サクラの開花は平年並みかやや早い予想
今年のサクラの開花は、平年並みかやや早めのところが多い見込みです。
サクラが開花するには、冬の厳しい寒さと春の暖かさ、いずれも必要になります。ただ、今シーズンの冬は強い寒気の流れ込みがあまり長続きせず、休眠している花芽の目覚めが鈍い(=開花スイッチが入りにくい)所が多くなりそうです。
一方で、開花が近づく3月に入るころになると気温が平年より高くなる見込みですので、ゆっくり進んでいた花芽の成長も順調に進むものとみられます。それでも大幅に高温になる可能性はあまり高くないため、開花が大幅に早くなることはなく、平年並みかやや早いと見込んでいます。
最初に咲くのはどの地域?
今年のサクラ(沖縄・奄美をのぞくソメイヨシノ)の開花トップは福岡の3月19日の予想です。サクラは暖かい所から咲くイメージがあるかもしれませんが、必ずしも南の地域から咲くとは限りません。
去年の2022年までの20年間に、沖縄・奄美をのぞいて最も多く開花トップになったのは高知(6回)で、次いで福岡(5回)、東京(4回)、名古屋(3回)と続きます。都市化によって気温が長期的に上昇していることも影響しているのかもしれません。
サクラの見ごろは1週間ほどととても短いですが、九州~関東地方は3月下旬、東北や北海道では4月ごろに開花し、場所を変えると長く楽しめます。今の内から計画を立て、サクラを少しでも長く楽しんでみていはいかがでしょうか。
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気象予報士 太田絢子
気象予報士、防災士。中学生のころから気象に興味をもち、大学在学中に気象予報士試験に合格。卒業後は損害保険会社に就職し、交通事故や自然災害に遭った人へのサービス業務に従事。自然災害が多発するなかで、犠牲者をゼロにしたいと思うようになり、気象キャスターへ転身。現在は地元名古屋のCBCテレビ「チャント!」などに出演中。趣味はモーニング巡り、季節の箸置き集め。