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LIFESTYLE

2023.09.13

芸人・チョコレートプラネットが舞台に立ち続ける理由「いつでもいちばん楽しんでるのは俺たち」

テレビ番組で披露したモノマネ芸で、一躍人気者に躍り出た。新たなキャラクターや新ネタコントを次々生み出し、YouTubeや楽曲発表でも大バズり。「戦略はなし」と公言するけれど、ヒットの要因はさてどこに…? ただいま全国ライブツアー真っ只中のふたりが自己分析する、チョコプラの本当の姿とは。

芸人・チョコレートプラネット 「いつでもいちばん楽しんでるのは自分たち」

◆戦略も、人生設計も、何もなかった30代

――コンビを組んだのは2006年。着々と力を蓄えながら、いつしか『キングオブコント』の常連に。松尾さんがIKKOさんの、長田さんが和泉元彌さんのモノマネ芸でブレイクしたのが、それから10年後の2016年だった。

そのとき30代ど真ん中。ふたりにとって、30代はどんな時代だったのか。

チョコレートプラネット

長田:今思うと、いちばんモヤモヤして、漠然とした不安を抱えていた時期でした。デビュー直後は何も考えず、ただ芸人を楽しんでいたけれど、30代となると将来も考えなくちゃいけない。

でも、いざ未来図を描こうと思っても、どうしたらいいかわからない。ほんと、人生設計が下手くそなんです。

松尾:なんとなく仕事はあったけれど、かといって売れているわけでもなかった30代前半。周りの仲間や後輩がだんだん有名になってきて、このままで大丈夫だろうかって、思い始めて。

長田:ただ、何かやるにしても、視野が狭かった

チョコレートプラネット・長田庄平

松尾:そう。目の前に賞レースがあればそれだけ頑張る、みたいな。でも僕は、売れた人がどんなことをしているか、ずっと見てました。逆に、すぐに表舞台から去ってしまう人たちも、たくさん見ました。

そういう人は、売れたとたんネタをつくらなくなっちゃうんだな、とかね。あ、ネタは長田さん担当なので、僕はつくってないですけど。

◆ネタをやり続けてきたという強み。何かひとつを極めるよりも、コンテンツ量でカバーする

長田:戦略も、人生設計も、全然なかったけど、唯一よかったのが、ずっとネタだけはつくり続けてたこと

30代中盤になってモノマネが当たったけど、狙ってそうしたわけでもなく、いろんなネタをやっていくなかで、それが当たっただけのこと。運がよかった。

そして、それが俺らのやり方。何かひとつを極めるより、いろんなことやって、いろんなコンテンツを発信して、バズらせて、つないでいく。何がバズるかわからないから、コンテンツの量でカバーするんです。

松尾:相手が何を求めているか察知して、ニーズに合わせて自分らをフィットさせられるのは、強みだと思います。そして、それは間違いなく、ネタをやり続けてきたからこそ

どんなに忙しくても芸人の原点である舞台には立ってきたし、この数年はライブツアーとしてお客さんも増えてきて。ありがたいです。

舞台上で反応を見ながら変化していく。それが、チョコプラのコントの特徴

◆全国ライブツアー「PLANET TRAIN」がスタート

――2023年夏。長尺のドラマ仕立てのコントを含めた新作コントを引っ提げて、全国ライブツアー「PLANET TRAIN」が始まった。公演は過去最大の全国7都市17公演(10月まで)。ふたりの表現力の幅、その根底にある観察眼はますますさえわたり、受け取る笑いの量もこれまでになく大きくなった。

チョコレートプラネット

長田:才能もなければ、努力だってまだまだ。すごく努力してる人からしたら、俺なんてクソみたいなもんです。だから、大きなライブツアーをやる! って先に宣言して自分を追い込むんです。そうしないと、サボっちゃうんです。

ライブツアーの準備は半年前くらいから始まって、徐々にネタができてきて、1か月前くらいから仕上げに向けてセリフを覚えます。ただ、俺らふたりとも飽き性っていうか、同じことを繰り返しできない人間なもので。

