンバー1が輝ける

Oggi:知れば知るほど、秀長は多方面で活躍したんですね。

柴:兄の期待に応えようと、少しがんばりすぎたのかもしれません。1589年ごろから、秀長は体調を崩すようになります。1590年、秀吉は小田原で北条氏を征伐して関東・奥羽地方も支配下に置き、ついに天下統一を成し遂げるんですが、秀長は体調悪化でこの戦いに出征できませんでした。そして翌年、秀長は50年の人生に幕を下ろします。秀長の死後、彼の居城だった大和郡山城には、莫大な金銀財宝が残されていたそうです。一説によるとその額は現在の約220億円に相当するとも。政権の安定のため、まだまだ交際費が必要になるからと、ムダ使いはせず残していたのかもしれませんね。

Oggi:堅実な性格が窺えますね。ところで優秀でシゴできな秀長を失って、秀吉は痛手だったのでは?

柴:おっしゃるとおり、「秀長が長生きしていれば、豊臣政権は安泰だった」とのちに言われるように、秀長の死後、少しずつ豊臣政権は傾いていったんです。秀吉の甥っ子・秀次が秀長のポジションを継いだのですが、まだ若い秀次には、優秀すぎた叔父・秀長の穴を埋めるのは重荷だったようで… 最終的に彼は自害に追い込まれてしまうんです。結果的に、秀長を慕っていた徳川家康が秀長の立場を継承し、政権を継いでいきます。

Oggi:家康って秀吉&秀長の天敵じゃなかったんですか?

柴:信長の死の直後こそ豊臣政権と敵対した家康ですが、以後は秀吉に臣従して穏便な関係を保ち、秀長と並んで豊臣政権でのナンバー2の立場でした。その後、政権内の勢力争いから、最終的には豊臣家と対立してしまった家康ですが、当初は豊臣政権を維持しようと努めていたこともわかっています。従来の「徳川家康が豊臣政権を乗っ取って江戸幕府を開いた」という定説も覆されたんです。

Oggi:歴史は変わるんですね。

柴:一方、秀吉は、2度の朝鮮出兵を試み、最終的には失敗。秀長の死の7年後、失意のうちに亡くなりました。もし秀長が生きていれば、国内統治は秀長に任せ、大陸進出にもっと集中できたはず、とも言われています。

Oggi:やはり、秀長あっての秀吉だったんですね。さて、柴さん的・大河ドラマの見どころは?

柴:実はこれまでも、秀長は脇役として、大河ドラマに登場しているんです。でも今回は兄弟ふたりの歩みを通して、秀長という人物をじっくり味わってほしいですね。

Oggi:最後に、現代を生きるOggi読者へメッセージを!

柴:組織では、どうしても華やかなナンバー1ばかりにスポットライトが当たりがち。でも、ナンバー1は多くの人の支えがあって成り立つもの。相手の立場に立って考え、きめ細やかな気使いやサポートで周囲との衝突を和らげる… そんな存在がいるからこそ、リーダーは力を発揮できます。現代の組織にも、秀長のような静かで強いナンバー2やナンバー3がいるはず。「私はリーダーになれない」と落ち込んでいる人がいたら、支える存在の大切さを、ぜひ秀長を通じて学んでほしいですね。

Oggi:胸が熱くなってきました。身を粉にして兄を支えた秀長の一生、関連書籍も読んで予習をしておきます!

天下統一の裏にふたりの強い絆があった! 「豊臣秀長の一生」

豊臣秀長
©️アフロ

1540年      尾張国(現在の愛知県)に生まれる
1554年ごろ    兄・秀吉が織田信長に仕える
1562〜65年ごろ 秀吉に誘われ、織田家の家臣に
1573年ごろ    秀吉が長浜城を築く
1577年      竹田城の戦いで竹田城を攻略し、秀長が城代となる

竹田城跡

現在は〝天空の城〟として知られる竹田城跡

1582年      本能寺の変で織田信長が自害
1584年      小牧・長久手の戦いで、秀吉が徳川家康陣営を破る
1585年      秀吉が四国平定。秀長は総大将として長宗我部元親を破る
         大和国・紀伊国・和泉国の領主として郡山城・城主に
1586〜87年ごろ 秀吉が九州平定。秀長は九州東岸の総大将を務めた
1591年      郡山城にて死去(享年50)

