アラサー世代は失敗適齢期。だから、失敗してもいいんです。仕事はもちろん、恋愛、結婚など人生の岐路に立つアラサー世代こそ、悔しい思いをしたり、悩んだりすることが、これから先の人生の指標になります。近ごろはどんな「失敗」タイプが多いのか…? アラサー女性の失敗の傾向について考えてみました。
湯山玲子の「今どき女性の〝失敗〟タイプ分析」
あの有名人たちのしくじりをヒントに、働くOggi世代の女性が陥りがちな失敗タイプを著述家・湯山玲子さんが分析。※あなたの「失敗」タイプが分かる診断テストはOggi3月号「アラサー世代は失敗適齢期」に掲載!
近年、失敗を恐れるアラサー女性が、急激に増えていると感じます。中でも多いのは、ベッキーさん(タレント)のように真面目ゆえに失敗を周囲に言えず、事態をこじらせてしまう[A]「優等生で失敗隠ぺい&発酵」タイプや、その場をソツなくやり過ごすことを優先するあまり失敗していることすら気づいていない[E]「ソツのなさすぎる態度が失敗」タイプ、失敗を指摘されても人のせいにして自己完結してしまう、上西小百合さん(元衆議院議員)のような[D]「いつまでも若手気分で失敗」タイプなど。先輩世代になったのに、いつまでも目の前のことだけに気をとられている[B]「いつまでも若手気分で失敗」タイプも少なくありません。
[A]「優等生で失敗隠ぺい&発酵」タイプ
人から注意を受けたくない一心で、ささいなミスでも上司に報告できず、かえって大ごとにしてしまうタイプ。失敗することを恐れるあまり新たな挑戦に二の足を踏み、すべて中途半端な結果に終わることも多々。
[B]「いつまでも若手気分で失敗」タイプ
社内ではすでに中堅クラスなのに、現場しか見えておらず、俯瞰して物ごとを見られない。後輩や新人に任せるべき仕事もすべてやろうとしてしまうため、仕事をこなしきれず結局パンクすることも多い。
[C]「プライドだけは高いエリートで失敗」タイプ
高学歴や大企業のネームバリューを笠に着るタイプ。周囲からチヤホヤされ続けることで知らない間にテングになり、パワハラするなど〝女帝〟化。部下がついてこられず、周囲との人間関係で失敗する傾向が
[D]「失敗しても学ばない開き直り」タイプ
楽観的でマイペースな性格。その一方、根が頑固で自分のやり方に固執するなど、柔軟性に欠けているのも特徴。また「今のってパワハラだよね」など、失敗を相手のせいにして自己完結してしまうことも。
[E]「ソツのなさすぎる態度が失敗」タイプ
言われたことを無難にこなすタイプ。大きなミスをしたことがなく「失敗した」という自覚がない。チャレンジすべき場面でも当たり障りなく振る舞ってしまうため、いてもいなくてもいい存在になってしまいがち。
いずれにしても、「やってしまった!」と思ったら火消しに躍起になったり、畏縮したりしてしまう人が多い。理由のひとつは、ネットやSNSが力をもつ今の社会では、「一度失敗したら、周囲からトコトン叩かれる」ということを私たちが知ってしまったから。結果的に、ただ落ち込んだりその場をしのいだりすることばかり気にして、失敗の原因や本質を直視しないまま流してしまう。
それではいつまでたっても失敗は失敗として記憶に刻まれたままです。「あえて失敗のリスクを冒すより、無難にしておいたほうが安心」と思うようになるのも無理はありません。でもそれは、人生の幅や楽しみを狭めることでもあるんです。
Oggi3月号「アラサー世代は、失敗適齢期」より
デザイン/スズキのデザイン 構成/酒井亜希子・佐々木 恵・赤木さと子・平澤奈々恵(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部
湯山玲子
著述家。日本大学藝術学部非常勤講師。コメンテーターとしてメディアでも幅広く活躍。著書に『女ひとり寿司』(幻冬舎文庫)『男をこじらせる前に』(KADOKAWA文庫)など。