ツアー中も、お客さんの反応を見ながら少しずつ変化させていく。それが、チョコプラのコントの特徴かもしれません。

松尾:やりながら楽しくなって、その場で思いついたことを言うと、長田さんと合わなくなっちゃうことがあるから、気をつけないと。

長田:いや、その前にセリフ覚えてないこと、あるだろ。今日もふわふわしてるとこ、あったぞ。すぐわかるからな。

松尾:はい。覚えようとしてるけど、なかなか入ってこなくて。

長田:腹立つ〜。

チョコレートプラネット・松尾 駿

松尾:最終公演の福岡までには間に合わせるんで。

長田:ふざけんな。

◆いちばん楽しんでいるのは自分たち。売れれても楽しくなかったら意味がない

松尾:今年は特に、バカバカしさが増して、やってても楽しくて。

長田:ま、そうだね。いつでもいちばん楽しんでるのは俺たちで、これは最初から変わっていません。ギスギスしていたら見る人に伝わってしまうし、楽しんでなかったらお客さんも面白いはずがない。

チョコレートプラネット

長田:よく思うんです。売れれても楽しくなかったら意味ないし、だったら売れなくても楽しくて好きなことをしているほうが絶対にいい。どんな仕事だってそうだと思いますよ。

松尾:正直、しんどい現場はたくさんあるけど、僕らはそこでどう楽しむかっていうのを、いちばんに考えているかもしれません。

長田:人生、楽しんだ人が「勝ち組」なんだよね。

松尾:それに、30代のみなさんだったら、働いたぶんだけ遊んで、楽しいこといっぱいあるじゃない。僕もよくクラブとか通ってたなー。今は家でビール飲んでるときがいちばん幸せですけど。

長田:それなら俺は、うな重の特上をひとりで食べてるとき、だね。

近い未来も想像できない、チョコプラのこれから

◆先輩芸人たちは時代を代表する大ヒット曲を出してきた、それを今、自分たちがやりたい

――ライブツアーが終わる晩秋のころ、テレビの中でどんな新しいキャラクターを誕生させ、どんな新しい笑いのネタを振り撒くのか。こんな近い未来でさえも想像できないのは、チョコプラならでは。

チョコレートプラネット・長田庄平

長田:ひとつ目指しているのが、自分たちの楽曲で紅白歌合戦に出ること。松平健さんと『パンダピラニア』という曲を出したので、健さんの力を借りて出られないかなと考えてます。

青春時代に見ていたダウンタウン、とんねるず、ウッチャンナンチャン…。みんな時代を代表する大ヒット曲を出してきたでしょう。それを今、俺たちがやりたいんです。

あとは…。松尾には、ビール飲んでラーメン食いまくって、この体型を維持してほしい。

松尾:頑張って痩せたことがあったけど、思いのほか不評だったなぁ。最近は腸活だって頑張ってるのに。かぜも花粉症も、腸内環境が影響するって言うでしょ? ちょっと前からぬか漬けもつくって食べてるよ。

長田:それはいいけど、頼むから痩せないでくれ。痩せたら、面白くないもん。

松尾:(笑)。

CHOCOLATE PLANET LIVE TOUR 2023 「PLANET TRAIN」

チョコレートプラネット

7月から始まったツアーは、このあと愛知・福岡と続く。新作コントを間近で見られるチャンス! オリジナルグッズも大好評なので、この機会にぜひ手に入れて。チケット購入など詳細は→https://yoshimoto.funity.jp/

⚫︎この特集で使用した商品の価格はすべて、税込価格です。

2023年Oggi10月号「この人に今、これが聞きたい!」より
撮影/高木亜麗 構成/南 ゆかり
再構成/Oggi.jp編集部

チョコレートプラネット・長田庄平

長田庄平(おさだ・しょうへい)

1980年生まれ、京都府出身。陶芸講師、ピン芸人を経て、チョコレートプラネットのネタづくり担当に。作詞した楽曲『パンダピラニア』が配信リリース中。モノマネのレパートリーは30以上。

チョコレートプラネット・松尾 駿

松尾 駿(まつお・しゅん)

1982年生まれ、神奈川県出身。ピン芸人を経て2006年にチョコレートプラネット結成。IKKOさんのものまねでブレイク。コンビとしてのレギュラー番組は『ヒルナンデス』『新しいカギ』など。

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Oggi12月号で商品のブランド名に間違いがありました。114ページに掲載している赤のタートルニットのブランド名は、正しくは、エンリカになります。お詫びして訂正致します。
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