大河ドラマの舞台をCHECK! 秀長ゆかりの地を訪ねて…

和歌山城

秀長が統治した大和・紀伊・和泉三国は、現代の和歌山県や奈良県にあたる。和歌山県には、当時「若山」と呼ばれていた地名を秀長が「和歌山」に改め、築いた和歌山城が。

群山城

秀長が居城にした奈良県の郡山城(城跡)は、石垣や堀が壮麗。桜の名所としても知られる。

2026年大河ドラマ「豊臣兄弟!」

2026年大河ドラマ「豊臣兄弟!」

戦国時代のど真ん中で、兄弟の絆が歴史を動かすサクセスストーリー。兄に導かれ武士の道へ踏み出した秀長は、知恵と勇気、そして卓越した〝調整力〟で兄の天下統一を支え続ける。難題を次々とクリアしていく、ふたりの絶妙なコンビネーションに注目! 仲野太賀さんが豊臣秀長を、池松壮亮さんが兄・豊臣秀吉を演じる。2026年1月4日スタート。NHK総合 毎週日曜午後8時ほか。

覚えておきたいキーワード

1.本能寺の変

1582年、京都の本能寺で織田信長が家臣・明智光秀の突然の謀反により自害した事件。中国地方で毛利氏と交戦中だった秀吉と秀長は、急報を受けると和睦して京都に引き返し、〝山崎の戦い〟で光秀を討った。

2.徳川家康

徳川家康
©️嵯峨釈迦堂所蔵/アフロ

小牧・長久手の戦い後、秀吉は妹のあさひ(南明院殿)を家康の正妻として嫁がせ、家康との関係の安定化を図った。秀長の死後は家康が調整役を引き継ぐ形で台頭。政治の実権を握ったのち、1603年に江戸幕府を開いた。

3.朝鮮出兵

天下統一後、秀吉が明(中国)征服の足がかりとして行った海外遠征。朝鮮が服属を拒否し、大規模な戦争へ発展。朝鮮水軍の反撃と明の参戦で苦戦し、長期化。1598年、秀吉の死により撤退。政権の弱体化を招いた。

4.関連書籍

『羽柴秀長 秀吉の天下を支えた弟』(KADOKAWA)

柴さんの著書『羽柴秀長 秀吉の天下を支えた弟』(KADOKAWA)は、外交・軍事・政務の最前線で豊臣政権を支えた〝名補佐役〟秀長の実像を、最新研究と史料から多角的に描き出した一冊。大河ドラマ視聴のお供に!

2026年Oggi1月号「Oggi大学」より
イラスト/八重樫王明 構成/中村茉莉花、酒井亜希子(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部
●掲載している情報は2025年12月12日現在のものです。

Oggi編集部

「Oggi」は1992年(平成4年)8月、「グローバルキャリアのライフスタイル・ファッション誌」として小学館より創刊。現在は、ファッション・美容からビジネス&ライフスタイルテーマまで、ワーキングウーマンの役に立つあらゆるトピックを扱う。ファッションのテイストはシンプルなアイテムをベースにした、仕事の場にふさわしい知性と品格のあるスタイルが提案が得意。WEBメディアでも、アラサー世代のキャリアアップや仕事での自己実現、おしゃれ、美容、知識、健康、結婚と幅広いテーマを取材し、「今日(=Oggi)」をよりおしゃれに美しく輝くための、リアルで質の高いコンテンツを発信中。
Oggi.jp

あわせて読みたい

Today’s Access Ranking

ランキング

2026.02.03

人気のキーワード

PopularKeywords

編集部のおすすめ Recommended

Follow Us!

Oggiの公式SNSで最新情報をゲット!

メールマガジン登録はこちら

最新記事のお知らせ、イベント、読者企画、豪華プレゼントなどへの応募情報をお届けします。

【消費税の価格表記について】 記事内の価格は基本的に総額(税込)表記です。2021年4月以前の記事に関しては税抜表記の場合もあります。

Feature

スマートフォンプレビュー

LINE公式アカウント 友だち募集中

働くすべての女性に向けて、
今すぐ役立つ「ファッション」「ビューティ」「ライフスタイル」
情報をお届けします。